第1部〜第3部で構成されていて、それぞれのタイトルは、「青春(ゆめ)みる頃に」「百名山から山脈踏破へ」「道理・平和(さいわい)・自然(はな)を考える」となっています。第3部はそのタイトルからもわかるように山との関係はあまりありません。全部で546ページもあり、しかも二段組み構成です。このボリュームもさることながら、文章があまり読みやすくないため、最後まで読み通すことはあきらめました。第1部は青春時代の話ですので、稚拙な文章でも若さと勢いの流れでそれなりに楽しく読み通せましたが、それ以降は、正直苦痛になってしまいました。ルビのふり方みても分かるように、よく言えば個性的、ちょっと個人嗜好が強すぎにも思います。また、山行記録の文章は、子供が日記をつけたような事実記載のみが大半です。
百名山からはじまって山稜(分水嶺)踏査にライフワークを見出した一般登山愛好家という点では、とても親近感が湧くはずなのですが、ちょっとガツガツしている様子があからさまに見て取れるところが残念でもあり、他山の石にしないといけないな、と感じた次第です。
それでも著者は、奥様を早くに亡くし、自営業を営みつつ男手で三人の息子さんを育て上げてもいらっしゃるようで、そのような境遇の中で、これだけの山稜踏査を精力的に実行されたことはやはり熱い想いの塊のような方だと思います。主な記録は次のようなもので、「初」そしてそのためにも「単独」というところにとてもこだわっているようです:
・日本列島山岳横断計7回(周回も含む)(単独)
・新潟県境山岳縦断(単独)
・日本の名前ある山 1538山(単独1507座)
・岳人選 マイナー名山12山 目標8山完登(単独8座)
その他、百名山・二百名山・三百名山のたぐいはきりがありません。私の目を惹いたものとしては、2004年5月の、粟ヶ岳〜矢筈ヶ岳〜守門岳の縦走がありました。
比較的似た地域の山稜縦走としては、まだ手にはしていませんが、湯澤吉一さんの写真集「県境を行く」(山形県境をつないだ27年の軌跡)というのがあるようなので、そちらも機会を得て、眺めてみたいと思っています。
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