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自分が18きっぷのシーズンに投稿したヤマレコの山行記録で、決まって登場した書き出しの定型文です。その18きっぷの利用方法が、我々が慣れ親しんできたものとは大きく変わってしまったことは、各種の報道で皆様よくご存じのことかと思います。ここではその内容について詳しくは触れませんが、一部ではその仕様変更に対して声高に「改悪」と叫んで、JR各社に対して怒りを露わにしている方も少なくないようです。伝え聞くところによると、ネット上では元の仕様に戻すよう署名運動まで展開されているんだとか。
しかしながら、自分の所感としては「来るべきものが来たって感じね」とか「残念だが、やむを得まい」いったものがあるばかりで怒りよりも諦念の方が強いです。(この件に限らず)最近のJRの各種の「改革」に対しては多様な意見があることと思いますが、このような破格なきっぷが分割民営化を挟んで40年の長きにわたり、ほとんど値上りすることもなく存在し続けてきたこと自体が、ある種の奇跡のようでもありました。誰かが言っていたように「楽しい時代は、もう終わりってことさ」と納得するより仕方がないものなのかなと思います。
自分が青春18きっぷを愛用するようになって20年ほどが経ちますが、そのうち半分の約10年間、自分はこのきっぷによる山行を楽しませて貰いました。泊まりでの往復利用、あるいは行き帰りのどちらかだけの片道利用などもありましたが、やはり山行での利用は圧倒的に日帰りが多かったように思います。言うまでもなく登山というアクティビティにおいては、その実施に対する天候の影響は絶大です。約1ヶ月の期間の中、思い立った任意の日に利用できた18きっぷは、まさに登山口までの足として最適な格安きっぷだったと言えるでしょう。あるいは18きっぷがなければ訪れていなかったかもしれない山も少なくありません。そのような機会をあまた作ってくれたことに対して18きっぷには感謝の気持ちでいっぱいです。
北は郡山郊外の額取山、阿武隈の鎌倉岳(常葉)に大滝根山、東は奥久慈の男体山、西は上州の谷川岳や赤城山、南に目を向ければ奥武蔵の伊豆ヶ岳や棒ノ嶺、奥多摩の日の出山・御岳山・大岳山、中央線沿線の岩殿山や百蔵山・扇山、南に入って三ッ峠、さらに遠くは伊豆の玄岳と、18きっぷで訪れた思い出深い山の名を数え上げれば、枚挙にいとまがありません。これから18きっぷで登りに行こうと思っていた山も、本当にたくさんあります。しかし、それも難しくなりました。
では見方を変えて、今回の18きっぷの仕様変更に対してプラスの面を挙げることはできないものでしょうか? 実はひとつ思い当たることがあります。それは、これまでは18きっぷがあったからこそ、18きっぷのシーズン以外に足を伸ばしてこなかった山に、それ以外の季節に訪れてみようかなと思えるようになったことです。たとえば5月のツツジや11月の紅葉が有名な山には(当たり前ですが)そのシーズン中に18きっぷで訪れることができません。18きっぷで行けばいいやと、探訪の時期がベストシーズンから外れていた山が、実は結構あるのです。まあ、山には四季折々の楽しみがあるものですから、特定の時期以外の山行がつまらないというわけでもないのですが。
以上、思いつくままに筆を走らせたため、著しくまとまりに欠けた文章となってしまいましたが、青春18きっぷに対して自分が抱えていた、思い入れの一端くらいは吐き出すことができたでしょうか。山行のみならず、青春18きっぷが与えてくれたたくさん体験、素敵な思い出に感謝しつつ筆を置きたいと思います。
(画像は本日マイカーで訪ねた謙信平(栃木県 太平山)の紅葉。この時期(冬の18きっぷシーズン)に訪れたのははじめて)
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