![]() |
![]() |
![]() |
しかし、写真ヲタを長年やっている者にとって、写真はカメラのボディと腕で撮るものであるだけでなく、何と言ってもレンズこそ超重要であることは論を俟たないでしょう。ところが、レンズは写真の命とすら呼びうる反面、しばしば買い換えやモデルチェンジによる「別れ」を伴うという点で、ある意味片思いの愛に近いものがあるのかも知れません。とりわけデジカメの高画素化に伴うレンズの進化は加速度的で、たとえかつて「銘玉」と絶賛されたレンズであっても、完全に昔の存在となってしまったものが少なくありません。ボディの革新に伴って従来のレンズシステムそのものがメーカーによって放棄されてしまう場合、極端な話、一時的に魂を引き裂かれるかのような思いが……(大袈裟な!と思われる方もいらっしゃるでしょうが、ヲタという人種はそんなものです)。
そんな過去の悲しいレンズシステムの代表格が、キヤノンFD/NewFDレンズ! 繊細で柔らかく、鮮やかで適度なコントラスト……。超ギンギンにキレッキレなニコンのレンズと好対照をなし、それがニコ爺vsキヤノ坊の不毛な争いを伝説の域まで高めてきたと言えます。私自身NewFDレンズには、フィルム時代、山に登るときも含めて、どれだけお世話になったことでしょうか。90年代後半からは私も便利さの誘惑に負けて現行のEOS/EFレンズを導入しましたが、たまに気分でFDレンズをザックに入れ、テン場で三脚を立てて面倒なマニュアル撮影を喜々として楽しんだものです。とくに、NewFD80-200mm F4Lと山岳写真との相性の良さは異常レベル……(嗚呼懐かしい!)。
とはいえ、私もフィルムから完全にデジタルに乗り換えてしまって以来、FDレンズは長らく防湿箱で眠るままとなってしまいました。FDレンズをEFマウントに接続するには、補正レンズ付きのアダプタを用いなければならなかったことから、「そんな混ざりものを挟むのはイヤだ」ということでFDレンズをお蔵入りにしてしまった方はさぞかし多いことでしょう。(まぁ、過去に余りこだわらずにキヤノンの最新テクノロジーを信仰し続けるのがキヤノ坊というものでもありますが ^^;)
それだけに、EOS-MとEF-Mマウントの登場によって、レンズ無しアダプタを介してFDレンズをデジタルに使えるようになったのは、FDファンにとって大いなる福音であると言えましょう♪
ただ個人的には、アダプタの発売当初は在庫払底が続いたため、ついつい買いそびれ……(滝汗)。先日ようやく「そういえば」ということでアダプタを入手し、使い勝手および「FDレンズで撮るデジタル」の何たるかを体感してみました。ただ、使い勝手は正直「うーーーん」です (^^;)。背面モニタでピントを合わせたい部分を拡大し、ピントリングや絞り込みリングを操作し、めでたく撮影に至るわけですが、時間がかかりすぎるため、山歩き中にサクッと撮影するにはちょいと厳しい……。また、f8とかf11まで絞って撮影する場合、絞り込みリングの操作によってモニタ画面が真っ暗になり (笑)、ほぼノーファインダーに近い形での撮影となりますので、これも厳しい……。さらに、手ぶれ補正レンズにも頼りすぎてしまっている中、小さなボディとデカいレンズのバランスが悪く、どう考えてもブレている感覚が (汗)。ISO感度を上げてシャッター速度を確保すれば何とかなるのですが……。
総じて、EOS-MにFDレンズを装着しての撮影は、三脚に据えるのがベストでしょうか。作例のようなスナップ撮影ではリスクが大きすぎ、いわんや山でのお気楽記録撮影をや……(滝汗)。
いっぽう、レンズそのものの繊細な解像度について、デジタルの時代においても十分通用することが分かったのは痛快です。今回使ってみたNewFD35mm F2の面目躍如ということかも知れませんが……。ただ、コントラストはやはりEF-Mレンズの方が上でしょうか (小さいレンズなのによくやる!)。
というわけで、今回のアダプタ購入は、FDレンズを再び実践的に使うためというよりも、いつでもFDレンズを使えるという安心感 (?) を得るため、ということになったのでした (汗)。カメヲタでなければ全然わけわからん長文で大変失礼致しました〜m(_ _)m
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する