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ヒルの巣窟
煤ケ谷からの登り初め、やや深みのある道に落ち葉が積もり、天気が良いのにじっとり濡れて、イメージ通り、さぞやシーズンには蠢くものがうじゃうじゃと・・・・
と想像してきたら恐ろしくなり、地面に着ける足もそこそこに気が急いでしまった。実際は見かけなかったのだが。
誰とも出会わなかったので、途中のベンチで休憩中に追いつかれた高校生グループと中年グループの姿をなるべく見失わないように後を追った。
あの険しい鎖場、痩尾根の急な梯子を元気溢れる中年グループに前後して登ったら、その元気が自分にも乗り移ってアドレナリンが全開し、意外なほどスムーズに脚が運びあまり疲れも覚えず頂上に達することができた。これが1人ぽつんと歩いていたら、慎重に慎重にとやたら時間ばかり掛かった筈だ。
その後、大山へ向かう中年グループと分かれ、不動尻に下山して休憩をとった。すると意外にも先に行ってしまったと思っていた高校生達がくたくたに疲れた様子で下山してきて、石垣に次々と座り込んでしまった。この様子を眺めて、あらら、自分は高校生にも負けなかったのか、とすっかり気分が良くなり、これまでの快調なペースを更にアップし、この後の長い長い舗装路歩きを飛ばしに飛ばした。おかげで一本早いバスに乗れて早めに帰宅できた。
めでたし、めでたし よく頑張った
と自分を誉めたいところだが、心の中では、これはやり過ぎではないかと一抹の不安があったのも事実
果たして、翌朝目を覚ましたら、胸が重苦しい。静かに手首に指を当てて脈を測ってみる、時々飛んでいるし、強弱リズムともやや不規則。無理をしたのだ、調子に乗ってしまった。こうなるのではないかと心配はしていたのだが。
でも、数年前まではよく起こった症状なので、対処法は心得ている。1日静かに過ごしたら、予想通り2日目には平常に戻った。まだ回復力は残っているようだ。しかし、これを繰り返すと事態は悪化して行くだろう。
老人は、やはりいつものペースを守らないといけない。年甲斐もなく若い人達の真似をしてしまった。まさに「年寄りの冷や水」、子供の頃いろはカルタで学んだ筈なのに。
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