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富士山やそのすそ野に広がる高原を一望に収めることができた。これは期待通りだった。
視界いっぱいに翼のように広がる姿はやはり雄大で美しい。日本一の山であることは確かだ。
だが、その姿に感嘆の声を上げてから、延々と同じ風景を見続けて登っているうち段々と飽きがきた。あの単調な笹原の中をこれでもかというくらい登らされる間、景色が全く変わらない。目を上げれば同じ風景しか見えない。
それに頂上から白い雪に覆われたカッチリした富士山は、あくまで東側から眺めたときの姿で、西側から眺める富士山は雪を頂かず、なんかボヨーンとした感じだった。美しいのだが、いまひとつなんか物足りない。こちらは富士山の後ろ姿みたいだなあと思った。
で、退屈な笹原の中を足元に気を付けながらぼんやりと放心状態で歩いて行くうち、あらぬ妄想が湧いてきた。いつもの現象だ。
女性と同じかも・・・・・
雪化粧してバッチリ美しい女性に感動したのに、いざ近くに寄ってみたら顔のない後ろ姿を見せられた、それが延々と続くので段々と・・・嫌になる?
否、ちょっと違う、もともと美しいのだから・・・飽きてくる?
飽きてはこないけど、なんかなあ
それなりに美しい姿がいつも横に・・・家のテーブルに?
富士山の後ろにも雪が降っていたらなあ
一体なにを考えているのだ、お前はバカか
それにセクハラではないか、止めておけ
あらぬ妄想はさらに膨らんでいったのに、残念
まあ、人生こんなものかと・・・
なんだかわからない
ああ、もう頂上だ、いつの間にか着いてしまった。夢を見ているとあっという間だ。
でもこの頂上はどこだ?
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