白峰三山(奈良田〜北岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜大門沢下降点〜奈良田)
Thomas
- GPS
- 01:54
- 距離
- 24.8km
- 登り
- 2,465m
- 下り
- 3,191m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 5:44
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 6:06
- 山行
- 6:51
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 7:49
�∨務抻柿�6:11-6:36中白根山6:36-7:12間ノ岳7:23-7:57農鳥小屋8:11-9:13農鳥岳9:45-10:07大門沢下降点10:08-11:38大門沢小屋11:38-13:12林道出合13:12-14:00奈良田駐車場
| 天候 | 23日:晴れ時々曇り 24日:曇り一時雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2011年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
・奈良田〜広河原の始発バス 6:30発 ※奈良田までの道は22時〜翌6時までゲートで通行止め |
| コース状況／ 危険箇所等 |
大門沢小屋から下の川には丸太橋や吊り橋がいくつかあり、スリルはありますが危険個所は無し。(丸太で足を滑らせ、川に落ちると危険ですが…) |
写真
拍手定刻の6:30には24人乗りバス2台が満員に
感想
前日の仕事を18時半ピッタリに終わらせて滋賀県出発は19:40。予定では約6時間半の長いアプローチである。ナビの案内で順調に目的地に向かっていたが、奈良田の少し手前で通行止めのゲートが現れる…。脇に立つ看板によると、この道は夜間の通行を規制しており通れる時間は6時から22時までの間だけとの事。そんな情報は初耳だし、始発バスに乗る人は前日から奈良田に入っていないといけないのか!?7時間近くかけてここまで来て、始発バスに乗れず計画が出だしから狂うのだけは断じて許せない!!
<<中略>>
どうにか2:30に奈良田バス停横の駐車場に着き、長距離運転に加えて精神的なダメージも大きく、その疲れからか狭い車中でもすんなりと寝られた。
翌朝は5:20起床。早めに準備を済ませ、余裕も持って15分前にはバスに乗り込む。その時点ではまばらな車内だったが定刻の6:30には24人乗りバス2台が満員となっていて北岳の人気の高さと登山人口の多さを感じた。バスは予定通り7:20広河原に到着。とりあえず人の流れについて行き、吊り橋を渡って登山道へ。ここから二俣までは沢沿いのコースを快調に進む。しかし…重いザックがボディブローのように効いてきた。初テント泊の祝杯に500mlビール2本を冷えた状態で飲むため、2リットルの水を氷にして梱包したり、あれこれ詰めてその重さは前日の計量では22kgに膨れ上がっていた(笑)。少し進んでは止まり、出だしの勢いは一気になくなってしまった。この時点で当初予定していた農鳥小屋テント泊はあきらめ、初日の目的地は北岳山荘に修正する。
北岳山頂を経由して山荘に着いたのは13:33と比較的早い時間(元気があれば農鳥小屋まで進める時間)ではあったが、その先に進む気力はなく…早く横になりたい一心でテント受付を済ませると(600円)テント設営にかかる。着替えを済ませ、夕食用と翌朝用の水を小屋で買い(1ℓあたり100円)もう何もしなくてよい状態にしてから缶詰とナッツを肴に冷えたビールを飲むのは最高の贅沢である。ただ寝不足と疲れもあって16時半過ぎには寝てしまっていた。夜中23時半に目を覚ましトイレに起きたが翌朝4時までグッスリと寝る。
北岳山荘はトイレが非常にキレイで(バイオトイレ、一回500円が目安)快適なテント泊ができ4時に起床。朝食を作って食べていると頭上で歓声が聞こえる。テントから顔を出して外を見てみると雲の間からご来光が射しており、うっすら富士山も見える。朝日で赤く染まった北岳山荘のテント場は今後も忘れることは無いだろう。
前日は重いザックで終盤バテバテの登りだったため最低限の食糧だけ残して朝食で食べ切り、テントを撤収。山荘出発は6時11分。昨日の疲れが残っているかと不安もあったが、荷物が少しは軽くなり快調に進むことができた。中白根山の手前ではブロッケン現象も現れたが、ぼんやり見える程度で写真には写らず…。また天気も曇り空のため、せっかくの3,000mの稜線も景色を楽しむことなく、気がつけば間ノ岳山頂に着いていた感じ。山頂は広々としており、いくつもの稜線が伸びているのでガスに巻かれた時には特に行き先を注意したほうがよさそうだ。今回は手製のコンパクト地図を作って持って行ったが、これが使い勝手が非常に良かった♪いつもならザックから地図を取り出すのが面倒で確認を怠りがちだが、これだと頻繁に確認ができるので安全である。
山頂をあとにして、いったん農鳥小屋まで下るが、途中で振り返った間ノ岳はとても大きく日本第4の高峰に恥じない山容であった。
農鳥小屋で15分ほど休憩した後、農鳥岳に向かって登り始める。たぶん登り切った左手のピークが西農鳥岳だったのだろうか…その後もいくつかのピークを巻きながら「まだかまだか状態」で進み、ようやく農鳥岳の道標の建つピークに着く。結局、西農鳥岳はどこだったのか分からずじまい。山頂に居た登山者の話を聞いていても同じで、西農鳥岳は分からないまま農鳥岳に着いた人がほとんどであった。
山頂をあとにすると残りは延々と下り道である。まずは広々とした気持ちいい稜線歩きで大門沢下降点まで下る。ここには下降点を印す鐘が設置してあり説明書きによると、この場所で悪天候のため下降点を見失い遭難された人の遭難碑であった。ここからは、さっきまでの広々した稜線から打って変って木々の生い茂る道をどんどん下る。やがて沢の水音が近づき、開けた大門沢の河原に出る。このあたりからザックの重さが肩に食い込んで痛みが走る。荷物を放り出してしまいたい衝動に駆られるが痛みに耐え、まったく休憩もとらずにひたすら進む。大門沢小屋を過ぎると丸太橋がいくつか掛けられており、激流の上に掛かるヌルヌルと滑る丸太を渡るのはスリリングで多少は肩の痛みもまぎれる。その先の八丁坂は九十九折れの急坂で、この道が登りでなくて本当によかったと思うような斜度である。その後、吊り橋をいくつか渡ると林道に出る。肩の激痛に耐えながらバス道を歩き、ようやく駐車場に戻る。
下山途中で残りのペットボトルを飲み干していたので喉が渇き、着替えもせずにバス停の自販機まで飲み物を買いに行くが大半が売り切れ…本当はキンキンに冷えたコーラを飲みたかったがブラックコーヒーで我慢。それでも渇いたカラダが潤うのがわかる。濡れタオルで汗を拭き(すぐ近くに温泉があったが今回も寄らず)14時半には奈良田を出発して帰路につく。滋賀県到着は21時20分…約7時間の長い道のりであった。
今回のテント泊ではザックの軽量化を嫌というほど思い知らされた。必要なものまで持って行かないのではなく、数百グラムの軽量化の積み重ねで重量を減らす工夫が大切であるし、現地調達できるものは少々お金がかかっても買うほうが(ビールなどは特に)結果的には効率のよい山行となるのが分かった。ともあれ、初テント泊は計画も行動も充実の山行となった。
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