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このままずるずると痴呆老人に引きずり込まれたら怖い。
そこで月が替わって昨日2日、丹沢の鐘ケ岳(561m)に出掛けた。大山の東にある低山で、自分はまだ登ったことがない。CTは、バス停から登り1時間20分、下り林道まで35分、そこからバス停までの林道歩き45分、物足りないが仕方がない、これでエンジン始動だ。
甘く考えていたが、登りの長い長い石段や下りの危険な急降下などそれなりに苦労した。それでも1時過ぎには林道に降り立った。予定通りだ、どうしよう、このままバスに乗って帰ってもいいが、なんか物足りない、3時半には帰宅だろう、そんなに早く帰ってどうする、いつも暗くなってから家路を急ぐのにまだお天道様が頭上にあるうちに帰っても気分が出ない。充実感がない。
そうなることは前日から何となく予想していた。それで、そうした場合は、もうひとつその辺のちょっとした山へ登ればよいのではと考え、前もって「日向山」を経由して日向薬師バス停へ下山するコースを調べておいた。
鐘ケ岳から降り立った山神隧道前の林道を広沢寺温泉へ向かう途中から右へ分岐する林道へ入れば、CTでは1時間で日向山頂上に立てるし、そこからバス停まで下山は50分、バスは午後6時まで1時間に2本なので全く心配ない。
それで右へ分岐する林道を見落とさないようずいぶん注意して歩いてきたのに、いつの間にか広沢寺温泉の観光客用駐車場に差し掛かってしまった。これでは行き過ぎだ。おかしい、なぜだろうとうろうろしているうち、ふと路傍に「見城山登山口」の標識が目に入った。見城山とは七沢温泉から日向山へ向かうコース上にある山だ、そのことは前日の下調べで分かっていた、しかしここから登るルートは地図には載ってない。
まあいいか、「見城山」へ着けば、そこから10分で「日向山」だし、ついでに登る山が1つ増えてかえっていいじゃないか、こんな観光地の低山でうるさいことは心配しない、もともと気分次第でという話しだったのだから当初の予定にこだわる必要もないだろう。
そう考えて案内標識に導かれて小さな神社の石段を登って行った。地図に載ってないけど標識も完備し通常の登山道だったが、見城山頂上に着いた時はぐったりした。いったん下山して身体がゆるゆるになっていたので、こうゆう登り返しは辛い。緊張感が全くなくなっていた。ゆっくり休憩し、元気回復のアンパンを食べ、さてこの先の日向山へと向かった。この先へ・・・
この先へ・・・、素直にこの先の方向にと、建付けの悪い鹿除けのフェンスを開け、入って行った。少し進んで、あれ、近いはずの日向山との間がこんなに落ち込むのか?、かなりの急坂がずーっと下まで続いている、先が見えないが・・・まあ、こんなこともあるから、・・・ちょっと不振に思いながらも急降下、・・・それにしても踏み後が薄いな、・・・さっき登山口近くですれ違った子供連れ家族がこんな危ないところを登ってきたとも思えないが・・・あれ、道がない、いや、こっちにあった、これがそうだろう・・・あっ、こんどは本当に道がない、鹿柵にぶち当たった、辺りに踏み後が全く見つからない、困った、下の方はさらに急降下、足元はずるずる、さすが危険で降りて行けない、仕方ない、戻ろう、大変だけど・・・少し引き返して、あれ、こっちにあった、ここで間違えたか、それじゃそっちへ
そんな状態でどんどん下っていった。もう頭の中は子供の冒険ごっこを楽しんでいる感じ、日向山など影も形も見えないし、ルートミスに決まっているのに、何故不安に思わなかったのだろう。かすかながらも残っている踏み後を辿って行けば、どの方向へ降りても結局は林道に出ることは間違いない(おそらく当初予定の林道へ)と考えていたからだろう。秩父山域なら絶対早々に引き返すところだ。
果たして林道へ出た。その林道が、当初から予定していた林道だった。弁天岩と大釜弁財天の中間地点だった。そこを先へ進んで改めて日向山へ登るか、引き返してすごすご広沢寺温泉方向へ戻るか、林道を右へ左へ行きつ戻りつして迷ったが、もう時間も遅くなるし、一応ひとつ登っているのでおしまいにしようと、広沢寺温泉バス停へ向け引き返した。
ルートミスの原因は、見城山の頂上がルートから逸れてほんの少し奥まったところにあるため、日向山へ行くにはそれたルートへ引返す必要があったのに、そのまま先へ進んでしまった点にあるらしい。そういえばルート上にその標識を見た気がしないでもないし、それに頂上で地図をきちんと確認しておけばまっすぐ先へ進まないで左へ方向転換することに気付いていたかもしれない。もう緊張感が全く失われた状態で歩いていたのだ。
このところだらだら怠けてばかりいたのでバチが当たった。そこの老人よ、しっかりしてくれ・・・
写真1 見城山頂上(向こうから来て後方へ進んだ。)
写真2 林道に降りた場所(実際はもっと左側の赤テープのない場所)
写真3 左が分岐すべきだった林道入口(右側の道路を奥から歩いてきたのだが、分岐点が扉で閉鎖されていたので見逃してしまった。帰りはここから出てきた。)
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