高校や大学では『行動食』というのは、昼ごはんとは別(オヤツのような扱い)だったので、変に感じたのだ。
ただ、そのツアーは雪山だったこともあり、空いている時間に食事をマメに取るスタイルだったので『おにぎり』が行動食に分類されていたようだ。
加藤文太郎が昼食をとらず、揚げた豆や小魚だけ食べながら山を歩いていたのと同じである。
私は
『行動食=お昼ごはんタイプもある』
ということを初めて知った。
そして、その1年後。
ある雪山講習会を申し込んだのだが、その時の持ち物表には、『行動食』はあるけど『昼ごはん』の記述はなかった。
『この行動食ってお昼ごはんタイプ?』
もし、『昼ごはんタイプ』だとすると、オヤツ程度の行動食ではシャリバテになりかねない。
念のため
『行動食は昼ごはんの事ですか?』
とメールで問い合わせた。
すると、ガイドさんから
『行動食は昼ごはんではありません。昼は山小屋で食べます。』
とあっさり返事が帰ってきたのだが、このメールの文面は後でプチ騒動を起こすことになる・・・・・。
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さて、講習会の当日、山小屋でみんなでくつろいでいたときのこと。
なんとガイドさんが
『行動食を知らぬモノがいる!!』
( ̄Д ̄)ノ
と言い出したのである!
『行動食という基本的なことすら分かっていないモノがいるなら、きちんと教えなければならなるまい!!』
と、もともと教育熱心なガイドさんに火がついてしまい、熱い行動食講義が始まってしまったのだ!!
メールの文面を省略しすぎで
モロ誤解されてしまったようだ。
ヤベ・・・
(^_^;)
『話はすぐに終わるだろう・・・』
と黙っていたら甘かった。どうも山での食事について日頃研究しているらしく、話はマニアックな方向に加速しはじめてしまったのである。
( ;´Д`)
もはや
『食文化の違いを確認したかったのです』
とは言い出しにくい状況になった。
ついには
“行動食を食べないほうが、脂肪が燃焼しやすくなるかも説"
“最近朝ごはんを食べない生活をしているが、非常に体調が良い。実は朝ごはん抜きの方が健康に良い説”
と、どんどんエクストリームな話に発展していく。
究極の行動食は己の脂肪を燃やす『無食』か⁈
剣術の達人、宮本武蔵が達した境地『無刀』に通づるものがある。
『だがその教えを守るのはちょっと難しいゾ・・・』
( ;´Д`)
『行動食は甘いものではなくせめて”せんべい”がいいんじゃないかな〜♬』
本人は半分雑談感覚で話しているつもりのようで、別に『そうしなさい』と言っているつもりはなさそうだったが、ヤマケイの特集に出てくるようなガイドさんだ。雑談でも一般登山者を揺るがす影響力がある。
みんなの間には
『行動食・・食べづらいな・・・』
という空気がモロに漂っていた。
そして次の日、山頂について休憩している時、案の定、行動食を食べようとする者は誰一人いなかった。
みんな『せんべい以外』のものを持ってきているに違いない。
あそこまで熱く語られると教えに逆らうような感じがして食べにくいのだ。
だが、ガイドさんもその異変に気付き、そして原因が『昨夜の話』であると分かったのか・・・・・・・
『・・行動食・・・食べていいよ・・・』
とボソリと言ったのであった。
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と、2編に渡る騒動談ではあったが、裏を返せば山での楽しみ方の現れなのかもしれない。
『無刀?』のガイドさんはクライミング大好きな方で、行動食を食べないという考えは、そのシビアな体重管理からきているのだろうし、
(食べないのは極端だけど・・・)
前回の話で10リットルもの菓子を持って来ていた女子・・・
結局5リットルまで絞ったものの、それでもザックに入らず、みんなで分担したのだが(なんともいい仲間たちである)
その行動食を周りに配って話に花を咲かせ、周りを楽しませ、そしてメンバーの中で一番楽しんでいるのはこの子だったんじゃないかとも思えた。
(10リットルは極端だけど・・・)
ただのお菓子かもしれないが、チョット目を凝らしてみれば登山の楽しみに対するそれぞれの思いが見え隠れしてくるものである。
行動食でプチ騒動★の話
おしまい
cajaroaさん、こんばんわ。
山はみんなで楽しく登るに限る。。
マニアックに、ストイックに登るなら一人の時に。。
そんな風に考えてますが、
やはり10Lのお菓子女子支持ということで。
k-yamaneさんこんばんは!
大学時代の先輩女子たちを見ても、エンジョイしようとするパワーはすごいものがあると思います。
お菓子を持たされた"被害者の会"の一員としては
『せめて3リットルにしてくれ』
と、次回改善されることを願っているのですが、
やりかたはどうであれ、山という場は楽しむ場所なんだなと再認識させられる気もします。
楽しかったんで。。。ふふ
さいごまで読んでいただき、ありがとうございます!
cajaroaさん、今晩は。
日記、楽しく読ませていただきました😄
読み進めていくうちに、『宮本武蔵』が登場しビックリです😊
何故って、私宮本武蔵の大ファンで(勿論、本人にお会いしたことありませんが・・(笑))、中村錦之介後の萬屋錦之介さんが演じた武蔵が特に好きです💕
アッ、話がかなり外れました🙇♀
私の行動食と言えば、甘い物(必ず大福有り)、煎餅🍘は必須です。
山で楽しく過ごせれば良しとしよう・・ってな感じです。勿論、長〜い縦走の際はあれこれ悩みますが😔
そして、何より山頂付近に茶店や山小屋が有り、甘酒飲むのがとても楽しみになっている今日この頃です😊
長々と失礼しました💦🙇♀
ak0211さんこんばんは!
無刀というフレーズは日記に入れ込む時に実は気にしたポイントで、
よもや、akさんが武蔵ファンだとはびっくりしてしまいました!!(汗)
ご存知かもしれませんが、
「五輪書」「火の巻」の中では刀なしで戦えというより、
『なしでも戦えるように努力してね』
くらいなニュアンスらしいです。
ただ、後世の小説である、吉川英治の宮本武蔵の描き方では、ガチで刀なし方向にアレンジされているらしく、その影響で、漫画(バカボンドとか)も、そんな人物像になっているののだとか。
その映画を見たことなかったのですが、原作は吉川英治のようなので、そういう感じで描かれているのでしょうかね?
はい、話逸れまくりました(笑)
私も大福とかせんべいもっていきますよ!!せんべいはともかく、大福って意外と凍らないので、雪山で重宝しています。
私、かなり甘い物大好きで、男なのにそういうの好きなのって言われそうですが、お酒タバコあんましやらない男性って、甘い系に行っちゃうらしいんですね。
というわけで私の場合、酒の代わりです。
そう言えば、甘酒ってフリーズドライもあるんですよね。
本物にはかなわないかもしれないけど、最近ちょくちょくもって行っています。
いつも読んでいただいてありがとうございます。!!!
cajaroaさん、こんにちは・・・引き続きお邪魔します。
世代の違いを感じました。私の学生時代は、行動食ってビスケット、せんべい、りんご、グレープフルーツ、パイナップル(果物は重かった)で、自由にお菓子選べなかった
でも夏合宿の停滞日に、2年生が重い荷物を運んでくれた1年生に「よくがんばりましたー」って事で、おやつタイムがあったの。
私が2年の時は、タルトケーキ(焼いたタルト皮+フルーチェだったかな?をトッピング)を、1年にばれないように作って、雪渓で遊んだ後にみんなで食べました
1年生のびっくりした顔を思い出しちゃいました。
行動食って、身体の栄養補給もあるけど、心の栄養補給もある気がして、今は食べたいものを持って歩きます。私も、大福持参率高いです
うちの旦那は、日常生活はガイドさんタイプなんだけど、山に行くと行動食よく食べます
jikyoonさんこんばんは
そういう思い出って残りますよね。うちも行動食とは別に、昼2というおやつタイムがあって、フルーチェ作った記憶があるのですが、どうやって固めてたんだろう?それだけが思い出せません。やっぱり楽しかったのでしょうね。
しかしタルトケーキはすごい!!よく崩さずにもって行けましたね。
たしかに、行動食について栄養補給という観点で、カロリー等の解説はよく見かけるけれど、心の栄養補給という観点で触れられている話って、あまり見かけないような気がします。
でも先日、竹内洋岳さんの講演会が近所であったので聞きに行ったのですが、そのお話の中にそれに近い話があって、欧米人の初めて登山隊に入ってのカルチャーギャップは、ベースキャンプでパーティを開いたり楽しんで時間を過ごすスタイルだったのだとか。「そういうの大事なんですよ」なんてものすごく強調されていました。
ガイドさんも行動食に対してはストイックでしたが、お酒大好きな方で、山小屋の部屋でくつろいでいる時に、ザックの中からブランデーの瓶をドカッとだしてきて、「さあ飲みませんか」と言ってきたのには圧倒されました。(笑)
みんな心の栄養補給はどこかでしているのかもしれません。
読んでいただいてありがとうございました!
cajaroaさん、こんにちは
前回の10ℓのおやつには流石にビックリしましたが、今回のお話は、それぞれが自分のスタイルにしているのではないかなぁ…と思いました。
私の場合、殆どがソロなので、特にそうなのですが…
まぁ、しかし、パーティを組むと、合わせないといけない部分もあったりしますしね…
しかし、一番怖いのは、やっぱりシャリバテ
ある共同山行で、補給を許されず、その後、体調不良もあってか、本格的にバテてしまった苦い経験があります。
補給のタイミングも人それぞれですし、むずかしですね
因みに、基本、山では、ガマンしません
下界でガマンしてますので…
山だけです、罪悪感なくスィーツを食べれるのは
大福、凍らないのですね〜
情報、ありがとうございます
machagonさんこんばんは
改めて考えてみると、行動食に限らず他の人のヤマ文化って、あんまわかんないんですよね。
気心が知れた仲ならいいですけど、講習会やツアーだと、初対面のことが多いので文化が違ったりして困ったりします。
でもシャリバテに至るレベルで、補給しちゃダメというルールは幾ら何でもやりすぎかな・・・。どのタイミングで食べればいいのかよく分からないという経験はありましたけど。
私はジム・ジャームッシュとか、宇宙兄弟とか、気まずかったり、ビミョーな空気感を書いたヒューマンコメディが大好きなので、今回と前回のお話は、食い違いの妙にフォーカスを当てた笑い話だったりするのですが、、、
実際、ガイドさん朝ごはん食べてて、
「朝ごはん・・・食べてますね・・・」
と他の受講生と顔を見合わせたというオチも実はありました。(笑)
ただ結果的に「シャリバテになりました」とかだと、笑い話になりませんのでシャレになるレベルで収まって欲しいですね。
machagonさんのコメント
「罪悪感なくスイーツが食べられるのは山だけです!」
こういうのわかるし、名言です!
_φ( ´ ▽ ` )メモメモ
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