一昨日、区の健康診断を受けてきた。今年は早めに申し込んだら、8月1日午後2時に指定された。月初とは区切りがいい、結果もいいのではと思ってしまう。
昼食をどうするか悩んだ。案内には食事のことは何も書いてない。昼食抜きにしようと思ったが、それではフラフラになるし、血糖値が上がってもいいやと覚悟を決めて、抑えめにおにぎり1個と牛乳をお腹に入れた。そしたら雷雨が襲ってきた。豪雨とピカピカゴロゴロで外へ出られない。今日は中止にせよというお告げかと思っていたら、ぎりぎりのところで止む気配を見せたので電車で出掛けた。
受け付けは閑散としていた。2時直前のビリだから先客がおおぜい居る筈なのに、広間には受診者が数名ぼんやりテレビを観ているだけ、壁際には係員が手持ち無沙汰に立っている。猛暑に雷雨が重なって高齢者は欠席したのだろう。いつもは「見るからに・・」という高齢者と一緒になったものだが、今日の受診者は若い人ばかり、開始からほとんど待つことなく呼ばれた。
まず身長と血圧測定だ。
「身長はこれでいいですか。」
そう言って測定計を見せてくれた。164.6cmか、いいですか、と訊かれて嫌だとは言えない。仕方なく、
「うーん、昨年より縮みました。」
と答えるのが精一杯、もともと166cmあったのに年々縮んでゆく。しょうがない、背骨が曲がってきたのだろう。血圧が120台なのでよしとしよう。
「マスクは持ってないのですか。」
看護婦さんに聞かれた。そういえば出掛けるとき、病院だからマスクを準備しなければ、と思って肩掛けカバンに入れておいたのだった。
「あ、そうそう、ロッカーに置いてあります。」
看護婦さんは妙な顔をしたが、何も言わなかった。
別室で別の検査を受けたら、別の看護婦さんにまた同じことを聞かれたので、同じ答を繰り返した。そのままのそのそ廊下に出て次の検査を待っていたら、さらに別の看護婦さんが近寄ってきて、ちょっときつい調子で
「マスクはしないのですか、用意しますよ。」
と言って病院備付けのマスクを取りに行く素振りを示した。
ああ、これはいかん、ここも病院の一部か、マスクをしなければと初めて気が付いた。そういえば受診者は全員マスクをしている。頭が回らなかった。マスクをしてないのか、ということは、マスクを着用せよ、という意味なのだ。最初言われたときは何となくそう思ったが、まあ、いいや、と勝手にずるを決め込んでしまった、2度目のときは、うるさいな、もうマスクなんて気にする必要はないよ、ここは病棟でないのだから、大丈夫だよ、毎朝の検温では平熱をキープしているし体調もいいし、何となく自分の殻に閉じこもって惚けた表情を浮かべ広間のテレビを眺めていた。係員達の視線を感じていたら、件の看護婦さんに詰問されてしまったわけだ。慌ててロッカーに戻りマスクを着用した。苦しい。
やがて医師の面接があった、いろいろ質問されたあと、
「疲れやすいことはないですか。」
「はい、疲れにくいです。」
猛暑と共に身体は絶好調だからそう答えた。肝臓だけは、昔から数値が真ん中に並ぶ。
ちょっと間があって、
「頭の方は大丈夫ですか、異常を感じたことはありませんか。」
と言われてしまった。さらに
「脳の検査を受けたことはないのですか」
ときた。今まで検診でこんなこと訊かれたことない。のほほんとした表情や身体の動きで妙に判断されてしまったのか、それともマスクの件が耳に入ったからか、こうゆう場所に来ると超高齢者は年齢だけで痴呆症を心配されてしまうようだ。
いずれにしろ検診専門の建物ではあっても、病院の一部だから最初からきちんとマスクを着用すべきだった。それが常識というものだ。その点は反省しきりだが、高齢になるとやはり頭の一部が鈍化するようだ。かといって、脳の検査といっても何かおそろしいのでやる気がしない。検査自体より、その結果が、脳のここが悪いよと言われてどうする?
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