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これは『Shivaay』という2016年に公開されたインド映画のトレーラーである。
ヒマラヤ山脈の麓に住む山岳ガイドのシヴァーイさんは案内した白人女性と恋に落ち、娘が生まれる。しかし娘は悪者さらわれてしまい、取り返すために立ち上がる。といった内容らしい。
雪山が舞台のアクション映画なのだが、インド映画の『ありえねぇ・・・』と思えるオーバーアクションが魅力の一つである。本作もトレーラーを見ているだけでも面白い。
まず、シヴァーイさんはアイゼンはおろか、ハードシェルやダウンジャケットすら着ていない。革ジャンにピチピチのジーンズ、グラサン・・・。しかも胸元をしっかり開けてキメまくり。
『なんかちがうぞ・・・』
と思う間もなく、突然崖からダイブ!!
『ロープつけてないじゃん。死んじゃうよ!!!』
と思うが、ここはさすがヒーロー。『アイスアックス』を取り出したかと思うと、雪壁を削りながら、ブレーキをかけ始める。
『シヴァーイさん、アックスの使い方、間違ってます。』
それ以前に、こんなんで止まるわけない・・・が、フィクションなので、すんでのところでちゃんと止まる。
でもリアルなら衝撃で腕がもげるに違いない。なんてツッコミだすとキリがない、『ありえねぇ・・・』オーバーアクションのオンパレードである。
こちら、『ボリウッド映画』と呼ばれる映画で、インドのムンバイで製作される映画である。
『ラジーニ・カント』の『踊るマハラジャ』のようなインド南部の『タミル映画』とちがい、ボリウッド映画は海外を意識しており、予算をかけ、CGなどを駆使し、ハリウッド並みのクオリティがある。
登山をしている人間から見ると、お口アングリのアクションだが、これは国民性によるものなのであろう。彼らの映画に対する関わり方は日本のそれとちょっと違う気がする。
以前インドに旅した時、地元の映画に行く機会があった。バスでベナレスからカジュラーホという街に行くのにバスに乗ったら、バスの乗り継ぎが間に合わず、アラハバードという街で足止めをくらったのだが、次のバスまでのヒマだったので映画でも見てみようと映画館に行ったのである。
インドの映画館は席割りが面白い。カーストの残るお国柄、席も貧富の差に合わせて安い席から高い席まで6段階くらいに分かれている。見づらいスクリーンの最前列の席は安く、後方に行くと値段が高くなる。
映画が始まると拍手が起こる。日本の小さな映画館で自主上映するみたいな感じである。
物語が始まると、まず主役が登場。これが超カッコつけたコテコテのヒーローで『グラサン』をかけ『キメッキメ』で出てくるのである。
『禅と無印良品』のような質素を好む日本人からすると、このコテコテ感は一体なんなんだと思ってしまうが、館内のインド人は違う。彼らはキメキメの主人公を歓迎し、一斉に歓声を上げ始めるのである。
何を言ってるのかわからなかったが、『待ってました!』みたいな感じだと思う。
特に最前列の安い席で見ているインド人たちの熱狂ぶりや凄まじい。彼らは立ち上がり、拳を上げながら歓声をあげる。それをスクリーンの真ん前でやるので、影絵で小さい人たちが踊ってるようだった。
主役の後には悪役が出てくるが、今度はブーイングの嵐。『引っ込め!』『このヤロー』とかそんな感じでブーブーいう。最前列に座っているインド人たちは、またもや立ち上がって拳を振り上げている。
『熱い・・インド人熱いよ・・』
まるで昭和時代に少年たちが街頭テレビで盛り上がっているようだ。
主役が快進撃すると歓声が上がり、ピンチになればため息が漏れる。映画と観客がシンクロ率MAXとなって館内は大いに盛り上がった。
しかし、インドの映画は3時間くらいと長く、みんなだんだん静かになってくる。途中に休憩が挟まったり、ストーリーにあんまし筋がなく、脱線しまくるので飽きてくるのだ。みんな素直である。
しかし、映画もクライマックスになってきた時のこと。
『ブチッツ!!』
とでかい音がしたかと思うと、スクリーンが消え館内が真っ暗になった。
どうやらフィルムが千切れたらしい・・・。
すると、映画に飽きてきていたはずの観客は暗闇の中で一斉蜂起し、館内は今までにないような大ブーイングの嵐となった。
結局、インド人の反応が面白すぎて、映画の内容は全く覚えていない。
一般的に映画というと、上映中は携帯電話を切って、おしゃべりをしないで、ストーリーに没頭し、メッセージを汲み取って共感したり、感動したりするモノのように扱われている。
しかし、インドのそれは、寄席や、歌舞伎を見ているのに近しい感じであり、彼らの普段の生活の鬱憤を解消できる娯楽のようだ。
そう考えると、
『別にオーバーアクションで盛り上がるのもいいじゃん。』
と思えてくる・・・かもしれない。
最近はネットで視聴するサービスもあるので探して観てみたい。あまり細いことを考えずに、シヴァーイさんの無茶ぶりを『すげー』とか、『ありえねぇー』とか思って見る方が楽しめそうである。
カジャさん、どっからこんなネタ仕入れて来るんですか(笑)
面白過ぎて2度見しましたよ。2度目は一時停止をかけつつ(笑)
いや〜、映画ってホント〜にいいもんですね〜
これはmaamがお世話になっている、クライマーの整体師の方の情報です。クライマーの仲間内で大受けだったそうです。
本編見てみたいです。
ヒンディー映画はクドイのが多くて面白いです。クドくて飽きますが。
cajaroaさん、こんばんは🌙
ヒャッハ〜、すごい映像‼️
そして、cajaroaさんの最もすぎる(失礼…(^^;;)コメントとの、温度差に、大ウケです😆
映画とか、あとアニメでもですが、ありえない超人のパフォーマンスありますよねぇ
表題にしましたが、動画見てまず思い浮かべたのがそれです^ ^
フツー、それ、大怪我でしょ⁉️…みたいな…😅
確かにアックスの使い方間違っているのかもしれませんが(スミマセン、雪山始め、アイスクライミングした事のいもので…💦)これだけ超人ですと、案外こんな使い方でもアリなのかな?…なんて…😅
しかし、インド人、熱いですね‼️
我々日本人が、逆に冷めすぎているのかも…
だいぶ前ですが、海外行った時、国民性の温度差を感じた事を思い出しました^ ^
machagon さんこんにちは
ここは普通懸垂下降ですヨ!
シヴァーイさん(ツッコミ!)
それ以前に普通に歩いて降りれそうですね。
見た人の感想の引用です。
ガトリングで打っても当たらない!
車に引きずられても無傷!
雪山を飛び降りても雪崩に遭っても無傷!
命の危機なのに恋に落ちる!
運転席はボンネットの上!
売春街を一人で壊滅させる!
そしてテーマは親子愛。
観てみたいです。
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