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この本は、サブタイトルに「山と写真の半生記」とあるように、著者のこれまでの活動をすべて振り返ったものです。志水氏の作品については、先に「黒部物語」「果てしなき山稜」「水の屋久島(写真集)」「日本の幻の滝(写真集)」「大いなる山 大いなる谷」を読んでいましたので、基本的な背景は認識しており、ふむふむという感じですいすいと読み進みました。また、最初はタイトルがちょっと大げさだなぁ、とか、自叙伝を書くようではもう先が無いのかなぁ、などと多少ネガティブな印象がありましたが、実際にはそんな心配は当てはまらないようです。あくまで夢追い人として、挑戦しつづける、但し、対象・フィールドは一つの狭い世界に固執するのではなく、人としての成長に合わせて柔軟に探し出していっているという好印象でした。自分の存在意義・存在価値を考えながら明日は何をするかを自問自答している姿が正直に書かれています。文章的にも良く推敲されていると思います。
本の帯には、「生きている意味と充実感を求めて、一人で岩と雪の山へのめり込んだ日々。自分にしか撮れない写真をめざして、北から南へ日本中の山を旅する日々。山に賭けてきた45年間の自叙伝。」とあり、さらにこの帯の背表紙にあたる部分には「命に代えても」という文字が並んでいます。そういったエキサイティングな経験を持ってしまうと、さらなるエキサイティングがないと生きる意欲につながらないというある種麻薬のような要素もあるのでしょうね。
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