遠藤甲太氏の「登山史の森へ」(2002年6月、平凡社)を読み終わりました。もともとは、立田實という登山家のことを知りたくて、「失われた記録 ―立田實の生涯」(1986年、いなほ書房)を読みたいと思っていたのですが、これは豆本とやらで希少なもので手に入りにくいとのこと。これが「登山史の森へ」に収録されているということで、図書館にあったものを手に取って次第です。私がそもそも立田實なる人物に興味をもったのは、「山書散策 埋もれた山の名著を発掘する」(河村正之著、2001年03月、 東京新聞出版局)に登場していたからです。今回の「登山史の森へ」には、その他にもさまざまな登山界の埋もれたよもやま話(著者の言葉で言う【落としもの】)が丁寧な調査結果を参照しながら紹介されています。そもそもは、雑誌「山と渓谷」「岳人」などに掲載された記事がベースになっているそうで、かの、「失われた記録 ―立田實の生涯」も雑誌「クライミングジャーナル」17号・18号が初出のようです。
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なお、いまどきですので、ネットで検索すると立田實氏のことについて概要をしることができる頁があるようです。無断ですがURLを転記させて頂きます:
http://tamasaka.typepad.jp/tama/%E5%B1%B1%E6%9B%B8%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A2%E7%AB%8B%E7%94%B0%E5%AF%A6/------
さて、「登山史の森へ」に収録されている【落としもの】の数々、どれも楽しく読み進みましたが、私の興味を特に惹いたものとしては、掲載順に「知られざる山女たち1・2・3」「アルピニスト松濤明再考」「人間・小西政継」「最後のマタギ、工藤光治氏に聴く」を挙げておきたいと思います。
この本を読んだおかげで、山岳図書の宿題リストが一気に増えてしまった、という嬉しい悲鳴を上げて、この項を終わりにします。
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