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ITマサイと聞いたら、携帯使ってライオン狩りも楽勝ということ?と思ったら、マサイさん出稼ぎで得たお金を携帯で送金しているという。固定電話のインフラのない国でも、携帯のニーズは高い。そもそもアフリカ人はみんなおしゃべり好きなんだって。
財政赤字ワーストワンの国ジンバブエでは、ジンバブエドル100兆円で買えたのはパンが二、三個だったとか。今では土産物屋で「世界史に残るインフレの記念品」として販売されている。その後この通貨は停止されアメリカドルが主に使われているけれど、さすがにムガベだって米ドルを勝手に印刷はできない。使い回されボロボロになったドル紙幣が今も流通しているという。
その経済停止のジンバブエから数百万の移民が仕送りをするために南アフリカに入り込んでいる。ワールドカップで話題になった凶悪な治安は、基本的に南アフリカ人と移民との労働軋轢に原因があると報告されている。密入国ではない。新しい移民政策として、積極的に受け入れをする南アフリカの新たな葛藤に、まだまだこの国の今後の展開がありそうだ。
グローバル経済の話だけでなく、その中で翻弄されながら、生き抜くたくましい人々のことが書かれている。普通の我々のそばにいる、或いはかつていた人たちの話に聞こえた。NHKのスタッフの滞在は短い。切り取られた人々の暮らしが全てではないけれど、「人々のアフリカ」をつないで見せたら、遠いアフリカの現在が見えた。ジャーナリストの仕事としてはグッドだと思った。読みやすい本でした。
2011年2月20日初版
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