私はいた高校には山岳部がありました。
ワンダーフォーゲル部でもハイキングクラブでもありません。
顧問の先生は3名でした。
一人が合宿中、付き合っている彼女に徳澤園から涸沢小屋からせっせとラブレターを出していました。
一人はその後、出身大学の山岳部がヒマラヤ遠征するので、東京都と直談判して長期休暇を取って遠征に参加しました。
一人は私が1年の冬に単独で奥秩父全山を縦走するとき、反対する親を説得してくれました。
今思えば皆凄い先生達でした。
特に冬の単独行に反対する親を説得してくれた先生は、その後しっかり校長まで勤め上げました。
そんな顧問の先生たちはリスクの高い山行に出張手当だけで引率してくれました。
今も忘年会、新年会、渓流釣り大会、たまに雪山に付き合っていただけます。
そんな素晴らしい顧問の先生たちも、それこそ私が遭難したら状況は一変したでしょう。
それぞれの先生は情熱的で一所懸命です。
しかしそこに比例して経験が付帯するわけではありません。
業務上過失致死傷に問われ裁判になり、刑事以外にも民事も発生するかもしれません。
もう誰も山岳部の顧問なんて引き受けなくなるかもしれません。
それでも今回の遭難はしっかり検証しなくてはなりません。
それが山をやるものの使命です。
生きている我々に彼らが残した宿題ではないでしょうか。
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