高齢者も80才を超えれば、それだけで常時うつ状態にあるのに、このじめじめした梅雨空にコロナの恐怖も加わって愉快なことは何もない。
先月10日の明け方、何気にトイレに座って用を足し、寝ぼけ眼でゆったりした途端、ギクーンと腰に来た。わあー、またやられた。ギックリ腰の襲来だ、一瞬にして目が覚めた。立てない、ベッドへ戻れない。助けが必要だ。肝心の嫁は、鼻息荒く深い眠りに入っている。いつも不眠症を訴えているのでいま起こすのも気の毒だ。仕方なく悪戦苦闘してどうにか自力でベッドに戻った。
その後は、これまでと同じく4〜5日でやや痛みがひき、歩行に支障がなくなったので、あとは山で治そうと前回の日記に書いた調子で城山へ出かけた。これがよかったか悪かったかはわからないが、その後トイレの中や洗面所の前で2日と空けずギクッ、ギグッと発症を繰り返すようになった。椅子に座れない、というか腰が痛くなっておちおち座っていられない。ソファーに座ったらもう立ち上がるのが大変、ただし歩行自体はそれほど困難でない。
3週間近くたっても治らない。これはおかしい、単なるギックリ腰か、心配になって本屋でちょっと立ち読みしたら、腰痛には、危険なものと危険でないものがあるのでこれを見分けることが大事だ、と書いてあった。危険なものには恐ろしい病名が並んでいた。自分はベッドに横になると痛みは感じないから、危険でないものに分類されるだろうと都合よく見当をつけたが、やはり心配。いままでこんなに痛みが長引いたことはない。ひょっとして・・・・などとよからぬ想像をしてしまう。
鬱々としているうちに先月下旬に定例の内科受診日がやってきた。血液検査と尿検査があり、衝撃の宣告を受けた。
異形細胞の疑い
むっ・・・何、それ・・ 尿の中に異形細胞って、文字からして・・・がん?
恐ろしくて先生に問うこともできない。
なお詳細に検査をするので、結果は2週間後に、とのこと
下を向いたまま黙って帰ってきた。
そうか、腰の痛みが治らないのは、そのせいか、とうとう死の病に取りつかれたか、いつかはと覚悟をしていたが、とうとうその時がやってきたか、それからの2週間、生きた心地がしなかった。毎日、否でも新聞の死亡記事に目が行く。70才代で亡くなられたか、お気の毒に、さぞ無念だったろうに、82才か、自分とあまり変わらないな・・・偉い人でもいつかは・・・いけない、こんな鬱、なんとか追い払わなければ、
テレビは大雨とコロナの暗いニュースばかり、陰々滅々と日が過ぎた。
ようやく昨日の朝一番、覚悟を決めて病院へ行き検査結果を聞いた。
「陰性です。」若い女医さんのお告げ、天気がいっぺんに晴れた。ホーッと安堵のため息
これでもう少しは長生きできそうだ。
早速新宿タワーレコードへ出かけ、ベートーベンのCDを買った。ピアノ協奏曲第5番を2枚、これで更に勇気を奮い立たせ、鬱を吹き飛ばして、しっかり山へ行こう。
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