紅葉の涸沢 奥又白池から5・6のコル
- GPS
- 32:00
- 距離
- 25.7km
- 登り
- 1,664m
- 下り
- 1,655m
天候 | 1日目:くもり 2日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
沢渡からタクシー |
コース状況/ 危険箇所等 |
徳沢のすぐ手前で崩落箇所を補修中。迂回ルートあり。 |
写真
感想
頂 山の会の裏剱行きメンバーに混ぜてもらったが、台風の影響もあってサブプランに。八ツ峰や阿曾原も行きたかったが、やむを得ない。でも、今回は大好物の穂高山域で、こちらも紅葉真っ盛り。当初狙っていたのと方向性は違ったが、これはこれで非常に満足な山行になった。
10月6日19時の明大前。ジャスミン先輩(以下、ジャス先輩)とKさんと集合し、ジャス先輩の車に向かう。ジャス先輩は50代のベテランで、Kさんは20代女性で両親とも山に登っていたというサラブレッド。10万で購入したというジャス先輩の三菱車はその価格だけで驚きだが、トランクを開けてさらに驚いた。デカいタイヤが4つも収まっている。…荷物入るのか、これは。後から聞いたら、集合前に買ったスタッドレスらしい。今日じゃなくても良かった気がするが、細かいことは気にしてはいけない。
メットを取りに戻って遅れるという連絡のあったIさんは山歴1年ほどだが、この日も波に乗ってきたサーファーでもある。食担のIさんは、試食して消費してしまったプデチゲのスープを買う為に韓国料理の食材を売っている店を梯子して結局1時間近く遅刻。遅れてきたIさんが、タイヤの山を目にして無表情になった瞬間が今も忘れられない。ちなみに2店とももう潰れていたらしく、普通のスーパーでスープの素を買ったらしい。
前置きが長くなったので話を一気に上高地まで進めると、沢渡の辺りまで降っていた雨も上高地に着いてからはちょうど止み、ほど良い風もあいまって気持ちよく歩を進めることができた。順調に徳澤に到着し、新村橋を越えて、登りに差し掛かる。ジャス先輩に「先に進んでて良いよ。」と言われたので、少し先行して適当なところで後続を待つことを繰り返し、まずは奥又白池へ。途中の道は紅葉していて、なかなか気持ち良いところだった。破線とは言え、ロープもあったりして特に迷うところもない。
奥又白池は、想像していた以上に広く、水も綺麗だった。水場は池の奥に進んで少し下ったところにあるし、テントを張るのに十分なスペースもあって、とても快適そうだった。張って良い悪いという話は別として。ちょっと失敗したなぁと思ったのは、ここでの休憩が長すぎたこと。1時間近くいた。まぁ、珈琲飲みたかったし、しょうがない。Iさんは岩の上に寝っ転がっていた。
奥又白池を後にして5・6のコルに向かうと、ガレ場を越えたところでルートが判然としなくなった。幸いKさんがピンクテープを発見して下ることが判明。さらに進んでいくと、その先もルートがいまひとつわかりにくいところが所々にある。まぁ、バリエーションルートなんだから当然だけど。ペンキの印が見当たらないので、自分が先行して長いガレた沢を詰めていったが、やっぱり途中から尾根に乗り換えるのが正解だったっぽい。沢のルートは登れないことはないが、足元が崩れて落石が起こることがあった。傾斜がそれほど急ではないので、長い距離は転がらないが、一帯の岩が崩れるような感じの場所もあった。
下から見た時にはそこが5・6のコルなんじゃないかという淡い期待を抱いていたが、そこを越えると、本当の5・6のコルらしいところが見えるようになり、ちょっとした危険箇所を越えたらすぐに到達することができた。おそらく明日前穂北尾根を攻めるであろうパーティーのテントがすでに2張あり、軽く挨拶をして、反対側に下り始めた。
コルからの下りは延々と続くガレ場で、岩場の下りを苦手とするIさんは苦戦していた。これが波の上だったら立場が逆転していただろう。わりと早い段階で涸沢小屋や涸沢ヒュッテのテン場が見えてきたが、後続メンバーは時間がかかりそうだったので、先に下りることにした。時間は15:30を過ぎており、我々のテントはThe North Faceのアメリカンな4テンという幕営地に窮する事態に陥っていることは、既にだいぶ前から懸念材料だった。岩場は多少浮いているところがあるものの、ルートでもないわりには安定しているところが多い印象だった。どこを通っても大体下りれるんじゃないだろうか。
テン場に到着してからは、ヒュッテ側を回って下部まで張れる場所を探したが、ちょうど良い場所はなく、登り返したところで続いて下りてきたKさんと合流した。さらに涸沢小屋の方を探すと、まずまずの場所を発見することができたので、確保して後続を待った。絶望的な状況の中で、これだけちゃんとしたスペースが確保できたのはラッキーだった。ちなみに自分のdocomoは電波が入らず。Kさんのauはばっちりアンテナが立っていたらしい。
下りてきたジャス先輩とテントを張り、その後はすぐに夕飯に。Iさんの購入してきたスープは液体タイプで水を加える必要もないものだった。先に言ってくれれば鍋キューブのピリ辛キムチ味が家にあったのに。頂風チゲは野菜にウィンナーにポークビッツにチーズに豆腐、さらに辛ラーメンという具だくさんぶりだった。辛さが足りないということで、持っていた七味を提供したが、やっぱりここは豆板醤があればもっと良かった。テキーラクイーンの異名をもつKさんは、チゲに合わせてマッコリを持ってきており、アルコールの苦手なジャス先輩を除いて3人で1本空けた。でもやっぱり自分はウィスキーの方が好きだな。
夜はみんなよく寝ているので、ジャス先輩の寝息を聞きながらテントを出、ヒュッテの方へ星を見に行く。三脚は持ってくるのをサボってしまったが、思った以上に星空が綺麗で、なんとか写真を撮ろうと試みることにした。しかし、うまくいったと思うと右前の人がライトをこっちに向けたりして苦戦が続く。人が多いところはこういうのが難しい。ただ、手すりの上に石を乗っけてカメラを固定することができたので、写真は意外と撮りやすかった。帰り際に電波が入っていることに気付き、小屋の近くの岩の上に乗って色々連絡しておいた。
翌朝はちょうど3時頃に目が覚めたので、目覚ましを先に止めて外へ。混む前にWCを済まし、テン場に戻ってきてお湯を沸かしてテルモスに入れ、珈琲もドリップして飲みながら星を見る。昨日の夜にもまして天気が良さそうだ。これから出発する為に準備をしている人や静かに星を見ている人たちのいる空間というのはなかなか良いもので、贅沢な時間を過ごすことができた。
全員が起床。1日目が予想より大幅に遅れてしまったこともあり、同じくらいの行動時間がかかる2日目のルートは変更を検討せざるを得ない状況だった。変更を決定付けたのは朝食。焼きに時間がかかって、出発しようとしていた時間を1時間近く過ぎていた。ザイテンを通って奥穂へ、吊り尾根・重太郎新道を通って岳沢、前穂高岳登山道を通って下山のルートを諦め、パノラマコースを選択。出発を急ぐ必要がなくなった。
パノラマコースは木の根を掴むようなアップダウンのある破線ルートだが、それほど厳しい箇所はない。しかも、ここのルートにフィックスしてあるのは、トラロープではなく、ほとんどがクライミング用のシングルロープやダブルロープ(しかもかなりきれいなやつ)。贅沢な。途中ジャス先輩に「ナナカマドの実って食べられるんですかね?」って言ったら、迷いなく口に入れてた。
https://kurashi-no.jp/I0013149
なんか、一応毒あるみたいですよ?Kさんも別の実を食べたらしい。アブない人たちだ。
分岐では迷いなく屏風の耳へ登る。ここは前も来たことがあるが、その時は屏風の耳のもう1つのピークを頭かと思って地図もよく見ずに下りてしまった。家に帰ってから踏み跡らしきところを辿ると屏風の頭に着くことに気付いて勿体ない思いをした。今回は、耳から頭までのルートを無事に越えて、屏風の頭を堪能することができた。最初は運良く独り占め。耳よりもさらに展望が良く、北側が特に遠くまで見渡せて素晴らしい。途中の藪漕ぎは気持ちの良いものではないが、それほど危険そうな場所もなく達することができる。
屏風の頭から下ったところで、ハイライトはおしまい。そこからの下りの紅葉も綺麗だったけど、徳澤でアイスを食べて終わってからは早く上高地に達しないとバス(タクシー)待ちが大変だろうということに意識が支配されていた。案の定、バスには「2時間はみてください。」と言われ、タクシーには「最後尾は2時間の見込みです。」と言われる始末。4人パーティーで、列の進みも見えていることもあり、タクシー待ちをすると、結果的にはちょうど1時間ほどでタクシーに乗ることができた。
後になってみれば裏剱の方も行けたんじゃないかという思いもあるが、それでもこのルートも本当に良いところで、2日間を有意義に過ごすことができた。
rockwellさん
はじめまして。
奥又白池は穂高の瞳なんて呼ばれていて、是非訪ねてみたいところです。
5.6のコルまでは憧れの範疇です
ステキな写真がいっぱいでレコ楽しませていただきました!
私は同じ週末、奥穂高からパノラマコースを下りましたが、分岐では奥又白池への入り口はどこだろう?と思いながら歩きました。
何となく入り口はわかったのですが(それほどはっきりしていない草の多めの入り口?!)、そこから先は池まで何とかわかるものなのでしょうか?
徳澤園では、いつものソフトクリームをいただきましたが、コーヒー好きなので次回はコーヒーソフトにしよっ!と思いました。
コメントありがとうございます。
穂高の瞳の異名、そういえばありましたね。他の人の記録で見たことがありました。
パノラマコースからだと中畠新道の分岐を登ると行けます。確か、大きめの岩にペンキで矢印が書いてあった気がします。下から登ってきて左側に沿って歩いているとわかりやすいんですけどね。
休憩するだけでも気持ちの良いところなので、是非訪ねてみてください。
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