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2019年04月15日 20:54標識や工作物など全体に公開

方向を違えた標識と痴呆がかった老人

写真の標識は、古里駅から赤杭尾根経由で川苔山を目指す途中、集落中の分岐点に設置されているものです。その地点で道路は直進と左方向の二つに分かれます。写真は一昨日撮ったものですが、話は2年前に遡ります。

2年前の今頃、ここに差し掛かったとき、私は、当然標識に従って金網沿いに直進しました。50メートル進むと墓地の石垣に行き当たり、その手前に車道が左右に延びていました。車道を横切っても石垣のため直進できないので困ってしまい、車道の左右両方向を眺めてみましたが、山麓の長閑な雰囲気が感じられるだけで、何ら手掛かりを発見できません。それで墓地の石垣をもう一度眺めてみると5メートルくらい右にずれた箇所に奥へ続く石の階段が目に付きました。ああ、これが直進ルートかと思い、そこを上がって墓地脇を通って行くと、水道施設の横を過ぎたところで階段は終わり、そこから先は樹木と雑草の生い茂った山の中へ入るようになっていました。

しかし、なかの様子を観察して首をひねりました。赤杭尾根ルートってこんな惨めな状況なのだろうか、道はないし踏跡も判然としない、おかしいなあ、しばしためらいました。一方で、何となく踏跡のようなものがうっすらと続いている気もするし、歩くには別段支障はないし、まあとりあえずという感じで足を踏み入れました。

それから先へ進むにつれ、あっちの斜面に土の筋がのびているようだ、待てよ、むしろこっちの方が道らしいのではないか、いやちょっと離れた右方向に日当たりのいい空間があるぞ、その先の斜面に何となく上へ延びる道があるような雰囲気だな、違ったか、やっぱり下の方へ戻って別方向を調べた方がいいかな、などとその辺をうろつき廻り、挙げ句の果てに、目の前の斜面を登って行けばいずれ「スマド山」へ行き当たるのではないだろうか、とにかく少し登って見ようと、今になって考えると全く馬鹿げた思いに囚われ、急な斜面を立木や草に掴まりながらせっせと登りはじめました。

それまでは前後左右に動き回っていても、森の入口近くにある下の民家の屋根を見失わないよう常に気を配り、引き返すときの安全を図っていましたが、いつの間にか民家も見えないところまで登ってきてしまいました。上を見上げるとピークの先にまた急斜面が続く雰囲気で、「スマド山」へはとても無理そう、足許はぼろぼろ土がこぼれ落ちてとても不安定、木に掴まらないと立っているのも困難な状況です。マジで登ってきたわけでもないし、こんなところで怪我したら取り返しがつかないぞ、もう老人の冒険ごっこはこれでお終いにしよう、脚の運動にもなったし、気も晴れたからもういいや、ということで事故を起こさず無事引き返しました。

さて、墓地前の車道に戻り、眼鏡をかけて改めて車道の遠くを念入りに眺めていたら、100メートルくらい先にチラッと登山者の姿を認めました。あれ、と思い、そこのところへ行ってみると、なんと川苔山と古里駅の方向を明瞭に示している立派な道標が設置されておりました。何これ、なんでこんなところに道標があるのだろう、不審に思いそこを古里駅方向へ下ってみたらさっきの直進を示す標識のところに戻ってきました。一体何なんだろう、最初の標識が間違った方向を示していたなんて、直進ではなく左折するのが正しいルートなのに

やれやれ、今日は本当についてない、ダブルでミスするとは、我ながらあまりの阿呆さ加減にむしろ気持ちが落ち込むよりもかえって愉快になってしまいました。というのは、その日の午前にすでにもうひとつ呆れたミスをしでかしていたからです。

本当はその日は、都県境尾根ルートを完結する最後の段階として、上成木から黒山まで歩く予定でした。それで青梅駅で「上成木行き」のバスを待っていると予定の5分ほど前にバスが到着し、偶々一緒に待っていたハイカーグループが賑やかにどかどかと乗り込んだので、私も釣られるような形でその後ろから乗車しました。バス到着時にチラッと行き先を見たら成木の文字が目に入ったので、てっきりこれが上成木行きと思い込んだのです。

でもそのバスは上成木行きではありませんでした。成木辺りをぐるりと循環して可部駅へ戻ってしまいました。そうです、バスを乗り間違えたのです。上成木行きは数分あとの発車なのです。バス運転手の手前みっともなかったですよ。なんて間抜けなことを、またこんなミスをして本当に情けない、いまさら青梅駅へ戻っても、上成木行きのバスは本数が少ないからもう手遅れ、時刻は12時近く、このまま帰宅するのはあまりに惨め、心の傷は癒えないでしょう。しばらくあれこれ考えあぐねた末、古里駅から赤杭尾根の途中の林道合流地点までの間を歩くことにしました。そこは今から5年前、川苔山から古里駅へ下山しようとした時に台風のため通行止めになった区間で、その時はやむを得ず林道を上日向へ下山しましたので、未踏のまま残っていたのです。そこでこの区間なら今の時刻からでも何とかなるだろうと気を取り直し、古里駅で電車を降り、この標識の前に差し掛かったわけです。

そしてまたもやミスをしてしまいました。同じ日にこんなダブルミスをしてしまうとは、私の脳はもう円滑に廻っていないのでしょうか。

それにしてもこの標識は何なんでしょうね。なぜ違った方向を教えているのでしょう。設置者としては、墓地に行き当たってから左方向をよく観察すれば登山口の道標がわかるだろうと考えているのでしょうが、それは当初からその辺の地理を熟知した人の言い分であって、始めて訪れた土地不案内な人間に教える標識としては完全に落第です。標識に左折方向を表示すればいいだけなのに何故そうしなかったのでしょう。

それから1週間後、再びその標識の前に立ち、つくづく標識を眺めていたら、畑仕事をしていた老婆が近寄って来て、「川苔山へ行くんなら左だよ、その標識はちょっと違ってるよ。」と教えてくれました。礼を述べて、何気に左折し、その日は無事赤杭尾根を歩きました。

また、その年の秋に下山途中もう1度その標識のところを通りましたら、依然としてそのままになっていました。

それで一昨日、青梅の近くを歩いた時に思い立ち、今その標識はどうなっているだろうと妙な興味をもって立ち寄ってみました。標識は相変わらず同じ状態のままでした。そこで写真を撮っていたら、またまた畑仕事をしていた老人が近寄って来て、「川苔山なら左だよ、その標識はおかしいんだよ。」と教えてくれました。

まあ直進しても、若い人やグループなら墓地に行き当たったところで左方向を観察して道標が目に入るのかもしれませんが、老人や目の薄い人には見えません。見えなければ標識に教えられたとおり前へ前へと進みます。また、普通の人なら森の中に少し入ったところで、おや、と気付いて引き返し、あらためて車道の観察を続けて正しいルートに復帰するでしょう。でも、中には私のようなボケ人間もいます。或いは無謀にも本気になって籔漕ぎをして「マスド山」を目指す蛮人がいるかもしれません。通常は考えられない行動をとる人が居るから遭難は起こります。標識はきちんと正しいルートを示してほしいものです。


なお、森の入口は、今では台風の影響のためか、荒れ放題で足を踏み入れる余地は全くありませんでした。もう私のように阿呆なまねは、したくともできない状態になっていました。

一昨日は、その後、青梅丘陵コースを歩きましたが、登山口でちょっと妙な話を聞かされました。また次の機会に

(追記)
写真をよく観察すると、この標識は、設置当時は正しい方向を示していたと思われます。その後、金網を張ったときに標識の角度を動かしたたため現在のように狂ったのでしょう。古里駅の方向も微妙にずれているようです。正しくは、川苔山の部分が道路にはみ出し、古里駅の部分が金網にぺたりと張り付く状態が正しいと思われます。いずれにしろ人を迷わすおそれがあるので早急になんとかしてほしい。
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