先日那須岳へ登った時は、お子さん連れのグループもたくさん登っていました。
特に印象的だったのは、ひときわ小さいお子さんを連れていた若いママさんでした。
お子さんは4歳くらい、保育園なら年少か年中さんといったところでしょうか。
「くもがおひさまになりたいんだと思う」
「くもがおひさまになりたいの? それって、どういうこと?」
手をつないだママさんへ、たどたどしいお話を一所懸命にしゃべる様子があどけない。
ママさんは「わかった! こういうこと?」というふうに、話をきちんと聞いてあげている様子です。
少し後ろを歩きながら、いいなあと思って見ていました。
那須岳(茶臼岳)の登山道は幅も広くよく整備されてはいるけれど、段差が大きかったりザレていたりで、決して歩きやすいとは言えません。(そりゃ我々山ヤには歩きやすい部類の登山道でしょうけども、一般的には普通に厳しい登山道ってことで。)
こんな小さい子が、と思いましたが、本人が「がんばる!」と元気に宣言しているのを耳にして、あまりの可愛らしさに連れと顔を見合わせ笑ってしまいました。
そうしてお子さんはとても良く頑張っていたのですが、私はママさんが凄いのではと気づきました。
まず格好が山慣れした人のそれです。
おしゃれな若い方なのですが、よく見ると履き古した感じのしっかりめの靴に、軽そうでも過不足のないバックパック、今日の気象状況にあった服装をしています。
驚いたことに、手をつないでお子さんに無理のないペースで歩いているように見えるのに、周りのハイカーと同じくらい快調に、どんどん先へ行くのです。
歩き慣れない様子の、もっと大きいお子さん連れの家族よりも、断然早い。
たぶん、足をどこに置けばよいか、どこを通ったら歩きやすいかをよくわかっていて、ごく自然に歩きやすいラインに誘導しながらお子さんを歩かせているのだろうと思います。
いや、凄いなあ。
相当に山慣れした人なんじゃないでしょうか。
いざとなれば、お子さんを抱っこして降りる心づもりもあるのかも。
自分自身を振りかえると、子どもが小さかった頃は今より体力がありませんでした。
子どもを連れて山へ行っても、おそらく自分のことで精一杯。
連れ合いはインドア派でさらに体力がなく、とても子連れ登山を考える状況ではありませんでした。
そこで子どもがある程度自分のことを自分でできる年齢になるのを待って、少しずつ登山を再開したのですが、子どもは連れ合い同様インドア派で、最近はあまり付き合ってはくれなくなりました。
あのママさん、かっこいいなあ。そして楽しそう。いいなあ。
なんて、話しながら歩いていたのですが。
「あっ、どうぞ(お先に)」
ちょっとした難所でお子さんが立ち止まった時に、ママさんは道をよけて後続の人たちを通しました。
私たちも続いて行かせてもらうことに。
「残念。ペースメーカーにさせてもらってたのに」
「ね」
インドア派で運動不足の連れと私には、あのママさんとお子さんが歩くペースが丁度よかったのですけれど。
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