![]() |
山に関して、自分は部や会などに入ったことがないし、ガイドを雇ったりガイドしたりしたことはない。特に何か教えてもらった師匠という存在もいない(あえて言うなら親になると思うが。。。)。
けれども、カヤックに関しては、教えてもらった人はいる(師匠というと嫌がるだろうけれど)。カヌー屋(鎌倉のサンバーストという店。今はもうない)の主人であるが、その人は、海や川のツーリングをするにはみっつ条件があると言っていた。
そのみっつとは、その人が、「自立していること」「知的であること」「屈折していること」だというのだった(^^;
ということで、今回は「山」の話でなく、カヌーツーリングの話(競技カヌーではない)。
カヌーといっても、布と、アルミや木の骨組みで出来ていて、折りたたんでザックに入れられる、ファルト・カヤックというやつだ。これで、テントなど一式を積んで、川や海を旅する。そんなので大丈夫かと思うが、もともとカヤック(イヌイット)やバイダルカ(アリューシャン)という小船は、海洋での狩猟、航海のための船だ。川よりはむしろ海向きに出来た船といえる。
今でも、登山とトレランの間で、いろいろ問題があったりする。トレランというのは、かなり新しい、マイナーな趣味ではないかと思う。新しい趣味が、既存の、活動範囲が重なる趣味とぶつかるのは、仕方ないことだ。
自分がカヌーのツーリングを始めたころは、今のトレランなど比較にならないくらいマイナーな分野で、さらにシーカヤックなどはマイナー中のマイナーで、やっている人はほとんどみな、こういう衝突を経験していた(自分は海と川どちらもやっていた)。特に釣り、海上保安庁などは天敵だった。
以前は海上保安庁の船が見えると隠れた。シーカヤックが知られるようになってからは、そんなことをしなくてもよくなってきたが(^^; 昔、沖縄〜九州をカヌーで航海した人は、途中である島に上陸した時、待ち構えていた警察官から、「逮捕したいが罪状がない」といわれたそうだし、相模湾をカヤックで横断しようとした学生は、船の横に標語(交通安全とかそういった類の)を大きく掲げて、批判をかわそうとしたらしいw
マイナーでみんな知らないから、邪魔者扱いされるし、当然こちらも強く出ないといけない、そうしないと、フィールドから弾き出されることになるからだ。電車などで、登山以上の大きく重い荷物を持って現地まで行くのは、気もつかうし、肉体的にも精神的にも非常にハードなことだった。
だから、日本のカヌーツーリングの草分けである、そのカヌー屋の主人も、野田知佑なども、まあある意味野蛮人的なところがあった(^^; 何でもそうなのかもしれないが、草分けというのは、人並み以上の強い精神力(および体力)を要するのだろう。
トレランの人も、多分いろいろと気をつかったり、苦労することもあるのではないだろうか。沢登りと釣りの関係も同様だ。
ただ、釣りの人とけんか腰になることもあったが(アウトドア雑誌から抜け出てきたような格好した人には近寄らないようにしていた(^^;)、興味深そうに話しかけてくる人も多かった(都会から離れた川では嫌な目にあったことはない)。
結局これはお金の問題なのだが、入漁料とは魚を採ることに対して払うお金であって、川や沢の独占使用権ではないのだ。
そのお店では、時々ツーリングを企画した。だが、別に主人がガイドしたりするわけではない。大勢いれば、薪を集めたり食事作ったりするのが楽だし楽しいので、一緒に行こう、ということだ。だから、自分のことは自分でする。最後、撤収の準備が遅くても、待ってくれたりはしない。なんでも一緒、なんて感じではないので、準備の早い人と遅い人で帰り列車が違ってしまったりしたこともある(基本、現地集合解散だが、みんな大体神奈川だから、一緒になる)。
でもこのおかげで、テントの準備と撤収は、とにかくすばやくなった(^^;
薪集めや買い物、料理などみんなで一緒にやる準備は、それぞれが適当にやりたいことをやって分担など決めなかったが、何の問題もなかった。もちろんやらなくてもいいのだ。誰もそれに文句を言ったりしない。でも、そんな人は見たことがない。それぞれが自分のやることを自分で決めて、勝手にやっているようで、ちゃんとうまくいく。
このようにお店のツーリングも行ったが、基本は単独だ。
何度も通ったのは、西表島。今考えると、まさに楽園だった。道路、人家のない南西部が中心だったので、他のカヌーや人などほとんど見ることはなかった。誰もいない数百メートルも続く真っ白いサンゴの砂浜(砂はサンゴのかけらなので、真っ白で、乾くとすぐとれて、どろどろになったりしない)に、数日間ひとりでテント泊。西表は山がちなので、水場もある。もちろん場所は好きに変えていい(潮が満ちても消えない浜じゃないとダメだけどw)。
潮間帯は広く、人の踏み込めないマングローブの植生が続く。海は、青というより緑に近い。夜になると、人工の明かりは、遠く海の上の漁船の光だけ。日本本土とは少し違う、信じられないくらいの満天の星。波打ち際には夜光虫の光がきらめく。忘れられない。
(ニコ動にアップした紹介動画)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7802257
他には、三浦半島の逗子〜三崎の間、九州の九十九島、南伊豆、四万十川、豊川、江の川、気田川、那珂川、魚野川、相模川、最上川、西湖、本栖湖などに行った。
日本の川は、数年ぶりに行くと、以前はきれいな自然岸だったところがすっかりコンクリートで固められていたり、曲がりくねっていたはずの場所が真っ直ぐな溝になっていたり、がっかりすることも多かった。下流に行けば行くほど、人が多くなり、生活排水、工場排水などもあり、水は汚くなってくる(下流はスルーすることも多かったが)。
それでも、山の中の渓流から河口まで、一本の川を旅するのは、他にない充足感があった(BGMはPFMの名曲River of Lifeで(^^;)。
やっぱり山もいいけど、海や川もいいなぁ。
こんにちはー
色々と笑ったw
私は磯釣りをしますが、カヌーの人は割りと気を使ってくれますね。
天敵はゴキジェット(ジェットスキー)
> 「自立していること」「知的であること」「屈折していること」
ゴキジェットが満たしているのは「屈折していること」だけのようにみえますw
相模湾あたりだと、ゴキVSカヤックもあるのでは?
相模川の遡上では、途中でダムを2−3発食らうと思うのですが、その区間は担ぎ歩きになるんですか?
小倉橋までは渓流師ではなく、鮎の友釣りが多そうですが、鮎師の傾向は穏やかなんですか?
鮎は道具にお金がかかりますが、源流遡上はお金より時間が犠牲になるので、ピリピリしている人も多いかもですね
などど笑いながらの疑問が湧いてしまいました
海の暴走族、ジェットスキーは危ないので、VSになる以前に近寄れません(^^; まじであれは最悪ですね。油垂れ流すし。
ウィンドサーフィンの人とは相性いいかな(^^; 鎌倉の沖合いで、しばらく話したりしたことがあります。あ、あと下手なヨットも危ないw
相模川といっても、行ったのは大分下、厚木から河口までです。とにかく釣りが多くてねえ、気を使いすぎてつまらないし、大体途中の工場から排水がじゃぶじゃぶ流れ込んでるし、寒川の堰(堰やダムは船をかかえて歩いて越えます)の下は、排水だけで流れてる感じで、全然楽しくないですよw 河口近くにはジェットスキーもいるし。
そういえば以前、江ノ島脇の柏尾川〜境川をカヌーで下るツアーを考えた人がいて、お店の人とお金もらっても行きたくないわ! と笑ったこともあったっけ。江ノ島の川側の海は、パドルを入れると1mも透明度がないのが分かります。
鮎釣りは、一番の天敵かもしんない(^^; 鮎解禁になると、行けなくなる(行きたくなくなる)川が多いです。
カヌーは喫水が非常に浅く、水の上を滑るので、下の魚にはほとんど影響しないみたいなんですけどね(船の上から魚がよく見える)。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する