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昨年4月に棒ノ折山から高水三山を縦走したが、その時に滑落遭難者の救助現場に遭遇した。本書の最初のケースも高水三山。
子供の頃から通っている山域でこんなに多くの山岳遭難が起きているのかとびっくりさせられる。
川苔山の百尋ノ滝付近に、足を滑らしたら漏斗状になっていて落ちたら這い上がれない蟻地獄のようになっている場所があると言う。救助中に別のリュックが見つかったり、ハイカーが立て続けに滑落したそうだ。川苔山は子供の頃から少なくとも3回は登った事のある山。そんな場所があるのか。何気ない道の中に危険が隠れている。
雲取山から三条の湯へ向かう道すがら、本当に何でも無い樹林帯のトラバースを歩いている時に友人が足を滑らした。緩斜面をコロコロ転がっていくのを呆然と見送った。十数メートル滑落、木の幹にぶつかって何とか停止、擦り傷と打ち身程度で下山できた。山は怖い。そう感じた。
その雲取山の山行で雲取山荘に泊まったが、その際に山小屋の管理人さんが、登山道でピークを巻く道の危険性について力説していた。正規道は無論ピークを踏む道で、巻き道は踏み跡少なく危険な場合が多いから、なるべく正規道を歩いた方が良いと言っていた。その時、自分等は小雲取山のピークだけ巻いて雲取山山頂のみ頂を踏んだのだ。本書には、その小雲取山の巻き道を進んだが為に遭難したケースが掲載。その時の記憶を自分等に話してたんだなあと思い出した。
救助にせよ遺体発見にせよ一段落した次点で、著者の事故の振り返りも載っている。事故の原因は何か。それらを一般登山者と共有することが本書の狙い。ざっと見渡した限り、
・出発時間がそもそも遅い
・にも関わらず装備が貧弱(地図無し、ヘッドランプ無し、雨具無し)
・季節的な山のリスクをハイカーがわかっていない(早春の大岳山は岩場が凍結していて滑落し易い)
・家族と山行計画書を共有していない(トラブル発生しても捜索活動に入れない)
等が読み取れる。自分の過去の山行を振り返る。
基本は大丈夫な気がする。
ふいー
良かった良かった
だが、気になる点もある。
以下抜粋
「あなたは何をして体を鍛えていますか?」と質問すると、「山に登って体を鍛えています」などという答えが返ってくる。私はいつも言う。「違うんだなあ、山に登って体を鍛えるのではなく、体を鍛えてから山に行くのでなければダメ」。ひと月に1回か2回山に登って、体なんか鍛えられるわけがないのである。他のスポーツでも基礎体力をつけ、勉強をして、練習をして、それから試合に望む。登山だって同じなのである。
むー、耳が痛い。少し筋トレするように心がけよう。
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