タイトル「ひとつとなりの山」の意味について、まえがきで「ひとつとなりがよい。人気のある山、良く知られた山のひとつとなり。『日本百名山』などに入っていないお山。」と解説されています。しかし、目次をみるとわかる通り、全20座のうち、百名山が6座、二百名山が3座、三百名山が1座と、ここまでで半分を占めていますので、若干、タイトルに偽りあり(?)って感じがしなくもありません。但し、実態としての中身は通俗的な紹介文ではなく、さすがに文学者だけあって、奥の深いオリジナル性の高いものと言えます。また、挿絵も著者自身のものだそうでして、独特の雰囲気をさらに付け加えています。
一方で、紀行(山行)そのものについては、相当な贅沢三昧のご様子でして、タクシーや有料の山小屋を(金に糸目をつけることなく?)ふんだんに使っていらっしゃるようです。ですので、私個人の好みとしては、最近読んだ中では、横山厚夫氏の「ある日の山 ある日の峠」の方が、つつましく庶民的でずっと身近に感じた次第です。
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