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最終頁の裏面は映画の頁だ、その年に観た映画がメモしてある。今年は本当に少なかった。以前なら月に1本は欠かさなかったのに最近は年間で数本しか観なくなった。自分が観たい映画が消滅しつつあるようだ。今年は下記の4本しかメモしてない。
3月「コヴェナントー約束の救出」・・・80点
アフガン戦争でアメリカ軍のために戦った通訳を戦後アフガンへ救出に向かうアメリカ兵士のお話し、ハッピーエンドが最初から約束されている定番の戦争物だが、最近のアメリカ映画では製作されなくなった、類型的なハラハラドキドキものなので懐かしさもあって面白かった。
9月「画家ボナール ピエールとマルト」・・・95点
夫婦のなれそめから妻マルトの死までの長い間の夫婦の葛藤、マルトの狂気じみた生い立ち、性情、嫉妬などもっぱら夫婦間の物語がほとんどでボナールの絵のことは何も触れられていなかった。いかにもフランス映画らしい作り方、モネが親友としてピエールの別荘を訪れ舟でおすすめの睡蓮を見に行くシーンなどおもしろかった。
10月「本日公休」・・・70点
床屋の女主人と常連客や息子と娘をめぐる市井のお話しで好きなジャンルなのだが、出演者が大きい声を出しきつい調子で喋りまくるので感情移入ができなかった。台湾人もやはり中国人だと改めて感じた。日本の監督ならしっとりと間を大事にして描くだろうに残念
10月「チャイコフスキーの妻」・・・30点
観る気はなかったのだが、妻からせがまれてしぶしぶ付いて行った。予想を通り越して最悪、これでもかと狂気が迫ってきてストーカーの極致、チャイコフスキーが気の毒になった。でもこの映画は創作物で事実は違っているとのこと、それにしてもうんざりしただけだった。
日記帳が3年連用なので、前2年の頁も見たら本数は同じようなものだった。
100点は、「ゴジラ」と「ラストナイトインソーホー」
前者は圧倒的なエンターテインメント、後者は想像の世界と現実の世界が入り混じるダイナミックな音楽が素敵、魅力的なヒロイン、すごくしっかりした女性が可愛かった。
0点は、「名探偵ポアロ」と「首」
前者は暗闇の中で人がうごめくだけで何が何だかストーリー自体わからなかった。後者はエログロ、ああ気色悪い。
なんてことを書いてきてぼーっとしているうちにかなり前に観た日本映画の忘れられないシーンが浮かんできた。そのシーンを思い出すといつも胸がジーンと熱くなって涙がにじむ。年齢とともに実感が迫ってくる。
ある老父が、雪をかき分けかき分け家路を急ぐ、夜の向こうには灯りのついた農家が見える、そこを目指しているようだ、農家の中では祖父から息子や孫まで家族がそろって賑やかに食事をしている、本当に楽しい家族の団欒、雪道では老父が夜の家路を急ぐ、電灯の下みんなで笑い合う楽しい一家、暖かい家族、積もった夜の雪道を老父が必死に急ぐ、同じシーンが対照的に何度も繰り返される。それがラストシーンで、老父がその農家へ実際に帰りついたかどうかはわからない。後でよく考えたらそれはテーマとは無関係らしいと気が付いた。
実は、その前日に老父は上京して息子に会い結婚相手を紹介される。体にやや不自由なところはあるが別に問題はない。安心して帰る日の前夜やさしい親思いの息子のアパートでいろいろ話しながら枕を並べて寝る。上のラストシーンはその帰り道らしい。
どうゆう意味だろう。見終わった後わかったようなわからないようなちょっと妙な感じを受けた、何故か唐突のような感じで、しかし印象的なシーンだけにずっと頭から離れなかった。ようやく自分なりに理解できたのは少し経ってからだった。
老父が帰る家は、現実には自分しか住んでいない家なのだ、妻はもう先立っている、誰もいない寂しい老後の家なのだ、息子も嫁を貰った、親からは離れた、家族でにぎやかに暮らした楽しい生活はもう昔の幻となって過ぎてしまった。だからあの楽しい夕餉のシーンは昔の老父自身の生活そのものだったのだ、夜の雪道をそうゆう昔の夢を追い求めて必死に急ぐ、子供たちに囲まれた楽しい晩御飯、若い頃はそうしたものだ、よくわかる、高齢になればなるほど身に染みてわかる。
いや、あのシーンは、現実の雪道でも農家でもなく、子供が去って行った後の老人の寂しい心の内を象徴的に描いているのではないかと思えてきた。いずれ親は一人ぼっちになってしまい、思い出すのはまだ子供たちが小さかった頃の家族の楽しい時代だけ、本当に的確に映画としてつくっているなあと感心した。もう一度観たいけど題名も監督や俳優もはっきりしたストーリーも覚えていないのでその手掛かりがない。
あれ、日記帳のことからいつの間にかだらだら自分勝手な映画の話しに飛んでしまい申し訳ない、とにかく3年前の正月には新しい日記帳を無事に書きとおすことができるか不安だったのにこうして書き終えることができた。まあまあ長生きできてよかった。明日からの日記帳も3年連用ものを用意したのだが果たして・・・・・
もう昼だ、間もなく次男の孫たちがどやどや廊下を駆けて来るだろう、楽しい大晦日になりそうだ。まだ一人ぼっちになってないことに感謝しなければ
写真 イエローが終わった分・・・冗長不要な欄外書きが多いので
ボルドーがこれからの分・・これからもっと簡潔に書こう
山レコの皆様、この一年自分勝手な冗長な日記を読んで頂きありがとうございました。
どうぞよいお正月を迎えられますようお祈りします。
ありがとうございます。
来年も元気に山へ登りましょう。
「氷の山」ってずっと以前から名前に憧れているのですが、もう遠くなって夢がかないません。残念残念
aoitoriさんもよいお年を
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