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遠い山も終盤だと思い、思い切って土日の二日間、南会津まで遠征しました。
当初は蒲生岳、浅草岳、会津朝日岳の三座を登る予定の欲張った計画。
一日目は、只見尾根からの浅草岳。
鬼ヶ面山の急峻な岩屏風を横目に、眼下には田子倉湖を見ながら登る登山道は、とてもいい感じ。
山頂からは、遠くに燧ケ岳が見え、初めて見る新潟の山々の姿に、次はあの山に登りたいという意欲が湧いてきます。
下山後に蒲生岳の登頂を考えましたが、翌日の会津朝日岳に備え、体力温存のため、一日目の蒲生岳は見送り。
二日目の会津朝日岳は、早朝の雲海が綺麗だという山。
その雲海を見たいと思い、早朝から出発する予定でしたが、車中泊は寒さで寝つきが悪く、起きた時はもう朝の6時。
急いでアルファー米の朝食を食べて出発したのですが、もう時刻は7時30分。
雲海を見るには叶の高手あたりまで登らなければいけないと思い、先を急ぎました。
ところが登山道はジグザグのつづら折りの連続、なかなか高度が上がりません。
朝日はどんどん昇り、木々の隙間から見える雲海が見えると、焦りに拍車が掛かりますす。
幸い、人見ノ松のところで視界が開けて綺麗な雲海が見れ、何とか間に合ったと思う瞬間でした。
叶の高手まできて、ようやく会津朝日岳の全容が見えましたが、その急峻な山容は手強そうな予感をさせます。
叶の高手から一旦下り、朝日岳を横目に避難小屋に向うのですが、山が近づくと急峻な岩肌が見えてきました。
この岩肌の感じ、山頂までどう登山道が付けられているか、一抹の不安がよぎります。
避難小屋を過ぎて急登を登ると、目の前に山頂に突き上げる絶壁が出現。
「こうきたか」、何か予想はしていましたが、これほど斜度がある岩場とは、思わず笑ってしまいます。
絶壁の上にピンクテープが見えますが、この岩場、夏場はどのルートを登っているのか。
通常なら、鎖場や梯子場になりそうな感じの絶壁です。
中腹まで登ると本格的な岩場になりましたが、雪が積もって岩の全体像が掴めません。
岩場があるとは聞いていましたが、甘く考えていたので、せめて岩場の画像くらい見ておけばと後悔です。
岩は凍り、氷の中を雪解け水が絶えず流れていて、川の中の岩場と同じような雰囲気です。
これでは登山靴のトラクションは期待できないと判断し、右側の草付き場の雪を落としてみました。
すると雪の下の草は長く、足の置き場が悪いと、雪と一緒に滑落するパターンです。
左は同じ絶壁の岩場、色々とルートを探りましたが、上まで登れる確信が持てません。
時間的に余裕はありましたが、岩場の状況から登山靴で登るのは無理と判断。
滑落すれば携帯は圏外、登山者は自分一人、この状況下では救助要請は困難だと思い敗退を決めました。
残念ながら会津朝日岳のピークは踏めませんでしたが、「山には登山適期がある」ということを教わった気がします。
思えば、自分一人しか登山者がいなかったのは、そういうことです。
無事下山したものの、二日目に予定した蒲生岳に登る気力は失せてしまい、結局、蒲生岳は未踏で終わり。
その後、河井継之助記念館を見学し、継之助が詠んだ「八十里腰抜け武士が越す峠」の言葉が心に残りました。
今日の自分はピークを目前に「腰抜け武士」だった、そんなことを思いながら帰宅の途についた山旅でした。
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