カッコいい名前の山に行こうぜ! 畑薙in聖〜光


- GPS
- 33:14
- 距離
- 51.7km
- 登り
- 5,189m
- 下り
- 5,162m
コースタイム
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 9:16
- 山行
- 12:13
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 13:10
天候 | 1日目 曇のち雨 2日目 雨のち曇まれに晴れ 3日目 ガスガスのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
畑薙ダム行きは小型バスで定員20人程度のためチケット予約は10日前くらいじゃないと厳しい模様 |
コース状況/ 危険箇所等 |
畑薙吊り橋〜茶臼小屋の急坂 下りは特に危ない 上河内分岐〜聖平 やせ尾根のある急傾斜 |
写真
感想
カッコいい名前の山と言えば聖岳と光岳。しかも頑張れば縦走できる位置にあるとなればやるしかないよね。と言うわけで、聖〜光縦走。
ヤマレコ的には易老渡からの周回記録が多いようですが、アプローチの事情的に畑薙in畑薙outのピストン。歩ききると「人」の字型のピストンになります。
〇八先生「ぇ人という字のピストンはぁ〜」
1日目 曇り→雨
沼平ゲートからステート。30分ほど歩いてダムの吊り橋を渡ります。全長200-300mで定員15人。
つり橋を渡るとまずは一山トラバースします。送電線の鉄塔直下まで登り、斜面に沿ってトラバース(道狭い)。ヤレヤレ峠から下りながらトラバースして沢に到着。沢には全部で5箇所あるミニ吊り橋の1号機があります。水場もあるのでここで一息。
吊り橋を渡ると1000mの無慈悲なカウントが始まります。確認した限りでは1000、1300、1700、1900、2200の5つがありました。「こんなに歩いたのにまだこの高さかよ」と登山者を落胆させるための罠でしょう(嘘)。
避難小屋っぽいウソッコ小屋まではアスレチックなルートになります。沢沿いを歩きつつ、ミニ吊り橋の連続を渡り、小屋のそばではハシゴっぽい階段が連続します。道は相変わらず狭いので沢に落ちないよう気をつけながらがんがん登ります。
ウソッコの裏手の5号機吊り橋を境にエンドレス急傾斜が始まります。ウソッコまでの登りがイージーモードに思えるくらいにきつい。登り初めてやがて出てくる1300の看板で落胆しましょう。しました。
無理矢理登り続けると中の段を越えて横久保沢小屋に到着しますが、既に店じまい。
今回通った小屋は全て店じまいしており稜線沿いの3小屋は冬季小屋開放中でした。
横久保沢から更にきつくなる傾斜を登ると3-4人くらいの下山者とすれ違いつつ展望台(南側が開けており畑薙山を望める)を越え、横窪沢〜茶臼の中間の倒木ベンチと水吞場(水は出ていたがチョロチョロ)を越え、樺段を越え、茶臼小屋へと続きます。
ざっくりと書きましたが、このルート延々同じような傾斜で同じような道で風景まで同じようなので、ポイントの名称くらいしか書くことがない。坂道が辛くて記憶が飛んでたわけではありません。
ちなみに「〜段」と踊り場的な広場を意味するそうです。
茶臼小屋は絶賛改装工事中でしたが冬季小屋、トイレ、水場は使えます。工事の業者さん対応のためか小屋番さんも駐在しており、なぜか冷えたビールとジュースを売ってるようでした。
このあたりから森林限界に近づき風も強くなるので防風モードにシフトして稜線を歩きます。天気はガスガスで何も見えず。
まずは1日目のテント場の聖平を目指して北上。南東の低気圧のせいか東からの強風が続きます。ルートの多くは稜線西側を通るので風を防いでくれて助かります。
お花畑的な広場(地名が御花畑)を越え、奇岩地帯を越えると上河内岳の直下に到着。
ザックをデポしてゴッチさんをピストン。今回唯一、山頂でまともな風景が撮れました。Thank youゴッチ。
聖、赤石、荒川の山頂を見れて満足して下りるとレスキューヘリとおぼしきヘリが茶臼〜ゴッチを3周くらい周回してました。遭難でも発生したんでしょうか。
ゴッチから聖平は一気に500mの大下り。足下は岩岩しておりガレて左右は切れ落ちてるので慎重に。
斜面の岩は赤い石が多くあります。赤石岳の名前の由来でもあるチャート層のむきだしですね。などと独り感心しながら下る。
2500m前後を境に樹林帯に変わります。今回のコースは森林限界前後をうろうろするので、覚えておくと位置確認に便利。
いい加減に下り疲れた頃合いでようやく聖平小屋に到着。雨がぽつぽつ来てるので急いでテントを設営。独りぽつんとテントがある。
ご飯食べて1日目終了。事前の予報では雨は夜半で止むはずですが…
2日目 雨→曇り時々ちょっと晴れ
雨止まねー! 聖ピストンの開始を1時間遅らせて様子見。
雨が止んだ3:50スタートでまずは小聖岳へ。道は急ですが樹林帯の中をうろうろします。森林限界を超えて少し歩くと小聖到着。引き続き聖岳へ。ここから先は岩やらザレた斜面をジグザグ進みます。
途中、雷鳥を起こしてしまったようで不機嫌な声で警戒されました。雷鳥くんごめんなさい。
聖岳につくと雨が降り始めてがっかりモード。ちょうど日の出の時間に合わせたはずなんですがね。日頃の行いですかね。
風も吹いて寒いのでそそくさと下山。途中2パーティーくらいとすれ違いながらテント場へ。道中、このまま雨だったら計画どうしようかと思案。とりあえずテント片付けてから判断することに。
テント片付けたら晴れました。狙ったわけじゃないんですがね。日頃の行いですかね。
天気も回復傾向なので行動再開し、昨日下った500mを登り返します。いやぁマゾいですなぁ(快感)。
土曜日のせいか、天気が回復傾向のせいか、結構人とすれ違いながら茶臼の分岐へ到着。
多分茶臼を登った100人に5人くらいは言ったはず「茶臼に行っちゃうっす!」
と独りごちながら登る。誰にも聞かれなくて良かった。
茶臼の山頂は大きな岩のゴーロ状。金峰山を思い出します。
そんな茶臼を西に下ると仁田池なるものがあります。そばが良い平原になってますがテント禁止の看板。
更に西へ西へと稜線沿いに進みます。木道や小ピークを越えると希望峰。何だか南アフリカっぽい響きに大層な名前だなぁと思ったり。
希望峰から西側は樹林帯で170mの急傾斜を下ります。明日の登り返しが大変そう。
鞍部から西側もそれまでと同じ小ピークの連続。20-40mのアップダウンも連続すると体力が削られていきます。易老岳についた頃には中々のバテバテ感に。
山頂と言うより樹林帯の中の分岐と言ったイメージの易老岳から南下するように進みます。鞍部から先はやはり小ピーク。それから倒木多し。
この倒木感、何となく奥秩父の甲武信岳〜国師の道を思い出す。あの道も結構ヘビーでした。
南下して三吉平なる標識の先にはこの体力で登るの?って言う300mのゴーロの登りが待ってます。いやぁ、今の残りHPじゃあ1発波動拳食らったら死んじゃいますよ?
…時間も厳しいので諦めて登ります。普段なら得意なタイプの傾斜ですが、既に行動時間10時間以上経過してる状態では亀の歩みのごとく。
100mごとに休憩する作戦で登ると水の流れる音がする。「ヒャッハー水だ水だー!」をリアルで叫びました。誰にも聞かれなくて良かった。
水場で顔を洗うと気持ちがシャキンと切り替わります。凄いぞ水場。
光小屋での幕営用の水も汲むとザックの重さも増えます。重いぞザック。
水場から先はそこまで労もなく木道を通って光小屋到着。時間は残りわずかですが、ここまで着たら山頂踏まないとテント張れません。
ザックをデポして空身で山頂へ。
光岳と言えば誰がいったか百名山がっかり山頂トップレベル。どれくらいのがっかりか、おらワクワクしてきたぞ!
山頂に着くと「ほほぉ〜良いがっかりしてますねぇ」と言いたくなるがっかり感。でも許せない点が一つ。標識の石碑が豪華すぎ。墓石か!
キングオブがっかりの大菩薩にはさすがに勝てなさそうでした。あのがっかり感は半端ない。
光岳に来たら光石を見なければいけません。山の真の主役に会いに行きます。
山頂から5分ほど西へ下るとありました光石。予想以上にデカイ。ふもとから日の光で輝くのを見れるというのだからデカくて当然ですね。
〜〜〜〜〜
その石、日の光で輝きたる。
あの石の名を問うと村人曰くあれぞ光石と。日の光を抱く石ぞと。
あの山の名を問うと村人曰くあれぞ光岳と。光石を抱く山ぞと。
〜〜〜〜〜
なんて古文書が無かったり無かったり(オイ
光岳と光石を見れて満足してテント場に戻り急いでテント設営。とにかく急いでご飯食べて食後のコーヒーを飲んで2日目終了。コーヒーのおかげで寝付けず。
3日目 ガスガス→晴れ
復路も毎日アルペンを予約してるので下山時間を合わせるため3:30行動開始。日の出まで2時間、道迷いとスリップに気をつけてのゆっくり慎重な山歩き。
水場で3日目の行動飲料を補給しゴーロの下りを進みますが特に問題なし。三吉平周辺で倒木でやや方向感覚を狂わされます。こんな時は迷わずすぐにコンパス登場。進路を北に合わせて道を探せば元通り。
三吉平から少し進むと前方から歩いてくる第一登山者発見。聞けば易老岳で時間切れビバークしたものの水場を求めてやってきたとのこと。お疲れ様です。
そんな易老岳についてみるとさっきの人が言ってたテントがありました。今頃水場でのどを潤してることでしょう。
ようやく明るくなってきたので休憩しながら夜明け待ち。夜間行動は昼間以上に神経使いますが特に目が疲れます。年かな…
易老岳からは一路東へ。2日目の道の記憶では希望峰の登りがやばそうでした。そして実際やばかった。西側鞍部からの100m程度が急坂でした。
そして希望峰到着。森林限界を抜けるとハイマツの風景が飛び込んできます。
昨日は大層な名前と馬鹿にしてましたが、この一瞬の景色の変化は希望峰の名前に値します。
森林限界前後の山歩きをしつつ木道を歩いて仁田池を横目に、この山行2回目の茶臼岳に行っちゃ(略
茶臼岳への登りは程なく風が強くなり防風モードが必要に。低体温症の参考書なんかでは我慢せずにすぐに厚着対応するのが文化的対応と言うそうな。私は文明人なので我慢せず着こみます。
ガスガスの茶臼岳を後にし…ようと思ったら少しだけガスが晴れて風景を楽しむ。
そんな茶臼を後に、分岐の近くまで来たら何と!晴れました。山あるあるの下山するときに晴れの法則発動。
北岳方面から富士山まで眺められて眼福。全体的に天気が悪かった今回の山行で救われた感がありました。
茶臼小屋で下山の準備をし暑さモードに着替え。これから長い長〜い下りが始まります。登りの時は登るのに必死で気にしてませんでしたが、この下り坂、ものすっごく苦手。岩が風化して出来た、パチンコ玉状の大きさの小石が多い坂道ってよく見かけますが、畑薙〜茶臼のルートは全面的にその坂道です。しかも急傾斜。
不用意に足を下ろすとズッと滑るし、気をつけて下ろしてもズッと滑る。
ズッですめば良いのですが、ズズズッと滑って尻餅つくことも良くある。
尻餅だけなら良いのですが、この傾斜だとそのまま滑落します。
小石を避けようと大きい石に足を置いても石ごとズズッと行くことも有り対処のしようが無いというのがとても辛い。
完全に対処するにはスパイク使うしかないなと愚痴りながら一歩ずつ慎重に足を下ろします。
更に気付いたことに、ストックのゴムキャップがすり減ってストッパーの役目を果たさない。装備の選択にゴムキャの減りまでは気が回ってませんでした。
登りの時は目印以外記憶に残ってなかった道ですが、下りもやはり目印以外記憶に残りませんでした。下れども下れども傾斜も風景も変わらないと言うのがまず過ぎる。
横久保沢、ウソッコ小屋と我慢の下山を続け、一号機のミニ吊り橋を渡ると、ここから先は最後のトラバースゾーン。
何でも無いトラバースですが、膝と体力が限界、帰り時間も気になる状態でのトラバースはかなり危険。ことさら丁寧に進みます。
送電線の鉄塔下まで来れば最後の傾斜の下りをこれまた慎重に下り、畑薙吊り橋登場。長く揺れる橋を渡り、林道を抜けるとゴールの沼平ゲートに到着して山行終了。時間は結構ギリギリでした。
今回は雨がテントをしみてシュラフ用のマットが濡れてしまったり、シュラフカバー持ってきた方が良かったかなと思ったり、悪天候を想定した装備選択に不備が残りました。
体力面ではまだ不満はあるものの、10時間を超える行動が出来てgood。3泊4日でこれ位の行動時間が続けば、南アルプスもばんばん縦走できるなーと下山の休憩時に妄想しつつ、今回も無事下山できておつかれちゃんでした。
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