「バレンタインデーまであと4日しかないよ。チョコまだ作ってないよ。どうしよう。」
「ていうか、どうやって渡す?」
「………………」
バレンタインデーといえば、中学2年の2月14日(もしかして日曜日でその前の日だったかもしれない)までの、先生方との壮絶な??バトルを思い出す。
生活指導主任の先生から、事前に保護者に向けてはもちろん、生徒達に向けても、「チョコを持ってくることは禁止」命令が発動される。
バレンタインデーの数日前から朝と昼、抜き打ちのロッカー点検が始まる。カバンの中、補助カバンの中は全部開けられ、小袋の中まで徹底的に調べられる。もちろん教室以外の、トイレ、体育館、更衣室なども調べられる。
しかし、なぜか忘れられる場所があった。
それは生徒会室

当時私は生徒会長をしていた。
週に一度、各学年、各クラスの学級委員が集まる会議があり、私も出席していた。
3年生がまだ会議に出席していた頃だから、11月くらいだったかもしれない。
散会後、先輩から、
「来年の3月で卒業しちゃうから、バレンタインデーにはチョコ渡したいなあ。」
と言われた。
「なんとかしたいですね。」
と私は答えた。
1月になると「チョコ禁止命令」発動。
なんとかせねばと考えていてやっとひらめく。
生徒会室、灯台下暗し??か。
まだ登校していた、3年生の女子学級委員の皆様をお呼びして相談。
「えっいいの!!」
各学級委員の皆様。
「見つかったらアタシが全責任をとるから、生徒会室に隠しましょう!!」
全員一致の合意。
直ちに、定例の学級委員の会議終了後、各学年各クラスの女子学級委員を残し、伝達。
全員了解し、各クラスの女子に周知徹底。
そして2月14日、各学級委員の皆様は、集めたチョコを生徒会室に持参。
みんなで放課後までなんとか隠し通した。
この秘かな作戦は私が卒業した後もしばらくは続いていたようだ。
1年生から3年生までの女子の結束力。
あれは見事だったと思う。
そんなことを思い出し、今日も仕事を始める。
追記
各クラスの女子学級委員はクラスの男子全員にあげるチョコレートを準備していた。さすが気配りができる人達だなあと思った。