新穂高→奥穂高岳→西穂高岳→新穂高 日帰り縦走


- GPS
- 13:20
- 距離
- 23.7km
- 登り
- 3,056m
- 下り
- 3,053m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
木曜日18:00発表の天気予報で、翌日の奥穂高岳の予報が「晴れ」を確認し出発の準備を急いだ。
無料駐車場に22:30に到着する。今回は入口に警備員がおり、まだ数台空きがあるという事で中へ入れてもらえた。偶然にも先月止めた所が空いていたので、迷わず駐車する。後で5,6台ほど車が入ってきたが、それ以降は一切入ってこなかった。おそらく警備員が満車でゲートを閉めてくれた為だろう。おかげでライトに照らされる事無く静かに眠る事が出来た。
2時に起き前回と同じ3時に新穂高を出発する。すぐに単独先行者と会い、話をしながら歩く。彼は槍のピストンだ。林道ショートカットの道をこの時間二人で歩くのは何とも心強い。途中、自然に単独になり白出小屋に到達。暗くてまだライトの明かりが頼りだ。
ようやく重太郎橋の手間で明るくなりライトを消す。ここからは「白出岩切道」に入るので、明るくなってくれてホッとした。荷継沢の手前でようやく視界が開け白出沢の全容(白出コルまでは見えないが)が現れる。気になっていた雪渓もここからの眺めでは、たいしたことはなさそうだ。
ここからは、白出のコルまでの標高差800メートルのガレ場をひたすら登る。途中で先行者(いずれも単独男性)を追い抜き下山者二人とすれ違う。本日白出沢で出会った人、計4名、奥穂への最短コースなのに寂しいにも程がある。
雪渓は思った通りアイゼン無しで大丈夫だ。心配なら沢の北端を通れば雪渓上を歩かなくても済む。もうすぐ白出のコルという所でジャンダルムが現れた。「待ってなさい!後で行ってあげますから!」
コルに到着後すぐに山荘で水を分けてもらう。今回は軽量化の為、500mlのボトルと予備の水筒500mlをザックに入れ、ボトルの水を水場や山荘で調達する計画だ。ここまではこの計画通りだったが、奥穂西穂間でザックの予備の水が役に立ってくれた。
水を補給後すぐに山頂に向かう。梯子も渋滞に遭わずに通過することができた。山頂までは特に危険な箇所はなく周囲の山々を眺めながら、飛騨側からの心地よい風を受け、快適な登山を楽しめた。
山頂は10人位か?中には小学生の子供さんもいる。皆、祠の周りで楽しそうに写真を撮っている。ジャンダルムにも人の姿が見える。前回来たのは5年前、その時にはここが最終地点で、この人達と同じでここへ立てた満足感でいっぱいだった。
しかし今回は実質ここからがスタートだ!気合いも入りアドレナリンも出まくりだ。
奥穂高岳からジャンダルム間は、この縦走路の中でも「馬の背」「ロバの耳」といった難所がある事で知られている。確かに奥穂高岳から暫く平坦な岩場を下っていくと、いきなり両サイドが切れ落ちた急な下りが20メートル程続くヶ所がある。ここが「馬の背」なのだが「金魚の背びれ」の方が適切な表現だと思った。
槍の穂先でもそうだが、よくこういった場所をわざわざ後ろ向きになって下りている人を見かける。滑りの悪い滑り台を降りる様な感覚で手足をしっかり岩にホールドしながら徐々に下りていけばすんなりと下れる。後に通った「逆層スラブの岩場」も同じだ。雨で濡れていたりすれば別だが、乾いていればソールのグリップを効かせスルスル下りる事ができる。
「ロバの耳」も難なく、無事ジャンダルムに到着!運良くだれもおらず、最高の景色を堪能することができた。
ほどなく単独男性が登って来て写真を撮ってもらう。聞けば彼は毎年ジャンダルムに通い続け、一度ここでゆっくりとコーヒーを堪能したいと思っていたそうだ。過去雨や強風で実現せず、今日やっと念願叶うといって喜んで、コンロにお湯を沸かし始めた。ジャンダルムは色々な人達の特別な存在の山だ。
ジャンダルムからは、基本よく似た様な岩場のアップダウンの繰り返しだ。マーキングに従って歩けば迷う事は無い。ただマーキングが無い、或いは見逃した場合ルートの選択に苦労する。一般のコースなら踏み後を追っていけばまず道をそれる事は無いのだが、この区間は踏み後があるからといって、それが正規のルートであるとは限らないのだ。
この区間は「こんなとこどうやって通るの?」という所が正規のルートであったりもするのだ。逆にそのへんのコツがつかめれば、このコースはぐんと歩き易くなると感じた。
奥穂高岳から5時間、西穂高岳に無事到着した。実は家を出る前には、もしもの事が頭に浮かび躊躇した事もあった(捜索・救助費の出る山岳保険に入ったのは事実)。しかし歩いてる間は、子供の頃親の目を盗んで木登りや崖登りで遊んだ時の様なワクワクドキドキした気持ちで一杯だった。
ここから先はは一般ルートで人の数もうんと増え、断然歩き易くなる。因みに道路に例えれば
奥穂-西穂間 4駆しか通れないダート道
西穂-独標間 一般舗装路
独標-西穂山荘 高速道路
といった感じか?
ロープウェイ駅への途中、もし体力気力に余裕があれば旧ボッカ道を歩いて下りる事も考えてはいたのだが、文明の利器の誘惑にあっさりと負けてしまった(汗)。
ともあれ、今年の一大目標に掲げていたこの山行を無事成功させることができ、ほっとしている所だ。
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