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山行記録:伊豆三山 沼津アルプス 北条政子ゆかりの地を巡る(道の駅より)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7924649.html
伊豆三山と言えば『城山』『葛城山』『発端丈山』という3つの里山の総称ですが
昨年の11月に三山のひとつ葛城山の周辺が柵で囲われ
『施設使用料』という名目で2500円を払って入場しなければ葛城山の山頂を踏めなくなりました。
これまではロープウェイさえ利用しなければ無料で踏破できる山だっただけに
登山者界隈では一時期ちょっとした話題になったのでご存じの方も多いのではないでしょうか?
実際にヤマレコで伊豆三山を検索してみると
昨年の11月以降、そんな登山者の困惑や不満を露わにしたレコが数多く散見されます。
そもそも『伊豆三山』とはいつどのようにして生まれた概念だったのでしょうか?
今回話題の中心となっている葛城山の『伊豆パノラマパークロープウェイ』ですが
ロープウェイ自体は1962年開業と比較的歴史が古く
逆に伊豆三山という名称が登場した時期は、私が調べる限りでは断定できませんでした。
伊豆三山と呼ばれた場所にロープウェイを通したのか?
ロープウェイを通した場所を起点に伊豆三山という概念を広めていったのか?
どちらが先かは定かではありませんが
少なくとも、両者は観光促進という目的において長年共生関係にあったと推測されます。
その後どのような経緯を経て現在に至るかは想像の域を出ませんが
今回の対応を見るに、ロープウェイ側は伊豆三山を目指す登山者に対して
正直あまり良い印象を持っているようには見えません。
確かに現在のリゾート化された葛城山にとって
登山者があまりにミスマッチなのは実際に登ってる我々自身も感じるところではあります。
ですから『小汚い登山者を排除しようとしている!』なんて邪推されたりもするわけですが。
それだけが理由にしてはやってることがやや強硬過ぎるように感じます。
過去のトラブルやしがらみなどによって何らかの感情論が働いている可能性も否定はできませんが
真相は定かではありません。
ただ現実として、登山者視点では伊豆三山を目指すにあたりロープウェイ側が障害となっている…
ように私は感じるし、多くの登山者も同様に感じているのかな?と。
ですが、根本的に視点を変えてみたらどうなるか。
登山者の思惑だけではなく、ロープウェイ側の事情について思いを巡らせてみたいと思います。
ロープウェイの主たる顧客はおそらく『登山経験のない観光客』なわけですが
運営管理者としては彼らが興味本位で敷地外にフラフラ足を踏み出す事態だけは避けたいはずなんですよ。
道迷いもですが、観光客が紛れ込んだらマズい危険箇所が周囲に割とザラにあるのが葛城という山です。
近年客層がインバウンド寄りになったことで、より一層行動が読みづらくなってきているのでは?
故に、観光客には敷地の外にも歩ける場所があるなんて知られては困るのではないかと。
それを裏付けるように伊豆パノラマパークのサイトには伊豆三山なんて一言も書いてない。
ならば高すぎる施設使用料(入場料)にも頷けます。
だって『歩いて登った方が得だ』などと観光客に思われて、下手にチャレンジされては困るのですから。
実際に葛城山周辺をぐるっと歩いてみて
『登山者を入れたくない』より『観光客を出したくない』比重の方が高めなように私は印象を改めました。
アレが観光客の安全を守るための措置だすれば、過剰なほど徹底的に柵が張られているのも理解できます。
一方でそんな思惑とは裏腹に、登山者は伊豆三山を目指して来るわけです。
『三山』と謳われれば三つ登りたくなるのが登山者の性ですからね。
すると必ずあの柵が目につくわけですが、登山者の立場でアレを好意的に受け止めるのは難しいでしょう。
一見すると追い出され拒絶されたように感じるし、実際私も当初はそのような印象を持っていましたし。
しかし、不自由なのはむしろ柵に囲われた観光客の方だと考えると、違った受け止め方もできるかもしれません。
これらを考慮した上で、これはあくまでも私の推測ですが
『伊豆三山』とは
ロープウェイ側にとっては観光客の安全の面でも登山者からのヘイトが集まるという面でも都合が悪く
登山者にとっても踏破に2500円必要な上、事前情報がなければ現地で騙し討ち食らう可能性が高く
もはや『伊豆三山』という概念こそが両者の間に溝を作っている元凶になりつつあるのでは?
そう感じてしまいます。
これは極論ですが、いっそ『伊豆三山』という名称やめちゃった方が良くない?
無理に三山一括りにするから問題が複雑化するのであって
今回の件も『伊豆里山縦走路』と『観光リゾート葛城山』と分けて考えれば何の問題もないんですよ。
少なくとも今後無料で葛城山の山頂を踏むことはおそらく叶わないんでしょうから
三山など最初からなかったと割り切って、もし興味があれば観光リゾート葛城山に寄って行く。
そういうものだと我々登山者は切り替えていった方が精神衛生上良いのではないかと思います。
私はそうしました。
何にせよ今回、実際に伊豆三山を歩いて自分の目で見て肌で感じた結果
一連の騒動が登山者に対する悪意や嫌がらせの類でないと自分の中で腑に落ちたので
この件に関してはもう言うことはないかな。
むしろ第一印象だけで一方的に施設側を悪者のように思っていた自分の視野の狭さを反省します。
私の中ではこれにて終了です。
かつて無料だったものが有料に変わることを理不尽と思うのは至極当然かなと。
加えて今回の件は『山頂を私物化した』ように見えたのも火に油を注いだ原因ではあるのですが。
しかし富士山有料化などを鑑みるに、今後こういった変化はしばしば起こりうるかもしれません。
我々登山者はこれまで当たり前のように『無料』を享受してきましたが
それが当たり前でない時代が来るかもしれないと、心の準備はしておいた方が良いのかもしれませんね。
ちなみに今回の葛城山、実際に山頂を直接踏まずともヤマレコ上では踏んだことにもできますが
そこまでして伊豆三山を制覇する必要があるのか、登る前に今一度心に問いかけた方が良いと思います。
さて、そんな現状を踏まえた上で
今回の日記の冒頭の表現を、私なりの解釈で変更したいと思います。それが以下。
先日『伊豆三山』に行ってきました。
↓
先日『伊豆里山縦走路』を歩いてきました。
『観光リゾート葛城山』には寄りませんでしたが、また機会があったら行ってみたいと思います。
そして挑戦中の山リストから『伊豆三山』をそっと消しました。
伊豆の山、楽しかったです(*^^*)
コメントありがとうございます(*'▽')
私は実際中に入っていないので直接肌で感じたわけではありませんが
実際、柵の中と外でだいぶ雰囲気違うなぁ…というのは外見からでも思いましたね。
値段云々より場違い感で敬遠している人も多いかもしれませんねσ(´∀`;)
基本的に国有地とかでない限り、山はどなたかの所有地で登山道も山頂も好意で登らせてもらっているのがほとんどだと思うので、有料かに着いてはとやかく言うつもりはないのですが、確かに「伊豆三山」という名称を止めてしまえばと言うご意見には賛成です。これについては登れない(立ち入り禁止や噴火警戒地区など)ピークを含んでいる○○名山とかも、完登するために立ち入り禁止地区や警戒地区に立ち入る輩が後をたたないのかな〜なんて思ったりもします
コメントありがとうございます(*'▽')
なるほど、あの広場パラグライダー離着陸場だったんですね!
あそこ景色良いし、実際あそこまで行って三山歩いた扱いにしている方多いかもしれませんね。
実は私も最初はそのつもりで登りに行ってましたし。
『〇〇三山』とか『〇〇名山』って何だかんだ登山者好きですからねw
スタンプラリー的な感じで、あったらあったでチャレンジしちゃうんですよねσ(´∀`;)
実際山域の訴求力が上がって登山者も増えるんでしょうけど、今回の場合は皆何かしらネガティブな感情を抱いて帰る羽目になるので、来てもらったところでむしろマイナスにしかならない気がするんですよね、誰も幸せになってない。
なら辞めちゃえば?って感じです(;'∀')
百名山みたいに知名度もあって既に定着してるものだと難しいのかもしれませんが、伊豆三山くらいなら問題ないような気がするんですけどね(外野の勝手な言い分ですがw)
富士山然り、山はそこにあってもその維持管理は無料では出来ません
そう考えると、タダで楽しむ、というか荒らした挙句遭難する、などの愚行を制御する意味合いも兼ねているかもというのは最もだと思います
昨日、対馬の神社では氏子と関係者以外の境内立ち入りが禁止された、とのニュースを目にしました
これは境内に自転車を乗り入れたりする行為に留まらず、排泄行為にまで及ぶ、観光客のとんでもない乱行が頻繁し、関係各所に図っても収まらず、結果立ち入り禁止になってしまったそうです
その地域にお邪魔するという「相手に対する敬意」が失われた時、有料の入場制限や、それでも難しいとなると一切の立ち入りが禁止されてしまうのでしょう
自身の行為を常に振り返る必要があるのだと、思われました
コメントありがとうございます(*'▽')
人間って不思議なもんで、変化に対しては概ね反射的に拒絶反応示すんですよね。
まして今回はあまり登山者にとって好ましくない変化だったのと、金も絡んでるし。
当初から『登山者追い出した上に金も取るってよ』みたいな風潮でした。
興味本位で軽く聞きかじった私も当初『葛城山の観光施設はけしからん』みたいな印象を持ってましたしね、よく知りもしないのにww
有料化にしても立入禁止にしても
その行為自体が強硬に映るから、どうしたって第一印象が良くないんですよね。
本来であれば我々登山者は『無料』で『立入り』させてもらえていたことに感謝すべきで
『恨み言を言うのはお門違い』くらいの謙虚な感覚でいないと、登山業界全体がいつか取り返しのつかないしっぺ返しを食らうかもしれません。
鷲尾健さんの仰る通り、自身の行為を常に振り返る必要がありますね。
そういう意味でも今回の伊豆三山は良い勉強になりました。
1985年発行のアルペンガイド「東京周辺ワンデイハイク」には、伊豆三山と言う名称はないです
「城山から発端丈山」へのルートが、同じルートだと思います
>『〇〇三山』とか『〇〇名山』って何だかんだ登山者好きですからねw
近年、◯◯アルプスだのと銘打って集客している里山が増えましたよね
たぶん、伊豆三山もそんな里山のひとつだと思われます
それが、ここに来て流行りの◯◯テラス
八方尾根のうさぎ平テラス(有料)を見た時も違和感あったけど、
お金を落とさない「登山者」より、たくさんお金を落としてくれる「観光客」
地元としては、お金持ち観光客(外国人)を呼びたい!ってことかなと思う
コメントありがとうございます(*'▽')
なるほど、1985年時点でまだ登場していないということは
ロープウェイが先で、その後に観光促進のために伊豆三山という概念が誕生した
という時系列の可能性が高いですね、情報ありがとうございます(*^^*)
確かに、良く言えばオシャレになりましたよね〜w
今後インバウンドが増えるにつけ、その傾向はどんどん強くなるでしょうね。
まぁ確かに登山者金落としませんしね(;´Д`)
そういえば今朝方、ラジオでボケーッと長野県のニュース聞いてたら
北アルプスでも登山協力金を徴収するとか何とか言ってたような?
てか北アで協力金必要ならマイナーな里山はどうなっちゃうんでしょうね(;'∀')
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