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初日の天気予報は霧時々雨くらいだったのが、思ったより降られてしまい、山小屋に辿り着いた時は濡れねずみ。
小屋番さんは近づいてくる私の熊鈴の音を聞いたのでしょう、小屋の前に出て待っていてくれました。
この天気でみんなキャンセルになって、今夜の宿泊者は私一人なのだそう。
温かいコーヒーをご馳走になり、濡れたものを干すハンガーもたくさん持ってきてくれました。
小屋の温度計は15℃、体がすっかり冷えていたので、温かくて甘いコーヒーが五臓六腑に染みる感じ。
小屋を独り占めと聞いて、持っていたものを全部広げて乾かしました。
八ヶ岳や南北アルプスにあるような大きな小屋だと乾燥室があったりするのだけれど、奥秩父の小さな自炊小屋にそんな設備は望めませんから、あまり乾きませんでしたけども。
小屋の自炊室に、一冊の絵本が置いてありました。
「エマおばあちゃん、山をいく」
これ!
「グランマ・ゲイトウッドのロングトレイル」の絵本バージョン!
「グランマ・ゲイトウッドのロングトレイル」はめちゃめちゃ心揺さぶられて日記にも感想を書きました。
ただ分厚いし途中退屈な部分もあるので、人にすすめにくいと思っていました。
この絵本ならおすすめしやすいかも。
絵も文章も優しくて楽しい、いい絵本です。
絵本をめくりながら、あたたかい気持ちになりました。
こんな本をさり気なく置いてある山小屋、素敵だなあ。
大きな小屋では本棚いっぱいに山の本や図鑑を置いているところもありますけども。
小屋では乾いた服と靴下に着替えて過ごし、暖かい布団でぐっすり眠りました。
翌朝、まだ濡れている服を着て出発しました。
もう2日あるから、乾いた服は乾いたままキープしないとならないので。
ずっと濡れた服のままだと夏でも低体温症で最悪死にますから、乾いた衣類は命綱です。
幸い2日目のお天気は悪くなく、Tシャツ類は着て乾かすことができました。
濡れた靴下を履いて、濡れた靴に足を突っ込む瞬間が一番凹みました。うへぇ。
履いてしまえば、もう自分の足と一体化して気にならなくなりました。
ここまでしっかり降られたのも本当に久しぶりで、ややピンチな状況ではありましたが、それが面白くて楽しかった。学生時代の長期合宿を思い出したりしました。
日帰りや1泊2日ばかりだと、濡れた靴下をまた履くなんてことには、ならないですもんね。
最終日にはもちろん、乾いた衣類で下山しました。
乾いた靴下で歩くって、なんて快適なんだろう! とちょっと感動。
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