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大舘鳳鳴高校山岳部が遭難した岩木山に登ってみたいとずっと思っていました。
そして昨日、ようやくその機会に恵まれました。
22日、「天くら」の岩木山は「A判定」、雨雲の進路予想も岩手県から太平洋側に抜けるようなので、
この判定は信用できそうです。
早朝から高速道路を走り、弘前市を抜けると山の字に見える岩木山が近づき、
麓はオレンジ色の紅葉に彩られ凄いコントラストになっています。
まずは登頂の無事を祈るため岩木神社を参拝し、神社の脇にある百沢コースの説明板を眺めていると、
「ここは登山道の入口ですか」と三人組の高校生から声を掛けられました。
彼らは弘前市から岩木山まで歩いて来て、岩木山に初めて登るとのことです。
「このコースはどんなコースですか」と聞くので、「百沢コースは大変なコースだよ」と伝えると、
「じゃあこのコースで決定だ」と楽しそうな返事です。
彼らを見ていると、初めての冬山登山だった大館鳳鳴高校の生徒達が頭に浮かび、
彼らも同じように自慢話にしようと思い、厳冬期の冬山に入ったのではと思いました。
三人組はスキー場のところで休憩したので追い越して、長い樹林帯を抜け、
焼止りヒュッテで一休みしてから大沢に入りました。
大沢は予想通りの枯れ沢の岩場を登るルートで、後から来る高校生三人組は大丈夫なのか心配です。
大沢を登りきって種蒔苗代から少し登ると、慰霊のために建てられた鳳鳴ヒュッテがあり、
小屋の前にはヒュッテの由来を書いた説明板がありました。
そこから岩場を登って山頂に到着すると、津軽平野と日本海がいい感じに広がって見え、独立峰らしい眺望です。
この山頂で、鳳鳴高校の生徒達は吹雪の中どんな景色を見たのでしょうか。
せめて日本海と津軽平野でも見えたなら、下りる方角が少しでも分かったかも知れませんが、
恐らく吹雪で全く景色は見えなかったと思います。
昼食を食べ、鳳鳴ヒュッテまで下山すると、追い越してきた三人組の高校生達がグッタリと休憩していたので、
「よく登ってきたね」と言うと、「下山は、あのコースはご免だ」と弱音を吐いていましたが、
鳳鳴ヒュッテでトイレを済まして外に出てみると、
元気一杯、山頂に向かって岩場を登って行く三人組の姿が見えたので安心しました。
遭難した鳳鳴高校の彼らだって、無事に下山していれば「いい思い出」になったはず。
弘前市から歩いて来た三人組もこの登山が「いい思い出」になると思います。
本を読むまで遭難の詳細は知りませんでしたが、
プロの登山家が遭難した話よりも、とても哀れで悲しい気持ちになる話です。
昨日は百沢コースを歩き、遭難した大舘鳳鳴高校の彼らを偲んだ山行となりました。
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