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画像2:正真正銘の北アルプス硫黄尾根の硫黄岳山頂(2014年9月撮影)
画像3:硫黄尾根の硫黄岳から見た360度パノラマ展望
最近話題になっている生成AIだが私は使ったことが無かった。普通にグーグルで個人のHPやヤマレコのようなSNSを検索すれば用が済むので必要性を感じないからだ。
でもその実力がどんなものか興味があり、昨日、人生で初めて生成AI使ってみた。使ったのはウィンドウズのコパイロット。私は未だにウィンドウズ10を使っているが、この環境ではコパイロットはタスクバーの中とブラウザ(エッジ)の右上にアイコンが出てくる。これをクリックするとコパイロットの画面が出てきて、その下端に質問を入れると即座に回答が返ってくる。
このコパイロットは無料で誰でも使えるが、おそらく最先端の生成AIではないので有料の生成AIよりは性能は低いかもしれない。また、今の生成AIは質問の意味は同じでも言葉の言い回しで回答が左右されるので、今回の結果が生成AIの真の性能とは言えないだろうが、参考にはなるだろう。
質問は次の文章である。
「北アルプス 硫黄尾根の硫黄岳はどんな山か?」
かなりマニアックでAIには申し訳ないが

「硫黄岳は北アルプスの一部で、長野県に位置する美しい山です。標高は2760メートルで、登山者に人気のある山です。硫黄岳はその名の通り、硫黄の匂いが漂うことが特徴で、山頂からは360度のパノラマビューが楽しめます。特に、槍ヶ岳や穂高連峰などの名峰を一望できるのが魅力です。
登山ルートは複数あり、初心者から経験者まで楽しめるコースが揃っています。例えば、赤岳鉱泉からのルートは比較的アクセスが良く、人気があります。また、山頂付近には山小屋もあり、宿泊も可能です。
自然の美しさと登山の楽しさを兼ね備えた硫黄岳は、四季折々の風景を楽しむことができる素晴らしい場所です。興味があれば、ぜひ訪れてみてください。」
日本語としては自然で合格点だが、その内容(正確さ)は前半は完全に不合格だ

そもそも、私は北アルプスの硫黄尾根の硫黄岳について聞いているのに、ここで述べているのは八ヶ岳の硫黄岳だ。八ヶ岳の硫黄岳はAIが書いた通り標高2760mが正解で登山道が各方面から延びていて人気の山だが、北アの硫黄岳は2553.8mで登山道は無く、笹藪とハイマツ藪に覆われて無雪期はもちろん、藪が雪に埋もれた時期でも登る人は稀で人気とは対極の山である。
次の誤りは山域。八ヶ岳の硫黄岳について記述しているのに「硫黄岳は北アルプスの一部」と言いやがった

このままでは生成AIに悪いかなと思って(笑) もっと山の情報を明確化して、次の文言で再度聞いてみた。
「北アルプスの硫黄尾根にある硫黄岳(標高2553.8m)はどんな山か?」
その結果は前と全く変わらずだった。
生成AIはネット上の膨大な情報の学習を元にして文章を作成している。よってネット上の情報量の多寡、情報の質によって回答に影響がある。おそらく、北アの硫黄岳の情報がネットで少ないのが今回の誤回答の原因と思われるが、ここまで自然な日本語で嘘をつかれると事前に知識が無い物事については嘘と見抜くのは難しいだろう。何せ知らないから生成AIに聞くのだから。
記録がネットに多数あるメジャーな山について調べたりすれば違うのかもしれないが、現状ではマイナーな山では生成AIを信用するのは無理だ。
また、生成AIの学習には時間がかかるため最新情報が反映されている可能性は低い。登山の場合、登山口までのアクセス道路の通行可否や、そもそも登山道が通行可能かどうかは非常に重要な情報であるが、これらの最新情報は生成AIでの情報収集には向かないだろう。やっぱり最新の記録をネット検索して複数の記録を読むのが安全だろう。
何だか結論はごく普通になってしまった

生成AI面白いですよね。
でもそうなんですよ、自然な日本語で”嘘(ほんと嘘と表現するがふさわしい様な)”をつくんですよね。
生成AIだと有名どころでもう一つ、google社のGeminiがあります。
その回答は以下の様でした。参考までにちょっと書いてみました。(コピッただけですが)
−−−−−−−−−−−−−−−−以下−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「北アルプス 硫黄尾根の硫黄岳はどんな山か?」
北アルプスの硫黄尾根にある硫黄岳は、標高2,553.8mの山で、その名の通り
硫黄を含んだ岩石で構成された、赤褐色や黄白色の荒々しい山肌が特徴です。
硫黄岳の特徴
火山活動の名残:
かつての火山活動の影響で、山肌は赤褐色や黄白色に染まり、
独特の景観を呈しています。硫黄沢周辺では、現在も水蒸気爆発のような現象が
見られることがあります。
崩壊が進む脆い岩肌:
硫黄を含む岩石は脆く、風化が進みやすいため、崩壊が
進んでいる箇所が多く、登山には注意が必要です。
北アルプスらしからぬ景観:
緑豊かな山々が連なる北アルプスの中では、
硫黄岳の荒涼とした景観は異質で、訪れる人に強い印象を与えます。
静寂に包まれた山:
登山道が険しく、訪れる人が少ないため、静かな山歩きを楽しむことができます。
登山について
硫黄岳への登山は、西鎌尾根から硫黄尾根を縦走するのが一般的です。しかし、
硫黄尾根は岩場やガレ場が多く、道迷いや滑落の危険性が高いルートです。
そのため、十分な経験と装備を備えた登山者向けのルートと言えます。
注意点
硫黄岳は、火山活動の影響で脆い岩肌やガレ場が多く、落石や滑落の危険性が
高いです。
登山道は不明瞭な箇所もあり、道迷いに注意が必要です。
硫黄沢周辺では、火山ガスが発生している可能性があるので、注意が必要です。
まとめ
硫黄岳は、北アルプスの中でも独特の景観と静寂が魅力の山です。しかし、
登山ルートは険しく、危険個所も多いので、十分な準備と注意が必要です。
AIでもモノによって回答がここまで違うのですね。驚きです。
ただ、Geminiの回答でも誤解を招く表現はありますね。ぱっと見ではまるで登山道があるような表現があったり、西鎌尾根から硫黄尾根を縦走するのが一般的と書いていますが、通常はこの逆方向です。というか、下りでこのルートを縦走るのは無謀過ぎですね。
AIは個別の山の詳細な情報収集というより、もっとざっくりした情報収集に向いていそうです。
さて、先日、YAMAPで「ヤマレコの無料ユーザーは写真を◯◯MBまでしかアップロードできない」のような誤ったモーメントを投稿している方がいて、私が正しい内容をコメントしました。
その方はGoogleで検索して一番上に表示される、AIによる要約を見てモーメントを書いたようでした。
私も試してみたところ、どうやら昔にヤマレコの日記でどなたかが書いた内容が反映されているようでした。当時は今と比べて容量も少なかったんですよね。
今後は「ググった結果を次のページくらいまで眺めて正しい情報を見つける」という習慣は廃れて、「AIがまとめてくれた内容を読むだけ」な習慣が浸透すると思います。リテラシーがますます問われるようになりそうです。
職業によっては現状の生成AIでも十分に役立つこともあるのですね。
生成AIには得意分野/不得意分野があるようで、概要みたいなものは得意でも個別の案件の詳細までの深堀は苦手のようですね。
AIはネットの情報を学習に使っていますが、ネットの情報全てが正しいとは限らないので、回答もその影響を受けてしまいます(特にネット上で情報が少ないことに関しては)。
また、ネットの最新情報が学習に反映されるまでにそれなりに時間がかかるため、ご指摘のような古い情報しか出てこないこともあるでしょうね。
私もネットで調べ物をする際は複数の記事を見て情報が正しいか確認するようにしています。
もしかしたらAIも今まで以上に進歩して、数年後には「もっともらしい嘘」をつかなくなっているかも?
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