|
|
|
いつもバスの窓から眺める梅の花を、歩きながらのんびり眺めるつもりだった。
いざ、バスが小仏に到着したら、来た道を引き返すことができなかった。いつも通りに山へ向かわないと何かを裏切るような気がしたからだ。それで一旦景信山へ登り、また小仏バス停に戻ってから歩き出した。
すでに疲れていた。しかし、大下までの道路沿いに続く梅の並木が満開でとてもきれいだったので、疲れを忘れた。そして木下沢梅園への分かれ道で寄るべきか寄らざるべきか迷ったが、来年もこの時期に来れるかどうかわからないので、心残りないようにと寄ってみた。丘を登るのが億劫だった。
2月の下旬から毎週、景信山の帰りに東尾根を通り、この梅園前に下山して咲き具合を眺めてきたのだが、満開の花に出会うのは今回が初めてだった。山いっぱいに広がった梅園の中を歩くとたしかに梅の花に抱かれるようだが、自分としては道沿いに咲く花のほうが好きだと思った。濃厚な花より可憐な花か。
坂があったため疲れが加わり、とぼとぼ帰る途中に「藤棚」に入って休憩した。コーヒーがとてもおいしくて大分疲労を回復できた。気を取り直して歩き出し、道路両側の素晴らしい花々を立ち止まっては眺めた。民家の庭に咲いている白い花、赤い花がとてもきれいだ。自分は、花のことには全く知識がないし、それほど関心があるわけではないけれども、この通り沿いの花々はいつも楽しみにしている。これから夏に向かって益々きれいな花が咲き誇るだろう。
駒木野の関所からバスに乗って帰った。家に着いたときは暗くなっていた。やはり疲れた。山をせっせと歩くよりも緩んだ気持ちで舗装路を歩くほうが疲れるようだ。
でもまあ、よかった。満開の木下沢梅園を初めて訪れることができた。これで心残りがひとつなくなった。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する