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伊豆ケ岳から前武川岳の間をまだ歩いてないので、ここを繋ぐのが目的なのだが、正丸駅→伊豆ケ岳→武川岳→天狗岩→名郷(またはその逆)というコースもなんか能がなく、自分のような超高齢者にとっていささかロングコースに思えて自信がなかったので、安全策として「湯ノ沢」バス停から山伏峠まで旧名栗街道を歩き、峠を起点とすることにした。峠は伊豆ケ岳と武川岳の中間点なので、片方だけ登ってみて疲弊したらその日はそれで終わりにしてもよいし、元気があれば両方登ることにしようという二段構えの策をとった。これなら高齢者でも大丈夫、飯能駅7時10分発のバスに乗った。
バスは登山者で満員だったが、棒の折山の登山口である「さわらびの湯」でほとんど全員下車してしまい、終点の湯ノ沢で下車したのは自分ひとりだった。8時30分木陰が気持ちよい舗装路をゆっくり歩き始めた。峠に向かう緩やかな坂道を次々と若者がペタルを漕いで登って行く、楽しそうだ、頑張れ、などと心の中で応援しながら歩けばこちらも疲れを覚えず、1時間後には道路わきにポツンと立っている峠の標識の前に着いた。
体調は悪くないから先ず時間の掛かる前武川岳を往復しよう、そう決めて大福を食べパワーを付けた。前武川岳へは順調に到着。ここから引き返しても線は繋がるのだが、折角だからと更に20分掛けて武川岳頂上へ登った。4月に来た時は展望も雰囲気も素晴らしかったが、もう夏の緑が繁茂して展望は遮られ、暑熱の太陽が攻めてきた。労力の浪費だった。さっさとUターンし、前武川岳のベンチで昼食とし、それなりに疲れて山伏峠に戻った。午後1時になっていた。このまますごすご朝歩いてきた道を名郷バス停へ下るか(湯の沢発は5時過ぎ)、それとも勇気を奮って伊豆ケ岳へ登るか大分迷った。
計画の段階で伊豆ケ岳へ登ることが一番の難関ではないかと感じていた。先日の雷雨の際の印象ではどうも急坂の連続のような気がして、そこを登れば脚や心肺に負担がかかり疲労度がぐーんと増すだろう、妙なことにならなければよいが、一度ケチが付いたからまた似たようなことが起こるのではないか、などと心配だったが、ただCT55分になっているからゆっくりを心がければ高齢者の身体でもなんとかなるのではないか、頂上へ着きさえすればあとは正丸駅へ下るだけだからと楽観的に考えることにし、アンパンを食べ、そろりと出発した。
意外なことに思ったほど辛い思いをせずに先日雷雨に遭った頂上直下の分岐点に着いた。少し登っては足を止め呼吸を整えてからまた少し登るという老人歩きを辛抱強く繰り返していたからだろうか。それでも伊豆ケ岳頂上では緊張が緩んでぐったり座り込んでしまった。
この急坂の多いルートをあの雷雨の時にあのまま下っていたら、雨が激流となって流れ落ち細い踏み後は消えて、自分なら道迷い必至だった筈だ。雷雨のなか山奥で一人雨に打たれて立ち往生している老人の姿を想像すると今更ながらあの時引き返してよかったと冷や汗をかいた。
正丸駅4時20分着、予想以上順調な結果となった。出かける前はいつも、途中で行き倒れになったらどうしようと頭をよぎるが、上々の山歩きができてとても嬉しかった。平和な気持ちで車中居眠りをした。
写真1 概略図
写真2 旧名栗街道(峠までこんな感じで気持ちの良い道です。ただ昼になると車が多いかも)
写真3 山伏峠(登山口はこの先100mくらい離れています)
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