最近読んだ山の本 「山の繪本」

山の版画家・畦地梅太郎氏の幻の画文集「山の繪本」（1955年、日本愛書會）を読みました。本物は入手が困難なはずで、別冊太陽の「山の版画家 畦地梅太郎」（2003年7月20日）に復刻版が巻末小冊子として付録されていたものです。そもそもこの復刻版は、町田市立国際版画美術館が所蔵しているものをベースに作成したものと思われます。

全部で20の小話で構成されていて、各ページに１話づつ、上部に版画１枚、下部に文章が記載されています。タイトルは次の通りです：
「高千穂峰」「蝦野高原野天風呂」「阿蘇山」「石鎚山」「杖突峠の宿」「甲斐駒が岳」「八が岳山ろく」「夏の志賀高原」「白馬大雪渓」「小雪渓」「仙人谷」「劍岳」「劍澤小屋」「五色原」「スゴ小屋」「薬師岳」「黒部五郎岳の熊」「穂高縦走」「瀧谷」「涸澤」
白馬大雪渓以降の12編は、一連の登山のものと思います。なぜなら、「山の足音」に掲載されていたものと基本的に同じ内容・流れだからです。

それにしても、版画を含めて、素晴らしい作品ばかりで、だれでも畦地ワールドのファンになってしまうこと間違いなしではないかと思いました。