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所長と助手がスマホのGPSについて議論を交わしています。どんな話をしているのでしょう?
助手「だーかーらー。今はスマホで地図が出るしGPSで現在地が分かるのでペラの『山と高原地図』や紙の地形図は必要無いって言っているじゃないですかあ」
所長「確かに今のスマホによるGPSと地図表示の機能は以前とは比べ物にならん。でものう・・・」
助手「そんな事言ってると時代の流れについていけなくなりますよ。地形図と『山と高原地図』はスマホで見れば簡単に拡大できるから所長でも見づらくないですよ。GPSで現在地も分かるし」
所長「(ムカッ!最近、更に進んだ老眼を気にしていたのに。年寄り扱いしおって・・・)」
助手「じゃあ、これからスマホを一緒に買いに行きましょうか。山で使うなら大画面で電池は大容量が・・・」
所長「まあ待て。最近はスマホのGPSが原因の遭難が多いのは知らんのか?」
助手「言っている事が訳ワカメですよ所長。GPSは道迷い遭難を防ぐ為のものでしょう?」
所長「うむ。確かにそうなんじゃが、今は新種の『GPS遭難』というものが全国的に数多く発生しているのだ」
助手「えっ!?GPS遭難?詳しく聞かせて下さい」
所長「スマホで地図表示とGPSで現在位置が分かるようになって、山のハードルが下がったんじゃ。山で怖いのは何だと思う?」
助手「そりゃ道迷いからの遭難でしょ。行ったことも無い場所なんだし」
所長「そのとおりじゃ。行ったことも無い場所じゃが、スマホの地図で現在地が簡単に分かるようになったので経験の乏しい人が山に増えたのじゃ。山をカーナビで案内されて歩くようなものと考えるとよろしい。現地のザレ場や地形図では分からない崖等の危険性を考えずに山に入る人が増えたのじゃ」
助手「ふんふん」
所長「それでじゃな、いくらスマホで現在地が分かったとしても、人は目視に頼りすぎる。ついつい歩きやすい場所を選んで歩くと・・・」
助手「わかりました。道迷いですね。でも、GPSがあるから元来た道に戻れます!」
所長「おまえみたいな者ばかりならいいんじゃがのう・・・。今はスマホのGPSと地図表示を頼りにショートカットをする人が多いのじゃ。戻るのは時間のロスが発生するからのう。効率・時短の時代じゃ。そうしたい気持ちは分からんでもない」
助手「なるほど・・・。経験の乏しい中でショートカットをするので進んではいけないザレ場や谷や崖に向かって歩いてしまって、滑落等の危険が発生する可能性があるって事ですね。山慣れしている方でも日の入り等で時間に追われると、ついついそういった行動をしてしまうかもしれませんね」
所長「そのとおりじゃ。便利すぎるのも考えもんじゃ。要はスマホのGPS機能を使う側の問題なんじゃが・・・」
助手「所長のおっしゃりたい事は分かりました。でも所長は経験豊富だから大丈夫ですよ。さあスマホを買いに行きましょう!」
所長「(こいつ、単に仕事をサボって一緒に買い物に出かけたいだけなのじゃなかろうか?)」
助手「モバイルバッテリーも買ったほうがいいですよー。カバーも買いましょうね。こりゃ、一日仕事だ♪」
所長「(やれやれ。たまには若いもんの言う事を素直に聞くかのう)」
ちなみに自分はスマホ持っていません(爆)。
※紙地図とコンパス(共に脱落防止の紐付き)は用意しておいたほうが良いと思います。スマホは紛失や破損の恐れがあるので。
いや〜今回のレポートは素晴らしい!
最近、私の住んでる地域の低山(三浦アルプス)でも、スマホさえ持っていればなんとかなるだろう、みたいな安易な登山者(?)が増加して、遭難もどきの通報が増加していると聞きました。
GPSで現在地がわかても、地形図を理解していないと、とんでもない行動をとってしまうんですね〜
山という自然をナメているというか、ナメているという意識さえないイージーなハイカー(?)の増加は、時代の流れなんでしょうかねぇ…
以前は山の経験のある方が道迷いをして、登り返しや難所で辛い思いをする→道迷い対策にガーミンeTrex等のGPS機器購入。今は山の経験の乏しい方が道迷いをしたくない→スマホのGPSで道迷いしないから大丈夫と思うのでしょう。
後者の場合、登山道を外した時に難所を歩く危険性を知らないので、道迷いをしてもスマホのGPSを頼りにショートカットを選択するのだと思います。自分も液晶付き座標表示ができるGPSロガーで後者そのままの体験をしました。
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