昨日の日記(ドジ、間抜け。ああ!!情けない)
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に書いたように北岳に行ったときに、先行者の50代くらいの男性がスリップ、滑落した。スリップする瞬間は見ていないが音がするので上を見ると、先行者が仰向けのまますごいスピードで滑り落ちてくる。私の1m脇をすり抜けて150m以上は滑るがまま落ちていき、やっと傾斜の緩くなったところで停まった。
落ちていく時に、私を恐怖でゆがんだすごい形相で見た。私は瞬間的に落ちてくる人に体当たりして滑落を止めるべきかと考えたが私自身が不安定なので止めることが出来ず一緒に滑り落ちる可能性が高いと判断し、為す術も無く見守る事しかできなかった。
こんな時に皆さんならどうしますか?
滑落した斜面は45度位の雪面で、所々に落石した小石が落ちていたが大きな石はなく、大怪我は免れた様子である。
停まってから2〜3分ほど、動かない。100mほど上から大丈夫かと声をかけると立ち上がる。私が下りて行こうとすると手でさえぎるジェスチャーをして、しっかりした足取りでまた登り始めた。しかしすぐに登るのを断念して下りて行った。
ルートを間違えた場所であり、はるか下には登山者の姿が見られたが周りには私しかいなかった。
先行者は二俣で私のピッケルを見ながら、ピッケルが必要ですかネと私に聞いてきたので注意すれば大丈夫でしょうと応えた私にも責任がある。(実際、この日、後から登って来た10人くらいの人達もピッケルを持っている人は居なかった。)
滑落した人は6本爪のアイゼンにダブルストックで登っていた。それほどの雪山のベテランでは無い様子である。滑落中は仰向けのままで、うつ伏せに反転してストックを雪に打ち込むような停止行動は一切せずに滑り落ちていった。
150mも滑ったがこの雪質なので大きな怪我はしないものの無傷という訳にはいかなかったであろう。私はその後も間違えたルートを登りながら「何故、落ちた人のところまで下りて行き、怪我の様子を確認しなかったのか? 落ちた人はその時点では気が張っていて痛みを感じないかもしれない。本人が降りてくるなと私を制したけれど他人が冷静的に本人を近くで確認し、歩けるか、このまま一人にしても大丈夫か確認すべきではなかったか?」と本人が来るなと言うのを押しのけて、強引にでも降りていくことの出来なかった気の弱い自分を責め続けた。
皆さんならばこんな場合はどうしますか?
あの落ちていく恐怖に慄いた顔が今でも目に浮かぶ。
fujinohideさん
私などより経験豊富な人から適切なコメントがあると思いますが、急な雪面で、自分自身を確保していない人(セルフ・ビレイしてない登山者)が、落下していく人に手を出したら、あっという間にいっしょに滑落してしまいます。
ビレイなしに運よく止められる可能性があるのは、そばで行動していて、同行者がスリップしたその瞬間だけです。速度がついてしまったら、無理です。
下り坂を疾走する自転車を止めようするようなものです。
2人いっしょに落ちれば犠牲者が増えるだけでなく、お互いが身に着けている装備などで干渉しあうので、怪我もするし、それぞれに安全な姿勢をとれなくなりえます。
もちろん2人で滑落すれば、落下の途中で、雪渓の割れ目に落ちたり、雪渓上の岩にぶつかる確率も、高まります。
滑落された方が下山に切り換えたその時点で、滑落された方についてはまず無事が確認されたので、その点もクリアです。
助けたいというお気持ちは強く同感しますが、率直に申し上げて、「50度、60度」と書いている雪渓にとりついた方が、こういう質問を出されることに、私自身は躊躇してしまいます。状況、事態を把握されておられたのかと。
むしろ問題は、
1)雪渓にルートをとり(夏道は使える場合は小さな尾根通し、かつ、この正規の尾根の両側も谷は急)、
2)雪渓の傾斜が危険レベルに入ったという認識ができずに(雪渓を下降する困難さも想像する場面です)
3)滑落者が出たのに、なお登られた、
4)上の3つのどの段階でも、通常なら地図と見比べて、現在地確認をしますが、それがない、
ことではないでしょうか。
もしかしたらですが、他の登山者を助けるかどうか、という以前の問題があったのかもしれないように思います。
でも、アイゼンとピッケルを用意されていて、良かったですね。
ヤマレコのガイド欄にも、キタダケソウを見に行く場合、この時期の八本歯コルへのルートは注意がいることは紹介され、御池コースへの迂回も案内されています。
このルートが使えるかどうかは、正規の登山道の残雪の具合、それと上に上がってからのトラバース道の残雪の具合を現場で見て判断することになります。
そういう事情もあったので、別の方からはfujinohideさんの山行報告に、やんわりと指摘もされています。
失礼かもしれませんが、オープンで書かれ、意見を求められた内容ですので、私の及ぶ範囲で指摘だけはさせていただきました。
tanigawaさん、真剣なご意見、ありがとう御座います。
私は先行者が落ちて来たときに何も出来なかったことの不甲斐無さを感じるもののあの時は仕方がないと自分に納得させていますが、怪我の程度の確認を怠った自分が情けない気分になっています。
ご指摘のように、先行者が落下した時点で何故、ルート確認をしなかったのかが1番、責められるべきことです。過去に雪山で先行者のトレースに疑問を感じたときにルート確認をして間違いに気づき引き返し正規のルートに戻ったことも何回かありますがこの時は私の思い込み(尾根に取り付くべきポイントを見逃し雪渓上部まで来てしまったがこのまま登れば池山吊尾根に出るものとの思い込み)が強すぎて確認を怠ったのが最大のミスです。
歳のせいにはしたくはありませんが、頭の柔軟性がなくなっているのは確かですし、体力だけでなく頭の柔軟性も老化してきていることを肝に銘じてこれからの山に出掛けるようにします。
本当にコメント、ありがとう御座いました。
長年の山の経験者の方に、失礼な言い方があったかもしれません。お詫びいたします。
とにかく今回は、ご無事で幸いでした。
追加で1つ申し上げれば、雪の状態で相当な難度になるルートに、
ピッケル、アイゼンを用意して行かれて、
しかも高度は、もしキタダケソウの群落へ行きつけたら、2800メートル以上です。
この条件で、分類が「ハイキング」ではないと思いました。
それから、もしかしたらですが、入り込まれた雪渓は、山行記録で図示されているルートではなく、正規の登山道と図示されたものとの、間の枝沢ではないかと思います。斜度が書いている通りならばですが。
登山とハイキングの区分は不明確なように思います。
山への思い入れ、経験などによりハイキングの感覚は各自で違っていると思います。
私が本格的に山を始めた1963年頃、ヨーロッパではザイルを必要とするものが登山で、自由に歩ける山登りはハイキングとの区分が一般的だったように思いますが私も山を始めてからこの区分で登山とハイキングを区分してきました。
しかし中高年登山全盛の現代の日本では御指摘のようにこの区分けでは大幅にずれてしまいますネ。
ヤマレコで大雑把な区分でも表示して貰えれば勿論、それに従いますが。(登録したばかりの私が知らないだけ?)
入り込んだ雪渓は1/25000地形図でははっきりと断定できませんでした。私は岩は一切やりませんのでバットレス沢の詳細な概念図はありませんがdガリーかeガリーではないかと考えています。
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