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Yamareco

記録ID: 106395
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

南アルプス(聖平〜聖岳〜兎岳〜中森丸山〜大沢岳〜赤石岳〜荒川三山〜蝙蝠岳〜塩見岳〜三伏峠)

2009年08月15日(土) 〜 2009年08月23日(日)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
64.5km
登り
7,391m
下り
6,702m

コースタイム

【20090816】椹島630=640聖岳登山口641―715(休)720―725出会所小屋跡―812聖沢吊橋820―905(休)915―935造林小屋跡―1000(休)1015―1045乗越1100―1127吊橋―1138沢1148―1210滝見台1215―1248沢1308―1353聖平(⇔主稜線)(幕営)
【20090817】聖平450―455主稜線(上河内岳分岐)―518薊畑(西沢渡分岐)526―613森林限界622―631小聖岳633―717(休)727―805聖岳(807―826奥聖岳837―853)917―1010聖・兎のコル1038―1135兎岳避難小屋1145―1200兎岳1208―1310小兎岳1330―1426(休)1442―1455中盛丸山1500―1515百間洞分岐(―大沢岳三角点―1536大沢岳中央峰―大沢岳三角点1550―1605)1615―1705百間洞(幕営)
【20090818】百間洞538―643百間平653―730馬ノ背ピーク736―750大斜面下コル―817(休)830―935赤石岳1025―1044赤石小屋分岐―1102小赤石岳1109―1147ダマシ平(位久光霊神の碑)1208―1225大聖寺平1238―1315荒川小屋(幕営)
【20090819】荒川小屋530―720前岳・中岳のコル(⇔726荒川前岳731)740―750荒川中岳820―910(休)917―950悪沢岳(荒川東岳)1030―1055丸山1100―1140千枚岳1205―1220千枚小屋分岐―1240(休)1245―1325(休)1355―1355マンノ―(万斧)沢ノ頭―1436ガレの縁1455―1533(休)1539―1615吊橋1620―1625二軒小屋(幕営)
【20090820】二軒小屋615―650蝙蝠岳登山口655―738(休)745―817中部電力管理棟830―912(休)925―1008(休)1018―1100(休)1140―1228(休)1238―1317水場分岐(1325―1330水場1355―1410)1418―1430徳右衛門岳(幕営)
【20090821】徳右衛門岳500―558(休)605―645四朗作ノ頭700―735(休)740―800蝙蝠岳805―843窪地900―915無名峰(2758m)―1000(休:2845mの先)1015―1035北俣岳―1105仙塩尾根縦走路(1115―1142塩見岳東峰―1145塩見岳西峰・三角点1150―1155塩見岳東峰1200―1230)1247―1312池ノ沢小屋分岐―1325雪投沢源頭幕営地(幕営)
【20090822】(停滞)
【20090823】雪投沢源頭幕営地230―254仙塩尾根稜線257―355北俣岳分岐410―455塩見岳東峰555―塩見岳西峰600―650塩見小屋710―724塩見新道分岐(―757権右衛門山802―826)830―953本谷山1000―1047三伏峠1055―1105三伏峠小屋1145―1200塩川分岐―1225水場―1155豊口山手前のコル1200―1335鳥倉登山口
過去天気図(気象庁) 2009年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
【往路】新江古田508ж514東中野522〓546東京607〓759熱海805〓920静岡950=(横沢と井川駅とでそれぞれ10分間休憩)=1315登山相談所1420=(畑薙大吊橋で写真休憩)=1525椹島
【復路】鳥倉口登山口1425=(鹿塩・塩の里で10分休憩)=1615伊那大島1638〓1843上諏訪(⇔片倉館・入浴)2017〓2133甲府2136〓2300高尾2301〓2349中野≒自宅
*JR区間は「青春18きっぷ」利用。
コース状況/
危険箇所等
(1) 徳右衛門岳手前の水場については、二軒小屋のキャンプサイト脇の看板に案内がある。
(2) 権右衛門山へは塩見新道が巻いて山頂を通過しないので、最後はわずかではあるが、藪漕ぎして適当に登る必要がある。
椹島の広々としたキャンプ場。この日はマイテントを入れても6張しかなかった。
2009年08月15日 16:04撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/15 16:04
椹島の広々としたキャンプ場。この日はマイテントを入れても6張しかなかった。
椹島キャンプ場のすぐ近くにあるお土産物などを売るお店。しゃれていて、南アルプスっぽくない!?
2009年08月15日 17:43撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/15 17:43
椹島キャンプ場のすぐ近くにあるお土産物などを売るお店。しゃれていて、南アルプスっぽくない!?
聖平のキャンプサイト。結構賑わっていました。
2009年08月16日 15:16撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/16 15:16
聖平のキャンプサイト。結構賑わっていました。
聖岳山頂にて。ひさびさ(2008年9月7日以来)の3000m越え。
2009年08月17日 08:03撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
1
8/17 8:03
聖岳山頂にて。ひさびさ(2008年9月7日以来)の3000m越え。
兎三山(兎岳〜中森丸山〜大沢岳)方面。
2009年08月17日 11:58撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/17 11:58
兎三山(兎岳〜中森丸山〜大沢岳)方面。
盟主・赤石岳。
2009年08月17日 11:59撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
1
8/17 11:59
盟主・赤石岳。
タカネビランジ。
2009年08月17日 12:05撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/17 12:05
タカネビランジ。
小兎岳から中森丸山をバックに。
2009年08月17日 13:16撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
1
8/17 13:16
小兎岳から中森丸山をバックに。
大沢岳山頂。
2009年08月17日 15:47撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/17 15:47
大沢岳山頂。
百間洞のキャンプサイト。マイテント(ブルー)のほかには、女性単独行者(写真を撮るために連泊とのこと)の黄色いテントのみ。
2009年08月17日 18:37撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/17 18:37
百間洞のキャンプサイト。マイテント(ブルー)のほかには、女性単独行者(写真を撮るために連泊とのこと)の黄色いテントのみ。
気持ちの良い百間平。背景は聖岳。
2009年08月18日 06:45撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/18 6:45
気持ちの良い百間平。背景は聖岳。
百間平からの聖岳(左)と兎岳(右)。
2009年08月18日 07:08撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
1
8/18 7:08
百間平からの聖岳(左)と兎岳(右)。
百間平の先からあたりから振り返る兎三山(兎岳〜中森丸山〜大沢岳)。
2009年08月18日 07:31撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/18 7:31
百間平の先からあたりから振り返る兎三山(兎岳〜中森丸山〜大沢岳)。
赤石岳頂上間近。左手が山頂、右手には避難小屋。
2009年08月18日 09:23撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/18 9:23
赤石岳頂上間近。左手が山頂、右手には避難小屋。
赤石岳山頂。見づらいかもしれませんが、私と山頂標識の間には富士山。
2009年08月18日 09:39撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
2
8/18 9:39
赤石岳山頂。見づらいかもしれませんが、私と山頂標識の間には富士山。
赤石岳山頂より、小赤石岳(手前)と荒川三山(奥)。
2009年08月18日 09:40撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/18 9:40
赤石岳山頂より、小赤石岳(手前)と荒川三山(奥)。
赤石岳山頂にて、日本で一番高いところにある一等三角点を前に、聖岳をバックに。
2009年08月18日 09:42撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
1
8/18 9:42
赤石岳山頂にて、日本で一番高いところにある一等三角点を前に、聖岳をバックに。
ダマシ平付近から赤石岳をバックに。
2009年08月18日 11:49撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/18 11:49
ダマシ平付近から赤石岳をバックに。
ダマシ平付近から大聖寺平とその先にそびえる荒川三山をバックに。
2009年08月18日 12:27撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
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8/18 12:27
ダマシ平付近から大聖寺平とその先にそびえる荒川三山をバックに。
荒川小屋のテントサイトにて。
2009年08月18日 16:40撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/18 16:40
荒川小屋のテントサイトにて。
荒川小屋から荒川岳への登り途中にて。赤石岳をバックに。
2009年08月19日 06:10撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
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8/19 6:10
荒川小屋から荒川岳への登り途中にて。赤石岳をバックに。
荒川前岳から、赤石岳方面。
2009年08月19日 07:27撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/19 7:27
荒川前岳から、赤石岳方面。
荒川中岳山頂。
2009年08月19日 08:06撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/19 8:06
荒川中岳山頂。
行く手にそびえる悪沢岳(荒川東岳)。
2009年08月19日 08:41撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/19 8:41
行く手にそびえる悪沢岳(荒川東岳)。
悪沢岳(荒川東岳)山頂。
2009年08月19日 10:18撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/19 10:18
悪沢岳(荒川東岳)山頂。
雷鳥。
2009年08月19日 11:14撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/19 11:14
雷鳥。
タカネビランジ。
2009年08月19日 11:30撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/19 11:30
タカネビランジ。
千枚岳から悪沢岳を振り返る。
2009年08月19日 11:41撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/19 11:41
千枚岳から悪沢岳を振り返る。
二軒小屋のキャンプサイト。この日は一張だけ。親しくなった関西からの夫婦連れの方とここでお別れ。(最後にビールとおつまみの差し入れをいただいちゃいました。ごちそうさまでした)
2009年08月19日 18:20撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/19 18:20
二軒小屋のキャンプサイト。この日は一張だけ。親しくなった関西からの夫婦連れの方とここでお別れ。(最後にビールとおつまみの差し入れをいただいちゃいました。ごちそうさまでした)
徳右衛門岳山頂直下の林の中のキャンプサイト。
2009年08月20日 18:11撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/20 18:11
徳右衛門岳山頂直下の林の中のキャンプサイト。
蝙蝠岳山頂標識。
2009年08月21日 08:00撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/21 8:00
蝙蝠岳山頂標識。
北俣岳への登り途中から蝙蝠岳を振り返る。
2009年08月21日 10:01撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/21 10:01
北俣岳への登り途中から蝙蝠岳を振り返る。
雪投沢源頭にて不時幕営。
2009年08月22日 11:32撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/22 11:32
雪投沢源頭にて不時幕営。
仙塩尾根稜線から雪投沢源頭方面の斜面。
2009年08月22日 15:42撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/22 15:42
仙塩尾根稜線から雪投沢源頭方面の斜面。
仙塩尾根稜線から塩見岳〜北俣岳方面。
2009年08月22日 16:00撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/22 16:00
仙塩尾根稜線から塩見岳〜北俣岳方面。
仙塩尾根稜線から大井川を挟んだ対岸の白根南嶺の峰々と秋近しを思わせる空。
2009年08月22日 16:08撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/22 16:08
仙塩尾根稜線から大井川を挟んだ対岸の白根南嶺の峰々と秋近しを思わせる空。
仙塩尾根稜線からの仙丈ヶ岳方面。
2009年08月22日 16:11撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/22 16:11
仙塩尾根稜線からの仙丈ヶ岳方面。
仙塩尾根稜線からの仙丈ヶ岳〜間ノ岳方面。(風が強くてオールバックにw)
2009年08月22日 16:17撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
1
8/22 16:17
仙塩尾根稜線からの仙丈ヶ岳〜間ノ岳方面。(風が強くてオールバックにw)
雪投沢源頭にて不時幕営(連泊)。
2009年08月22日 16:35撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/22 16:35
雪投沢源頭にて不時幕営(連泊)。
塩見岳山頂から夜明け前の富士遠望。
2009年08月23日 05:05撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/23 5:05
塩見岳山頂から夜明け前の富士遠望。
塩見岳山頂
2009年08月23日 05:15撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/23 5:15
塩見岳山頂
日の出直後の塩見岳山頂。背景は仙丈ヶ岳〜間ノ岳方面。
2009年08月23日 05:17撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
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8/23 5:17
日の出直後の塩見岳山頂。背景は仙丈ヶ岳〜間ノ岳方面。
日の出直後の塩見岳山頂。背景は荒川三山方面。
2009年08月23日 05:19撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
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8/23 5:19
日の出直後の塩見岳山頂。背景は荒川三山方面。
塩見岳山頂から仙塩尾根方面。
2009年08月23日 05:25撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/23 5:25
塩見岳山頂から仙塩尾根方面。
塩見岳山頂から富士山。
2009年08月23日 05:26撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
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8/23 5:26
塩見岳山頂から富士山。
塩見小屋。
2009年08月23日 06:47撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/23 6:47
塩見小屋。
権右衛門山から振り返る塩見岳。
2009年08月23日 07:59撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/23 7:59
権右衛門山から振り返る塩見岳。
本谷山手前からの北アルプス遠望。槍穂です!
2009年08月23日 09:26撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
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8/23 9:26
本谷山手前からの北アルプス遠望。槍穂です!
本谷山から振り返る塩見岳。(入山時に比べるとザックがずいぶんと小さくなった・・・)
2009年08月23日 10:46撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
1
8/23 10:46
本谷山から振り返る塩見岳。(入山時に比べるとザックがずいぶんと小さくなった・・・)
31シーズンぶりの三伏峠にて。
2009年08月23日 11:42撮影 by  DMC-LZ2, Panasonic
8/23 11:42
31シーズンぶりの三伏峠にて。

感想

南アルプス南部主脈は、1977年8月に「塩川小屋〜三伏峠〜烏帽子岳〜小河内岳〜悪沢岳〜赤石岳〜椹島」、1978年10月に「本谷口〜西沢渡〜聖岳〜上河内岳〜茶臼岳〜易老岳〜光岳〜横窪沢小屋〜畑薙大吊橋」といずれも学生時代に歩いただけで、30年以上もご無沙汰している。標高ベスト100山の未踏がこの付近に残っているので、それら(兎三山や蝙蝠岳)を踏むことを主たる目的として、この夏休みの計画を立案した。夏休み一週間をフルに使って、8泊9日の幕営山行。もともとの案では、塩見岳から雪投沢を下って大井川を渡り、対岸の池ノ沢を登り返して白根南嶺に出てこれを南下し、伝付峠を目指すというさらに意欲的なものであった。実際には、途中で雨で停滞したために、雪投沢〜池ノ沢のクラシック横断ルートより先は諦め、塩見岳から三伏峠に抜けて下山した。

・荷物を減らすために、シュラフはやめにして、羽毛服上下とシュラフカバーで寝ることにした。それでも食料7泊分を詰め、出発のときにはザックがはち切れそうで、登山靴は袋に入れて手でぶら下げていた。なお、千枚小屋は焼失したとの情報があった。

・1日目は椹島へ入山するだけ。静岡駅から季節限定の登山用バス(乗客12名に運転手さんと車掌さん)で畑薙第一ダム手前の登山相談所に行き、ここで東海フォレストの系列山小屋宿泊者用送迎バスで椹島へ。テントを張って、夕食と入浴のセットのみ申し込む。テント場は広々としているのだが6張しかなく閑散としていた。

・2日目は聖平まで。天気は良いが、ひさびさの重い荷物でペースは上がらない。行程的には短いので、あわてずじっくりと歩く。滝見台をすぎることから聖岳が望めるようになり、気分が盛り上がる。聖平手前では、沢沿いにトリカブトなどのお花が見事に咲き誇っていて、夏山賛歌。聖平のキャンプサイトはそこそこ(13張)賑わっていて、さびしくない。テントを張り終えてから、薊畑まで散歩にでかける。夜は満天の星。

・3日目は聖岳を越え、兎三山(兎岳〜中盛丸山〜大沢岳)を縦走して百間洞まで。せっかくなので、前聖岳(3013m)だけでなく三角点のある奥聖岳(2978.3m)まで空身で足を延ばす。兎岳ではタカネビランジが咲き誇っていた(この花の名前は、その後仲良くなった関西の夫婦連れの方から教わる)。大沢岳ではちょっとガスが登ってきたが、それを除けば、この日も上々の天気。聖〜赤石の区間は穴場で人が少なく、じっくり山を楽しめる。百間洞は閑散としていて、さびしいくらい。テントは他にもう1張だけで、関西からの自称アラフォーの単独行女性。写真が趣味で連泊しているとのこと。

・4日目は赤石岳を越えて、荒川小屋まで。この日も素晴らしい天気に恵まれる。百間平付近はとても気持ちの良いところ。ここから赤石岳まで、近いようだがなかなか辿りつかない。咲き誇る高山植物になぐさめられながら頑張って、なんとか絶頂へ。さすがに南アルプス南部の盟主だけあって、北側からの登山者が多く、山頂の賑わいはなかかなのもの(団体さんもいてちょっと騒々しいくらい)。十分に展望を楽しんだりしてから、小赤石を越えダマシノ平、そして、大聖寺平へと下る。途中、携帯電話の電源を入れると、人事異動関係の業務用メールが入っていて返信しておく。まさかこんなところから連絡しているとは思わないだろうなぁ! 荒川小屋はけっこう大規模な増築工事をしているようで、ややこぶりのショベルカーなどが活躍していた。テントは全部で4張のみ。奮発して寝具を借りたらシュラフに加えて毛布も付いてきた。お陰で大変暖かくぐっすり寝れる。

・5日目の天候に恵まれる。お花畑の中をトラバース気味に出発し、しばしば赤石岳を振り返りつつ、前岳と中岳の中間点に出る。まず前岳を往復してから3000m越えの稜線を楽しみながら中岳へ。悪沢岳がでかい。一旦コルに下りてから、ルートはどこを登っているのかと思うような急斜面に上手にルートが作られていて、悪沢岳の山頂に。ここで仲良くなった関西からの夫婦連れの方と一緒に写真をとったりした。キャラメルを頂戴したので、お返しにミニトマトをさし上げたのだが、このミニトマト(生もの)をさし上げたことがとても感動して下さったとのこと(後日、メールを頂戴したりして知る)。丸山から千枚岳までもとても気分の良いコース。千枚岳からマンノー沢の頭まで下ると樹林帯となり、どんどんと高度を下げる。気温も上がったためか、最後の急坂がきつかったせいか、大井川を渡る吊橋に降り立ったときには、汗びっしょりになっていた。二軒小屋についてテントを張ってのんびりしていると、かなり時間がたってから例の関西からの夫婦連れが下りてきた。お二人は小屋泊まりなのだが、テント場まで来て缶ビールと柿ピーとを差し入れして下さった(お二人はここから山を下りて帰阪)。この晩も小屋からシュラフを借りて暖かくして寝る。

・6日目は曇天だが、樹林帯の中を歩く一日なのでちょうど良い。中部電力の管理棟を過ぎてからダケカンバやシラビソの樹林帯に入り、いかにも南アルプス南部という感じのすばらしい樹林帯をエンジョイする。徳右衛門岳の手前の水場も思いのほかしっかりした水場でありがたい(ここで下着を洗濯)。山頂直下の林の中にぽっかりと空いた1張分のスペースにテントを張る。

・7日目は雨交じりの曇天でスタート。四朗作ノ頭で森林限界を越えるが、ガスで何も見えない。ここで雨具を着る。楽しみにしていた蝙蝠岳でも全く展望なし。休憩もそこそこに塩見岳へと向かうが、西風が強く、ところどころでは身体が持って行かれそうになる。ザックにつけていたカバーのひもがちぎれて飛んで行ってしまいそうになったが、かろうじてハイマツにひっかかってくれたので回収する。北俣岳の手前までくると少しだけガスが切れて、蝙蝠岳を振り返ることができたものの、塩見岳はずっと雲の中。仙塩尾根にでたところでザックをデポし、塩見岳までピストン。ほとんど何も見えず。塩見小屋から来た登山者と写真を取りあってから引き返す。雪投沢を下るのに、増水している中を下るのはいやだなぁ、と思っていたのと、あす以降のお天気も心配なので、雪投沢源頭の樹林帯のキャンプサイトで幕営とする。この時点で、伝付峠まで行くことは諦め。なお、水はちょっと先の本流に下りたところで手に入った。

・大井川を横断して白根南嶺に上がる希望をもっていたが、8日目はさらに天候が思わしくなく、未知の沢沿いを一人で歩くのもリスクがあると判断して、停滞とする。これで白根南嶺に抜けることは断念。テント内で地図を読んだりラジオを聴いてのんびり過ごす。夕方、少し天気が回復したので、仙塩尾根稜線まで上がって写真を撮るが、風は強い。

・最終日、塩見岳で日の出を迎え、塩見小屋を越え、さらにせっかくなので権右衛門山の山頂も踏んでから、三伏峠へ。ここのキャンプサイトにはたくさんのテントがあった。鳥倉ルートで登山口へ下山。バスは乗客が5名で、これに運転手さんと車掌さんの2名。帰りに、上諏訪で途中下車し、片倉館の仙人風呂で一週間の垢を流してから帰京する。帰宅したのは、24時を回っており、これにてこの年の夏休みは完了。

ひさびさの長い幕営縦走だったが、食料のバリエーションを考えなかったために、朝食の力(餅入り)ラーメンに飽きてしまい、最後の方では、(食欲はあるのだが)喉を通らないところを無理やり飲み込んだ。

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