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2025年02月24日 18:05老人と山全体に公開

入口不明

昨日、奥武蔵のスルギを目指した。あの急カーブの地点だ。

スルギ尾根を歩くときにいつもその地点で立ち止まり、「博打岩」という巨大な岩を眺め、その横を北へ伸びる気持ちよさそうな尾根道が気に掛かっていた。浅見茶屋近くの滝不動へ下山するルートだ。山と高原地図(2022年版)では点線ルート、守屋詳細地図(2015年版)では紫色ルート、いずれにしろ一般登山道ではない。なんか危ないルートなのだろう。だからいつもつい足がそのルートに入りそうになるのを、いやいや老人がそんなところに踏み込んだら取り返しがつかないよ、と自分に言い聞かせ素通りしてきた。

だが地図を広げる度にそのルートに目が行ってしまう。距離が短い、それに下方半分近くは林道が占めている、上方の3分の1を占める尾根道は問題なさそう、そうすると本当に難しいのは中間のごく短い区間だけということになる。それならなんとかなるかも、いずれにしろあれこれ考えていてもしょうがない。とにかく実地に足を運んでみることだ、無理なら撤退すればいいだけのことだ、それで昨日わくわくしながら出発した。

上から行くか、下から行くか、常識に従ってまずは下から攻めることにし、10時55分滝不動をスタートした。林道はふかふか、枝が散乱し倒木もある、もう打ち捨てられた状態だ。なんかかすかに臭う、腐敗臭のような朽ちた臭いだ、いやな予感がする。慎重に進む。

おっと、いま左に分岐するルートがあったような気がする、数歩引き返し手に握りしめた地図を眺めたらここは左折が正解のようだ。それで左折してさらに進む、荒廃した道に生える白い雑草が気色悪い、地面から何かが・・・萩原朔太郎の詩の一節を連想する、神経過敏な自分にはこの道は嬉しくない。

やがて右折してすぐに左折し、さらに進む。やがて完全に行き止まりになった。ここまでは朽ちてはいるが明確な林道だった。行き止まりの先を覗くと結構な斜面が左から右へ落ちて下は水のない沢になっている。

地図を眺めるとルートはここから急斜面を上へ登ることになる。でも踏跡は全くない。ぼろぼろ崩れる砂地のような斜面、こんなところルートでないと思ったが、思い切って斜面に数歩踏み出した。もう危なくてしょうがない。支えの脚がずるずる滑る。老人にはとても無理、バランスを失ったら転げ落ちてしまう。そろそろ数センチ刻みで元へ戻り、辺りをさらに観察したらかすかな踏跡が沢へ下っている。今更下るのもどうかなと思いながらもそれを踏んで下り、沢の向こう側へ行ってみた。踏跡はそれでおしまい。その先はあるようなないような、目的の尾根は左方向なのに右方向へ下るなんて、おそらく地図上で×印が付いた箇所だろうと判断して引き返した。

さらにどこか登り口があるのではないかとその辺りを探したが、自分には発見できなかった。あまり探し回ると戻るべき林道終点の位置を見失うおそれもあるし、危ない目にあうかもしれないのでここは適当なところであきらめた。林道を引き返した。

地図上ではこのルートとは別に尾根へ上がるルートがもう1本記載されている。林道の後半の右折地点から左の山中へ急角度で左折するルートだ。さっきは別段注意も払わずに過ぎてきたが、今度は林道を引き返しながらその辺りを注意深く観察した。だけど何もない。さらに下ると上方の樹間に赤テープが目に付いた。あそこへ登ればいいのだろうか、入口はどこだろう、行きつ戻りつ一生懸命探したが見つからない、肝心の入り口にテープを付けてくれないなんて、と思いながらも何度か斜面を強行突破しようとしたが、とにかく足場が悪い、丸太と崩れやすい地面が侵入を阻んだ。結局、あれはルートの目印ではなくて作業用のテープだろうと思うことにした。どっちだろう?

それでもうあきらめて帰ろうと思っても、いやなんか見落としているに違いないとまた林道終点へ引き返し、フーム、踏跡は沢へ下っているし、さっきはそそくさと調べただけだったような気がするからもう一度念入りに調べてみようか、それにここから斜面を登るのはやはり無理だね、と思ったり、なんか歯切れの悪い時間をぐだぐだ浪費した末、結局再調査はやめてまた引き返した。

戻る途中も一層念入りに林道脇に上に登る入口らしきものはないかと足を止めては観察し、それらしき雰囲気が感じられるところでは、ひょっとしてここかな、と試しに侵入してみたりしたが、危ない思いをするだけですべて無駄だった。

まあ、いい、落胆する必要はない。こうなることは最初から十分予想していたし、むしろいろいろ冒険ごっこをやれて結構楽しかった。頭や身体の体操になった。滝不動の縁側に腰を下ろし遅い昼食のおにぎりを食べた。子の権現から下山してくる人達と挨拶を交わしながらゆっくりくつろいだ。

だがここであきらめる必要はない。次回はどうしようか。上から攻めてみようか、その方が案外うまくゆくかもしれない。それでもだめならその時また方策を考えよう。昨日の調査にはどこかに見落としがある筈だからもう一度下から調べるとか、最後は強硬突破とか、ただGPSやそれ用の地図は使わない。頭が老化する。山レコの山行記録は余り参考にならなかった。肝心のことが抜けていた。


(写真1)ルート図  見落としは、林道途中か、林道の先か、どうもわからない。それに地図と現地とで林道の形が違うような気もする。

(写真2)林道終点を超えたところから撮影 向こう側が林道終点、撮影地点が超えたところ
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