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交通手段はまだまだ不便で各種情報も少ない当時。でも何故だろう。とても楽しそうな光景が浮かぶ紀行文です。
作家としての落ち着いた表現で語られる文章でも、登ること、泊まること、雄大な峰々を眺めること、そのワクワク感が収まりきらずに溢れ出てくる感じ。
楽しい思い出ばかりの内容ではないけれど、当時ならではの事情や情勢も垣間見えて、その中でも山を楽しんでいた深田氏の幸福論を見る思いです。
信州の山がいくつも掲載されている「下巻」。
そうそう、あの山のその辺は、今でもそうですよ。というところと。
もう今は、それは変わっていますよ。というところ。
登ったからこそ楽しめる内容だと私は思うので、いつかまた書店で目次を見て、自分の登った山と重なる山が偶然にも増えていたら、上巻も購入するかもしれませんね。
ふと考えたのは、年を重ね、山が登れない体になって死んでいくことと、山に登りながら死んでいくことと、どちらが良いのだろう・・。
選べるものではないことを承知で、できれば後者がイイなんて言ってみても、現実的な事後処理を想像するとトンデモない話。
それでも深田氏の終焉が登山のさなかであったということに、誰しもが「さもありなん」と思い、自分なら・・と少し想像を巡らす読後感なのでした。
なんだか湿った話。これくらいにして、さぁ、次の登山計画を立てようっと。
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