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恥ずかしいという思いもあったし、それを入れるとまたくだくだしい文になってしまうからでもあった。
ルートを外れた(馬鹿者!)。
谷川岳頂上で早々に昼食を済ませ、あとは下るだけと思うとすっかり気が緩んでしまった。立ち上がった時に、すぐに肩の小屋だから新しい小屋の中をのぞいてみようと考えていたことは覚えている。でも歩き出したら放心状態に陥ってしまった。ガスの中ぶらぶらしながら、こんな平らな道は楽だなあ、などと呑気に構えていた。
そんな平らな道って??・・・・・登るときにこんな道は歩いたことないぞ?・・あれ、周りの雰囲気もおかしい、いやに静かだ、あれほど賑わった人の気配が全くなくなった。シーンとしている。
そこではっと目が覚めた。ひょっとして西黒尾根の方向へ直進してしまったのでは?・・・立ち止まって振り向いてみたが、ガスでよく見えない。まだそんなに歩いてない筈と思い引き返してみたら、果たして右折地点を通り越して直進していたことがわかった。
前もって用心していたことだ、頂上から下るときは直進してはいけない、すぐに右折するのだ、間違いやすいから気を付けようと。登るときに道標を何度も眺めて頭に叩き込んでいたことだ。直進路の方がずっと立派な道だからぼんやり者のお前はうっかり直進してしまうかもしれないよ、十分注意しなければだめだよ、などとあんなに自分に言い聞かせていたのに。そんな注意はころっとどこかに置き忘れてしまっていた。
だから高齢者は怖い。疲れて気が緩むとわけがわからなくなる。困った、困った。
写真 ザックから取り出した小物を乾燥するため小部屋に広げたが、まだ片付けていない。疲れが残っているためもあるが、なんとなく片付けるのがもったいなくて、苦労した余韻を楽しんでいる状態
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