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2015年07月01日 23:06山のお話全体に公開

山のお話32 あおいで遊ぼう!

自分の山登りは、ゆるふわマイナールートが多い。
ゆるふわマイナールートとは何だろう。
ゆるふわ登山の「ヤマノススメ」のキャラでいうと。。。


山を始めて数年、ひなたはクライミングにハマっていた。みんなで行ったボルダリングの楽しさが忘れられなかったが、ジムは結構なお金がかかる。ここなだったら、とても通ったりできないだろう(悲)
でも、実は天覧山の近くにも練習ができる岩場があることを知り、かえでの縁で、地元のクライミング・クラブの練習に一緒に連れて行ってもらったのだ。ちなみに、あおいは来たことは来たが、怖がって登らなかった。
それ以来、ひなたはクライミングがすっかり好きになってしまい、いろんな岩場に通うようになった。みんなで最初に登った三つ峠に行っても、頂上には行かず岩登り、北鎌尾根、剣八峰、谷川に行ってももうロープウェイなんかには乗らず、一ノ倉に入るしまつだった。

あおいは、そんなひなたにとてもつきあうことはできず、ひとりで低山を歩くようになった。進級してクラスが別になってしまったこともあり、いつの間にかひなたと会うことはなくなってしまった。
奥武蔵、奥多摩、少し足をのばして丹沢、道志など、関東周辺の山々を歩く。以前はいつもやたらと明るくはしゃぐひなたをちょっとうざいと思っていたが、実はどれだけひなたが自分の支えになっていたか、どれだけひなたが自分のことを考えていてくれたのか、今では理解できるようになっていた。「でも、岩登りなんて怖くてできないよ、ひなた」ひとりつぶやくあおいだった。

高校三年のある夏の日、天覧山から天覚山の周辺を歩いていたあおいは、地図に載っていない、妙な脇道に気づく。そういえば、他の山でも、こういうどこに行くのか分からない変な道は結構あちこちにあったっけ。いつもは予定をこなすだけで、全然気にしてなかった。でも今日はとっても気になる。
経験をたくわえ、人の踏み跡が分かるようになってきたのかもしれない。あおいは、思い切って、予定にはなかったその道を辿ってみることにした。
踏み跡があるとはいえ、ところどころ周りの草木が道に覆いかぶさっていたり、すごく急な尾根を直登したりしたが、ところどころに立っている黄色い杭に励まされ、あおいは勇気をふりしぼって歩みを進める。
と、ふいに草原に出た。鉄塔が建っている。そう、鉄塔の巡視路だったのだ。何度も歩き回ったよく知っているはずの山域なのに、今まで見たことのない風景が目の前に広がっている。植林地や樹林帯は暑くて死にそうだったけど、ここは……ぽっかりと開いた草原のさわやかな風があおいの前髪を揺らした。

その日の夜、あおいはネットで、山の中の巡視路や作業道、道のない尾根を歩いている人たちのことをはじめて知った。地形図とコンパスを買い、地図の読み方を本で勉強した。
そんな山行をはじめてまもなくのころ、一度ここなを誘って、あおいの案内で武甲山周辺のマイナールートを歩いた。まだ地図に慣れていないあおい、途中で現在位置を見失い、これはもう山の中で一夜をあかすしかないと覚悟した。けれども、ここなが先頭になって、ようやく道路に降り立つことができた。そんな状態でもここなはずっと楽しげに笑っていた。久々のあおいとの山歩きがうれしくてたまらなかったのだ。
あおいにとっても、怖かったけれど、何だかわくわくするような、日常からかけ離れた刺激に満ちた山行だった。ますますこんな登山にのめり込んでいくあおい。


そんなある日のこと、あおいは飯能の駅前でひなたとばったりでくわした。久しぶりだった。喫茶店で、たまに一緒に山行こうよ、という話で盛り上がった。ひなたは、今は沢登りに凝っていて、今度飯豊の沢に行くという。
「一緒に行こうぜー!」とひなた。
「とっても明るくてきれいなナメ滝らしいんだ。沢は涼しいし、初心者向けらしいしきっと楽しいよ?」
「飯豊だったら、いいヤブありそう」
「………」
「ねえひなた、一緒にヤブこぎしようよ」
もはや、道は分かれてしまったのだと、ふたりは悟った。
ひなたはその後、東京の大学に進学し、山岳部に入った。山岳部の中でもクライミングの腕は抜群だし、人付き合いもうまいし、山岳部(山のサークル、略してヤマサー)の姫だった。
あおいは埼玉の大学に進学、でも授業はテキトーにこなし(単位危ない)、ひとり、山の中でヤブをこぐ日々だ(でも時々ここなもつきあってくれる。どんなひどいところでも、涼しい顔でこなしてしまうのはさすがだ)。



あれ、全然ゆるふわじゃなくなっちゃった(^^;
えーっと、まあいいやw(てへペロ)
こんな薄い本があったらイヤだ、のコーナーでした(^^;チガウワ


BGM:夏色プレゼント
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コメント

RE: 山のお話32 あおいで遊ぼう!
全部読んでワロタw

なんかバンドマンの主義主張の生き別れみたいですね(爆)

おいらも、地味子(=田村麻奈美)俺妹で遊んではいるが、地味子は裏切らないからなーw
2015/7/3 22:39
RE: 山のお話32 あおいで遊ぼう!
「音楽性の違いにより解散します」ですね、わかりますw
あおいは、ふとした拍子に変な方に突き進みそうだし、似合ってると思うなー(^^;

俺妹はOPくらいしか覚えてません(^^;(作ったのがボカロ系ってことで)

でも二次創作は難しい!
好き勝手に作れる一次創作(オリジナル)より、二次創作のほうが難しいというのが持論です(あ、どちらも「いいもの」であるのが条件ですが(^^;)。
2015/7/4 19:19
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