東京、とりわけ新宿を発着する高速バスは、国鉄→JRの長距離列車が高速道路や新幹線の発達のために廃れ、あるいは長引く不景気のために安い交通手段として高速バスが注目を集めた結果として、ここ10〜20年のあいだに急増したわけですが、既に土地という土地が鉄道と建物によって占められている中ではロクにバスターミナルを増やす場所がなく、その結果小さなターミナルやバス停があちこちに分散するという、世界的に見ても稀な光景が展開されてきました。ヨドバシカメラの脇の狭いスペースから山に向かうバスが発車し、ビルの谷間の激狭な道を「よっこいしょ」と進む光景は、スリルがあって面白いと言えばそれまでですが、国際的にはかなりショボい部類に入るわけで、さらに方面・会社ごとに全く別の場所から乗るのは、誰にとっても不親切このうえなし……。
それを一気に解決するため、新宿に残された僅かなまとまった空間であるJRの線路の上を活かして、このたびのバスタ新宿開業となったわけですが、そのJR線路上にしても大量のバスが出入りするには狭い空間であることは間違いなく、例えば羽田・成田空港などと同じように、
*バスターミナルにバスが入ってくるのは発車直前!
*それまでバスは離れたところにある営業所で待機。
というやり方で、狭さを綿密なスケジュールで克服しようとしているようです。外国の大型高速バスターミナルですと、行き先別・バス会社別に凄まじい数の発着スペースがあり、目的のバスの乗り場にたどり着くまでが一苦労というほど広大ですから (汗)。
バスの居場所が限られているとなれば、人間の居場所も限られるということで……東側に設けられた切符売り場兼待合室が狭い!! いや、より正確に申しますと、発車するバスの本数に対して全然狭く、何ともゴチャゴチャとしたカオス気味…… 。そして、それぞれの乗り場の前にある利用客の立ち位置スペースも狭く、バスを待つ客と移動する客が入り乱れて、互いにぶつからないかヒヤヒヤ…… 。
というわけで、とくに利用客が多いシーズンや時間帯の場合、「念のため早めに来て待合室でくつろごう」と思っても、休むスペースがそもそも限られるため、新宿界隈の茶店などで時間をつぶしてから直前にバスタに来る、というのがベストかも知れません。そうすると、JR駅直結!という売り文句がかけ声倒れになってしまいますが…… 。
とまぁこんな感じで、バス会社も利用客も最大限の効率と配慮によって狭い空間を使いこなすことが求められ、現に初日からそうしているあたり、何とも日本的だなぁ……(と申しますか、まさに日本の縮図! ) と思いました。
このようなかなり狭い空間で、巨大なザックを背負って人をかきわけるのは、かなり冷や汗ものかも知れません 。
まぁ、慣れて使いこなすツボさえ分かれば、全国津々浦々に向かうバスやその案内表示を眺めているのはとても楽しいです。ただ、そもそもそういう役割は、かつて東京・上野・新宿駅に集結する国鉄の長距離列車 が担っていたわけで、広々とした駅に長い列車が停まっている風景が、狭いバスターミナルにバスが入れ替わり立ち替わり出入りする風景に変わったこと自体、日本社会の変質を物語っているのかも知れません。長文乱筆失礼しました〜m(_ _)m
(写真1) 高層ビルをバックにバスが出入りする光景そのものは面白い♪
(写真2) 広く作ったつもりの (?) 待合室も、この客数ではマジで狭い。
(写真3) 中央高速方面の発車案内。乗り場は東西南北で色が分かれており、色と数字をしっかり確認すれば、たくさんのバスが出入りする中でも乗り場を間違えることはないでしょう。自治体名としての「南アルプス市」を中国語でどう記すのかと思っていたら、やっぱり「南阿爾卑斯市」になりました (笑)。外国語はこのほか、英語・簡体字中国語・韓国語でも表示されます。
bobandou 様
こんばんは(^_^)
既に行かれたんですね!
先月末、下から偵察した時は「でっかいなー」と思いましたが、新宿のあちこちに散らばってた方々へのバスが集まったら、バスはともかく乗客が溢れて狭いんじゃなかろか…と思ってました。
やっぱりそうでしたか…(>_<)
テレビのニュースでも、おじいさんが「もっとベンチがあるといいねえ…」と仰ってましたし…。
個人的には、西口のほうが乗り換えしやすかったのと、山は山で集まった感じで、好きだったんですけどね…。
こんばんは、コメントどうもありがとうございます!
線路の真上の高速バスターミナル、「そろそろ出来上がって来たなぁ〜」と思っていたら、ここ2〜3日急に「バスタ新宿という名称に決まり、4/4にオープン」という報道が増えましたので、「じゃぁまずは帰宅するついでに寄ってみよう」と思いました。こんな感じで突然決めた私に比べれば、先月末に偵察されたというのは遥かに気合いが入っておられます 。
建物は、一応新宿駅南口から甲州街道を挟んで見上げると、横方向にドーンと立ちはだかっているようで壮観だと思いますが、あの建物の中でバスが下から上がってきて、ロータリーの中で他のバスにぶつからないようにしながらグルグル回るようになっていますので、そのスペースだけでも結構場所を取るんですよね……。すると、人間は自ずと、建物の四隅の狭い空間をウロウロせざるを得ません。
とくに、各乗り場の前にもベンチやシートがあると良いなぁ〜と思うのですが、そんなものを作ったら人が行き来するスペースがさらに狭まってしまっていっそうカオス……と思われます。ご老人のぼやきは、まったくごもっとも……。
この点、バスタの良い点ばかりを連呼していた、某国営放送の夜7時のニュースは、なんだかな〜と思ってしまいました。
ま、とにかく慣れれば、そして人が少ない時間帯であれば、便利なのだとは思います。
一応、ヨドバシ横の西口バスターミナルは、今後もしばらく増便分=2号車以後の発車場所として用いられるようですが、このバスタの混雑からして、ひょっとすると半永久的に残るのかも知れません 。
西口は、はっきりと「山行きます」オーラを出して大荷物を持っていても誰も文句を言わない雰囲気が良かったですね。でもバスタの場合、一応中央高速はC乗り場 (緑) になるべく集められているものの、他の高速に向かうバスも集結し、異なる雰囲気の客が入り乱れていますので……。そのカオスぶりがバスタ新宿らしさになって行くのかも知れませんが
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