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企業が従業員向けに開く講習会では、“疲労回復”をテーマにしたものがとても多いように感じます。家から駅まで歩くだけで疲れる、階段を上るのが辛い、荷物を持つとすぐに疲れるといった悩みが多く、本人は、加齢のせいで疲れやすくなったと思われていたりします。しかし、それは実は勘違いなのでは?
適度な睡眠とバランスの良い食事がとれていることが前提にはなりますが、いずれも原因は体力の衰えにあるように思われます。体力の衰えの原因は、ズバリ運動不足。加えて、歩くのが疲れるからと短い距離もクルマを使い、階段を避けていては、ますます疲れやすいカラダになってしまいます。
運動自体は疲れるものですが、疲れるからこそ体力向上につながります。疲れにくいカラダになるためには、疲れることをすることがまずは必要。では、日々の疲労感や、激しい運動による疲れの解消には、何が適しているのか。
それは、超回復のためのランニング。軽登山もいいかもしれません。心身のリカバリーを目的としているので、疲れるペースや長い距離を走ったり歩いたりする必要はないです。十分な睡眠時間を確保することが優先であるが、特に血液循環を促すランニングは、疲労回復に適しているし、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防にもなると思います。
では、ランニングをすることがどうして疲労回復になるのか、リカバリーを目的とする超回復ランとはどんな走り方のことなのか。3つの理由を挙げたいと思います。
1. 関節本来の動きを取り戻す
骨と骨の連結部である関節。骨の先端は関節軟骨という層になっており、衝撃の吸収と滑りを良くする役割を担っている。軟骨には血管が通っていないため、関節を覆う関節包の中にある関節液をスポンジが水を吸うように吸収することで、修復や新陳代謝に必要な栄養を得ている。関節包内を関節液で満たし、それを関節軟骨が吸収するためには、関節を動かすことが必要。すなわち、デスクワーク続きで運動をしていないと、関節軟骨の新陳代謝がうまくいかず、変形性膝関節症などを引き起こす可能性がある。さまざまな関節を動かすランニングは、全身の関節軟骨に効率的に栄養を運べるので、関節のコンディションキープにとても有効。ランニングで屈曲・伸展させたり、肩を動かすことで、肩関節の本来の動きを維持し続けることができる。
2. “第二の心臓”から血液の循環を促す
疲労回復のためには、血液の循環を促し、カラダの隅々まで栄養と酸素を行き渡らせることが重要。例えばアスリートたちが、試合の翌日を完全オフとせず、軽いジョグなどでカラダを動かすのは、疲労回復を促進するため。全身を使う有酸素運動であるランニングは、血液循環を高めるのに有効。カギはふくらはぎの筋肉。収縮と伸展を繰り返して血管に働きかける、ミルキングアクションと呼ばれる筋肉のポンプ作用が起こると全身の血液循環が良くなる。ランニングは当然、ふくらはぎの筋肉を使う運動なので、ミルキングアクションが起こる。
長時間のデスクワークやフライトで足がむくんでしまうのは、血行不良が原因。カラダをマメに動かしていないと、血液はスムーズに流れ続けてはくれない。
3. 頭の棚卸しとストレス緩和
運動はメンタルに与える影響も大きい。例えば、うつ病にかかった人には投薬と同等の効果が運動にあると考えられており、患者にはウォーキングが推奨されることが多い。運動をすると、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや、鎮静効果や多幸感をもたらす効果があるとされるエンドルフィンが分泌される。どのような運動やスポーツが抑うつ状態やうつ病の改善につながるのかは結論が出ていないものの、ランニングがストレスからカラダを守る手段になるのは間違いなさそう。ランナーの人であれば、経験したことがあるかもしれないが、のんびりとしたペースで走るランニング中は、頭の中が整理されることが多い。
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