雪化粧の【悪沢岳・荒川中岳・赤石岳】小屋閉め後、誰もいない静かな南ア南部の巨峰を独り占め☆


- GPS
- 19:12
- 距離
- 27.6km
- 登り
- 2,990m
- 下り
- 3,100m
コースタイム
- 山行
- 5:49
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:29
- 山行
- 10:43
- 休憩
- 2:13
- 合計
- 12:56
・GPS(ガーミン・etrex 30J )のログデータ2日分をそのまま添付しています。
・各ポイントの通過時間や移動距離については、GPSのログデータ通りで、
写真の撮影時刻と数分のズレはあるものの、当日私が実際に歩いたデータと
ほぼ相違のないものであると思います。
■本行程の標準CTと距離は以下の通り(ヤマプラより、CTは休憩無し)
・1日目(椹島ロッヂ〜千枚小屋まで)
*6時間35分 / 9.1km
・2日目(千枚小屋〜千枚岳〜悪沢岳〜荒川小屋〜赤石岳〜赤石小屋〜椹島ロッヂまで)
*14時間20分 / 17.7km
【2日間のトータル:20時間55分 / 26.8km】
*今回の行程では、バス乗車の為の小屋泊を上部の山小屋が全て終了しているので出来ず、
上部での山泊を千枚小屋でのテント1泊とし、小屋泊は下山後の椹島ロッヂとしました。
そのため、2日目の行程が距離&CTともに1日目の倍近くになっています。
天候 | ・1日目(10月21日) 天候:晴れ 風:終日無風〜微風(椹島ロッヂから千枚小屋まで) ・2日目(10月22日) 天候:晴れ 風:終日無風〜微風 (夜明け前の千枚岳〜悪沢岳間のみ5〜10m/sec程度の風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
自宅出発(10月21日、3:20) 高速:圏央道〜東名高速/海老名JCT〜御殿場JCT〜新東名/新静岡IC 下道:新静岡IC〜県道27号〜県道189号〜県道60号 〜畑薙第一ダム左岸駐車場、10月21日、7:10着 *渋滞無し、休憩20分ほど含めて自宅から約3時間50分で移動。 ■下道について ・新東名/新静岡ICから畑薙第一ダム左岸駐車場まで、距離:約74km 渋滞無し、仮眠10分ほど含めて約2時間20分で移動。 *新静岡ICからの下道詳細はこちら↓ http://www.t-forest.com/alps/access.html ■コンビニについて ・新静岡ICを出てすぐのところに1軒、その後県道27号の途中に1軒、 計2軒ありました (県道27号の”油島・玉機橋”より先にはありませんのでご注意を) ■【畑薙第一ダム左岸駐車場から椹島までの送迎バスについて】 ・ご存じの方も多いと思いますが、この区間(片道約20km)の 送迎バスを利用するには一定の条件を満たさないと乗車することが できません。それは指定の宿泊施設(営業中の山小屋)を 必ず1泊以上利用することで、バスの乗車が可能になります。 *その理由(趣旨)は以下の通り。 ”小屋に宿泊されるお客様の利便を図るために送迎バスを運行している” とのこと。従って、小屋で宿泊しない方(日帰り、テント泊のみ)は この趣旨に沿わないため、送迎バスの利用はできないとのことです。 ・送迎バスの乗車条件及び、乗車方法ついての詳細はこちら↓ http://www.t-forest.com/alps/attention.html#name-bus *テント泊のみ(指定の宿泊施設を利用しない)登山行程の方は バスを利用できません。 *上記アドレス内のPDFファイルに各山小屋(バス利用の為の 宿泊対象施設)の営業期間・宿泊料金・テン場などの 詳細情報が記載されています。 *この時期は上記に記載されている指定の山小屋はほぼ終了しています 10/22現在、営業中の山小屋は麓の椹島ロッヂと二軒小屋のみで、 今回はそのどちらかに宿泊しないとバスを利用できない状況でした。 *従って今回の行程では、山域上部の山小屋(指定の宿泊施設)は 全てクローズで宿泊利用不可の為、上部ではテントで1泊とし、 麓の椹島ロッヂで入山前に1泊するか、下山後に1泊するかで 悩みましたが下山後の1泊でバスを利用しました。 ・送迎バスの時刻表、駐車場などについての総合案内はこちら↓ http://www.t-forest.com/alps/park_ride.html ・畑薙第一ダム〜椹島間のバス時刻表(始発&最終)はこちら↓ http://www.t-forest.com/alps/bus_sawara.html *始発&最終のバス時間については、4/28の運行開始から11/4の 運行終了まで下記の通りとなります。 ・行き(始発):畑薙第一ダム7:30発⇒椹島8:30着 ・帰り(最終):椹島14:00発⇒畑薙第一ダム15:00着 *椹島発の最終バスは全運行期間で14:00がその日の最終便です。 従って最終日(下山日)の山行は実質半日程度となるのでご注意を。 *ちなみに7月中旬〜10月上旬までのTOPシーズンのバス乗降場所は 今回の畑薙第一ダム左岸駐車場ではなく、その少し手前にある 畑薙第一ダム夏季臨時駐車場での乗降となります。 (時期によりバスの運行時間と乗降場所が違うのでご注意を) ■畑薙第一ダム〜椹島間の林道(現状)について ・畑薙第一ダムから椹島までの林道(バス送迎区間)は、今月初めの 大型台風の影響で元々荒れていた路面がさらに酷くなったとのこと。 台風の直後は崩落や冠水により道が寸断されて、10日間ほど通行止 だったそうです。 ・今回(10/21)も始発便が椹島から畑薙第一ダムへ移動する際に、 途中で小崩落があったとのことで、その石の一部がバスに当たり、 さらに道路上に散乱した落石を手で退けてバスを通してきたそうで、 その影響で少し運行が遅れていました。幸い大事故には至りません でしたが、この林道は路面も荒れて損傷箇所も多く、崩落の頻度も 高い印象でしたので、今後ここを利用される方は事前にバスの 運行状況を確認された方が良いと思います。 (当日の状況は写真:5、7に載せてあります) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【道路状況、駐車場、登山ポスト】 2018/10/21-10/22 時点 1、新静岡ICから畑薙第一ダム左岸までの道路状況 10/22現在、道路の損壊等もなく普通車で問題なく通行できました。 *但し、この間は74kmと距離があり、所要時間は休憩10分程度含めて 2時間20分ほどかかりました。 また、所々クルマ1台分しか通れない道幅となる箇所があり、 工事区間もありましたので、通行には十分な時間と注意が必要です。 2、駐車場について *この時期の駐車場(7月中旬〜10月上旬以外の駐車場) ・畑薙第一ダムを渡ったところにある”畑薙第一ダム左岸駐車場”を利用 ・駐車台数:30台程度、料金は無料、夜間も利用可。 ・駐車場内にトイレ&水道無し。自販機もありません。 *駐車場に関する詳しい情報はこちら↓ http://www.t-forest.com/alps/park.html (この時期のバスの発着所もここになります) *時期により駐車場の位置が変わるのでご注意を。 夏場などのTOPシーズン(7月中旬〜10月上旬まで)は ”畑薙第一ダム夏期臨時駐車場”になります。 3、登山ポスト ・椹島ロッヂの受付棟内で記入及び提出ができます。 【山小屋、避難小屋について】 2018/10/21-10/22 時点 1、椹島ロッヂ 始点の椹島ロッヂは通常営業中。宿泊も可能です(11/4まで) 詳しい情報はこちら↓ http://www.t-forest.com/alps/lodge_sawara.html *この時期(10/9 〜 11/4)の宿泊には1名でも予約が必要。 宿泊の予約と同時に行き帰りのバスの利用時間も予約します。 *宿泊者は入浴も可能。リンスインシャンプーとボディーソープも 用意されており、身体を洗うこともできます。 2、椹島ロッヂと二軒小屋以外の上部の山小屋について ・上記2軒以外、山域上部の山小屋と避難小屋は全て営業終了。 *但し、千枚小屋だけはダイヤモンド富士を見るための特別営業が 予定されている模様(通常営業は終了の為、当日は無人でした) *冬期小屋は千枚小屋、中岳避難小屋、荒川小屋、赤石小屋で それぞれ開放されていました。 (赤石岳避難小屋は直接確認していませんが、椹島ロッヂの人の お話しでは冬期小屋として開放されているとのことでした) 【ルート状況、積雪状況等】 2018/10/21-10/22 時点 1、椹島ロッヂ〜千枚小屋まで ・踏み跡明瞭、道標、マーカー多数で特筆すべき問題はありません。 椹島ロッヂを出て林道からの登山道への取り付きが新登山口に変更 されていますが、現地の案内標識に従って進めば問題ありません。 2、千枚小屋〜千枚岳〜悪沢岳〜荒川中岳〜荒川小屋〜赤石岳 ・この区間も踏み跡明瞭、道標、マーカー多数で特筆すべき問題は ない印象ですが、この区間はとにかくアップダウンが激しく、 体力の消耗を強いられるので、その辺のことを十分考慮しながら 持続可能なペースを保って歩く必要があります。 ・特に悪沢岳から荒川中岳間の落込み&登り返し、その後の荒川小屋 への高低差約400mほどの長い下りではかなり体力を消耗しました。 *積雪は稜線上の北側区間と吹き溜まり部分についていました。 積雪量は最大で脛程度。逆に北側と吹き溜まり以外の雪は全て消えて 夏道が出ており、普通に進むことができました。 ・荒川小屋まで下ると次は赤石岳山頂まで、高低差約500m超の長い 登り返しがあります。この区間も道自体は特に問題ない印象でしたが 小赤石岳の稜線上まで延々と500m近く高度を上げることになるので 体力的には本行程で最も厳しい区間であると感じました。 *それと、赤石岳までの登り区間はその多くが北側斜面となる為、 当日は最大で膝下程度の積雪があり、夏道は辛うじて見える程度で 完全に消えていませんでした。また雪質はパウダースノーでクラスト 箇所は部分的にあったものの、全体的には良い感じの雪質でした。 (但し、この時期は天候により積雪状況は日々変化しますので、 これから行けれる方は十分ご注意下さい) 3、赤石岳〜赤石小屋〜椹島ロッヂまで ・この区間も上記と同様で踏み跡明瞭、道標、マーカー多数で 特筆すべき問題はない印象でした。一部、登山道が崩落気味の 箇所もありましたが、修復されており整備状況も良好でした。 *但し、椹島下降点から急斜面の激下りで一気に高度を下げるのですが その後、暫くは赤石小屋まで長めの横移動区間となり、この横移動の 区間に5〜6回ほど登り返しがあります。技術的に何か必要な場面は ありませんが、正直「これだけ下りてまた?何回登り返すの??」と 言いたくなるような、精神的にキツイ区間だと感じました。 |
その他周辺情報 | ・今回は椹島ロッヂで宿泊と入浴をしたので利用していませんが、 日帰り入浴は畑薙第ニダムの手前にあるこちらで出来るようです。 【南アルプス赤石温泉「白樺荘」】 https://www.visit-shizuoka.com/spots/detail.php?kanko=445 (営業期間や料金等はこのサイト内のHPに詳しく記載されています) |
写真
既に上部は小屋閉め後で、駐車場もこの手前にある夏用の臨時駐車場ではなく
畑薙第一ダムを渡った左岸の駐車場となり、バスもそこからの乗車となります
アイゼン(10本爪)&防寒着なども持参。さらに上部の小屋は全て閉まっているので
必要な水(3.5L+スポドリ500ml)もここから担ぎ上げます
実は椹島からの林道で今朝崩落があり、その石が少しバスに当たったらしく
さらに道路上の落石を手で退けてバスを通してきたとのこと…(;゜Д゜)
初の南ア南部山行、初っ端から大丈夫なのか?と不安でいっぱいに…
早速ブルが来て整備をしていました。この林道は先日の台風で冠水して
10日間通行止だったとのこと。崩落箇所はここ以外にも数ヶ所ありました
また路面もボコボコでかなり荒れており、バスの揺れがもの凄かったです
宿泊など各種の受付をする棟があり、ここで登山届の記入提出ができます
それにしても、この大広間にこれだけの施設って、他にはそうそうないと思う
まずはこの鉄橋から。以前はこの手前に登山口があったそうですが、
現在はこの鉄橋を渡ったすぐのところに真新しい吊橋ができ、そこから取り付きます
このルートは中部電力の高圧鉄塔巡視路を兼ねた登山道とのこと
あの右のピークは悪沢岳(荒川東岳)あたりになるのかな…
久々のテン泊歩荷で、しかも小屋閉め後ということで水も全部担ぎ、
さらに準雪山装備でもあるので、正直重くてかなりクタビレました。。。
既に小屋閉め後ということで、小屋脇の一等地に張らせていただきました
だ〜れもいない独り占めのテント泊♪こういうのが大好きなんです
この後すぐに食事を済ませて18時には爆睡でした〜(^^)
今日は荒川〜赤石と回って椹島下山までCT14時間半、距離18kmの長丁場
正直、テン泊装備でこの行程は少々キツイので、余裕をみて3時半出発で準備します
基本的に真っ暗で登山道以外、景色などは何も見えなかったのですが
それでも予報通りの快晴微風でキラキラ輝く満天の星空が素敵でした
まだ夜明け前なので記念に山頂標だけ撮って次へ向かいます
初のルートだし、この真っ暗な中でこういう状況は正直怖かったのですが…
ま、仕方がないのでヘッデンで照らしながら慎重に進んで行きます
2016年の夏に仙塩尾根を辿って塩見を踏んだ時はガスガスで何も見えなかった
こうして南方から一緒に見ることができてかなり嬉しい♪
左から先週、風雪の中で登った甲斐駒、真ん中が間ノ岳、右は農鳥岳ですね。
しかし南ア南部から北部北端の甲斐駒まで見えるとはちょっと驚きました
で、今回分かったことは、荒川岳からはデッカイ間ノ岳があるので
その向こう側にある愛しの北岳が見えないということ(ん〜ちょっと残念!)
少し見づらいのですが、画面手前の中央のピークが小赤石のピークでしょう
山頂の山小屋は赤石岳避難小屋。お昼にはあそこに立てるよう今から頑張らねば
甲斐駒がよりセンターに。そして仙丈は左端にハッキリ見えるように
悪沢→塩見→仙丈の一直線だったラインから中岳側に少し西へズレたことが分かる
やっとの思いで小赤石の稜線上(小赤石岳の肩)に到達
もうここまで登り返せばあとは大きなギャップはありません
・・・が、この後の稜線上でもいくつかの小アップダウンが続きました
ここまでのルートは椹島下降点から最初のうちは激下りで一気に下降しましたが
その後は横移動が長く、しかも途中で登り返しが5〜6回ある結構キツイルートでした
これで今回の山行は全て終了です。巨峰揃いの南ア南部の周回でしたが、
落差の大きい鞍部への落込みとその後に待ち受ける長く苦しい登り返し
そんな南部山域らしさをタップリ味わえた初の南部周回山行でした
ここはその名の通り登山の拠点としての施設や情報が集まる場所
ロッヂの宿泊棟など多数の建物、その他に作業施設や売店、レストハウス等々
これほどの山奥にこれだけの施設が整っていることに驚くばかりでした
正直、この時間に下山して家に帰れないのは勿体ない気もしますが
バスに乗るなら宿泊することがここのルール。それに従って今日はここに泊まります
複数人の大部屋かと思いきや、まさかの個室にビックリ!
しかもテレビ付き(BSのみ)で普通の布団や入浴用の手拭まであるし…
まさかの展開に気分も上々♪それでは食事前に早速風呂へ・・・
そして入浴後はこの豪華料理で満腹に♪もちろんウマウマでした〜
(食事も山小屋感覚でいたので予想以上の豪華さに嬉しくなっちゃった☆)
でも、今回の食事の中で何が一番美味しかったといえば、それは断トツで味噌汁
具だくさんの味噌汁の塩分が登山後の疲れた身体に染みわたる〜〜〜
で、3杯もおかわりしちゃった(一度の食事で味噌汁3杯なんて人生初だし…)
暖かい布団で良く眠れました。翌朝は朝一(6:15)の始発で帰りました
始発の”バス”かと思いきや、乗客2名だったのでこのオフロード車がバス代わり(^^)
上部稜線は既に雲で覆われていました。今回もいろいろあったけど、
ようやく念願叶ってシーズンの最後に素晴らしい山行が出来たと思います
ありがとう、南ア南部のデッカイ峰々…
あの強烈なアップダウンを楽しみにまた来年も来るからね(^−^)
感想
今回の山旅は念願だった南ア南部3000m峰の周回山行。
この山行はこれまで何度も計画するも、仕事の都合や悪天候等の
諸事情で延期を繰り返し、気がつけばシーズンも終了間際に…
「今年もまた行けずじまいで終わってしまうのか…」と思っていたのですが
10/21-22日の2日間はこの上ないくらいの大快晴予報。
ようやく巡ってきたチャンス、そしてこれが今季のラストチャンスだと思い
少々無理をして休暇を取得し念願の山域を歩いてまいりました。
自身初となる南ア南部山域。荒川三山、そして赤石岳。これまで人の話や
写真、ネットなどの情報から漠然と「デッカイ山なんだろうなぁ…」
そんなイメージを持っていたのですが、実際に歩きこの目で確かめてみると、
その山体山腹の規模、そしてスケールの大きさには想像以上に圧倒されました。
北アでもこのくらいの規模の山はあると思うのですが、
今月初めに歩いた谷川主脈から見た稜線美やダイナミックな山容にも
いえることですが、ただ単に山の規模が大きいだけではなく、
周囲の山との距離や谷の深さ、そしてその位置関係など、さらに尾根や
稜線の形状などがそのスケール感を増幅させているように感じました。
何れにしても巨峰ぞろいの山域であることは確かでした。
大きな山が好みの私としては、何とも嬉しい山域であると思いました。
それと今回は延期に次ぐ延期で小屋閉め後の時期となってしまったので、
2日間の山中で出会った登山者の数は僅か2名。
特に2日目は13時間近く歩いて誰とも会うこともなく、
荒川、赤石の巨峰を全部丸ごと独り占め。
アップダウンの激しい稜線道も、3000m超の各ピークも全て独り占めです。
そして天候は2日間とも快晴&微風。抜けるような青空の下、
南ア南部ならではの強烈なアップダウンに一人で萌えつつも、
「この大ギャップこそが南部山域らしさなんだなぁ…」と
自分の中で納得しながら、誰にも邪魔されず何にも気兼ねすることなく、
自由気ままに静かな巨峰めぐりを楽しむことができました。
余計な雑念が全くない中で、今そこにある山の魅了だけを感じて歩く。
これこそが自分の理想とする山行だと改めて感じました。
小屋閉め後の山行は静かな山歩きができて良い反面、
基本的に上部で食料などの物資の調達ができないため、
山行中に必要なものは全て下から担ぎ上げなければなりません。
また、この時期の3000m峰ともなると、寒さや雪の対策もそれなりに必要となり
準雪山装備で臨むという点でも必然的に荷物は重くなり、
山行のハードルは少々上がってしまいます。
しかし衣食住、山で必要なものは全て自分で担ぎ、
全てのことを自分で賄いながら山歩きを楽しむ。
これが自分本来の山行スタイルであり、このような山行を好む私としては
登山者が殆どいない小屋閉め後の静かな時期は、
自分が理想とする山歩きができる私にとっての適期でもあるのです。
そんな適期にこれまで何度となく延期にさせられてきた
南ア南部の巨峰めぐりを実現できて本当に嬉しかった。
待った甲斐があったというものです。
今回、初めての南部山域を絶好のコンディションの下で歩くことができ、
その峰々のスケールの大きさに感動。
そして小屋閉め後の静かな深山の雰囲気を心ゆくまで味わうことが出来ました。
ここは来年もぜひ訪れたい。そう思える魅力溢れる山域でした。
下山後はここ特有?のバス乗車ルールに従い、慣れない小屋泊です。
久々の山小屋泊、そしてある意味強制的?とも思えるこのルール。
「そもそもこの時間に下山ならまだ余裕で家に帰れるのになぁ…」と
思いつつも、1泊してバスに乗るのがここのルールなので仕方ありません。
ところがこれを実際に体験してみるとまさに快適そのもの。
下山直後にそのままお風呂に浸かりゆっくり疲れを癒す♪
しかも山中と同様で誰もいない完全な貸切風呂で足を伸ばしてリラックス〜
いゃ〜もぅサイコーに気持ちよかったなぁ〜(^^)
そしてお風呂上りには豪華な食事に舌鼓♪
普段はロカボな私ですが、もうこの際関係ありません。
いつ以来になるのか、ご飯のお代わり2杯、味噌汁に至っては3杯もお代わりと
普段の私の生活ではまず有り得ないことの連続。
素晴らしい山行後の達成感も手伝って「今日はもういいや〜♪」と
開放的な自分になっていました。
お風呂で疲れを癒し、美味しい食事で満腹のあとは、
これまたビックリの山小屋(=複数人の大部屋)と思い込んでいたところに
まさかの個室とフカフカの布団が用意されて超ラッキー&即爆睡。
(てか、ラッキーとかじゃなくて、ちゃんと調べていれば
事前に分かったことやろが〜〜〜!?)
というツッコミはさておきまして…(^-^;
こんなに恵まれた環境もいつもの私の山行ではまず有り得ない
まさに至れり尽くせりの状況でした。
(というのも、いつものパターンはクタクタになるまで歩いて、
その後、長距離運転で深夜に帰宅して翌日は出勤が当たり前でしたから。
特に北アの日帰り山行はいつもこんな感じで忙しくなってますし…)
それからすると何なんだ?この贅沢すぎるゆるダラ泊は!?(^^)
でも、こうしてみると賛否両論あるといわれるここ特有のバス乗車ルールも、
あまりの快適さに「意外と悪くないルールかも…」なんて思ったりもして!?
さらに翌日、帰路途中のSAではボリューム満点の海鮮丼に
手作りシュークリームと濃厚たまごプリンまでペロリと平らげ、
「あぁ〜平日の真っ昼間から仕事もせず、山に登っている訳でもなく、
こんなところでプラプラしちゃって…こんなんでいいのかなぁ…」と
多少の罪悪感に苛まれつつも、
「だって大地主さまのルールに素直に従った結果だし…
前日は16時半に下山してるんだから、バスに乗せてくれれば
そのまま帰って今日のこの時間には普通に仕事してたし…」
というある意味言い訳?的なことで自分を納得させて、
家に着くその瞬間までこの山行の余韻を楽しんでいました♪
そんなことで今回は実際の山登りも、その後のゆるダラ小屋泊も含めて
最初から最後まで言うことナシの超贅沢な楽しい山旅でした。
いつもは時間のないカツカツ山行が多い私ですが、
たまには…というよりも、やっぱり時間に余裕のある山行はイイもんですね。
これからもこのくらい余裕を持った山旅ができたらいいな…
現実は厳しいけれど、最後にそんなことを思った南ア南部の周回山行でした(^^)/
コメント
この記録に関連する登山ルート

lifterさまらしからぬ、贅沢放題じゃん!
半強制的に小屋泊って(笑)そんなルールありなの(*_*)
南アルプス経験が浅いのでよくわかんないんですけど
北アルプスは『広ーい』
南アルプスは『深ーい』という感じでしょうか。
山の波波が本当に素晴らしいですね!!(≧∇≦)b
そして、富士山が近い!!(*'▽'*)
今年最後に富士山を見せてくれてありがとうございます!
ちゃださん、どうもです〜
贅沢放題?でしょ!でしょ!!
ワタクシの山行にだって、たま〜にはこういうのもあるんですヨ
(まぁ、今回は地主さまのルールのお陰だけどネ
でも、こうでもしてくれなきゃ、自分ではどうしても欲張ったカツカツ山行に
なりがちなので、この半強制?ルール、これはこれで良かったんだなぁ…なんて思ってます。
南アの南部山域は自分も今回が初体験だったのですが、
ちゃださんが言うように、北アルプスは『広ーい』、南アルプスは『深ーい』
そんなイメージです。その中で南ア南部は『深ーい&デカーイ』ですね。
富士山はマジ近かったよ。南ア北部の北岳からは何度も眺めて近いなぁ…と
思ってましたが、南部からの富士はさらに近くて雄大に見えましたよ〜
ちゃださんに続き
ホント贅沢!!
贅沢三昧じゃん。
小屋泊にご馳走に・・・手ぬぐい付きのお風呂って・・・・
(ねえ、レーズンソースってマジ??写真で見るとブルーベリーに見えるんだけどレーズンなの??レーズンソースって食べたことない。美味しかった??)
そして一番の贅沢は、誰もいない稜線!!
いいね〜〜〜〜
道、変わったんですね!!
私が行った時は二回とも橋の手前だった。
プチ下の廊下みたいな道だった。体重制限のある橋とかあったからやっぱ付け替えたんですね。体重制限・・・お相撲さんならアウトな数字だったと思う。以前のリフさんなら・・・・
tekuさーん、どーもです〜〜〜(って、もしかして今日もヤマ!?)
いゃ〜ホント、椹島ロッヂでの久々の小屋泊はマジでよかったですわ〜
このルートはトップシーズンなら当然、上の小屋で2泊してゆっくり回り、下りたらそのままバスに乗って帰るんでしょうけど、この時期はそれができないので仕方なく下で泊にしたら、この快適&贅沢三昧ですよ
別料金なしで個室、手ぬぐいもあり、閑散期なので山&稜線同様に風呂まで貸切状態でのんびり浸かれたし、上の小屋が閉まっている故の椹島泊だったんですけど「災い転じて…?」的な、もうホントサイコーの小屋泊でした
そのゆるダラ泊の流れで帰りのSAまで贅沢三昧だったんですけど、
あのソース、そうです、言われてみればブルーベリーですよね
何しろ寝ぼけながらレコ書きしてる時間が多いもので…
(あ〜もぅヤダなぁ、普段から『安月給で』贅沢してないからこういうのが全然分かんないじゃないですかぁ〜しかもそれがバレバレだしぃ〜〜
ま、でもでもとにかく贅沢で美味しい大満足な一品でした
でも今回の山行で一番の贅沢は、誰もいない稜線!やっぱりこれ!!
tekuさんならこの良さを分かってくれると思ってたんですよ
その辺のことを理解してくれる人がいてホント嬉しいなぁ〜
デッカイ南ア南部、来年は聖も合わせて縦走してみたいです!
lifさん、こんにちはです
このルート…ワタクシも狙ってましたよ。今年の9月7〜10日で遂行する予定でした。
悪天候プラス「畑薙第一ダム左岸までの道がえらく恐ろしいんだ」というtekuちゃんの脅しであきらめ、阿弥陀・赤岳日帰りにしたんですから…。
くやしいわ〜〜!
でも、予想通りの絶景。
他の方のレコも散々見ましたが、これほどクリアに山容が写っているのはそうありませんよ!
いいなぁ〜〜。うっすら雪化粧しているのがなんとも美しい…
まるでワタクシのよう…うふっ
そして、最後に椹島ロッヂで温泉とビール
味噌汁がおいしいのね?ワタクシ、パンでもカレーでも味噌汁がいい人。
楽しみです
来年絶対に行きたいわ〜〜!
レコありがとさん!
cocoさん、おはよーございます〜
ここも計画して延期のルートでしたかぁ…
なんかcocoさん、ここ以外にも朝日&雪倉だったり、
ワタクシの山行ルートと被っているところが多いような気がする〜
やっぱり嗜好が合う感じでなんか嬉しいなぁ〜
でも、これらのスンバらしいルートを行けなかったのはホント残念…
(…と、いいながらも自分はバッチリ行けちゃったので、申し訳ないと思いつつもチョット優越感もあったりして〜〜〜!?
ま、でもでも来年はぜひ!実現されることをお祈りしておりますよ
あ、それと「畑薙第一ダム左岸までの道がえらく恐ろしいんだ」の件は
自分も山道70km超はあまり経験ないので警戒していったんだけど、
これは意外に問題なかったですよ。部分的に細い箇所はあったけど、
所詮はやはり”県道レベル”で、ほぼ普通に走れました。
(でもやっぱり長いですけど)
それよりも来年行く際には、畑薙第一ダム〜椹島ロッヂまでの林道(バス区間)の方がよほど心配です。あの林道は今回行きの早朝にも崩落してますし、その他損傷箇所も多数で路面もハンパなくボコボコでした。なので、いつ通行止になってもおかしくない状況だったので、実際に行くときは林道(バスの運行状況)を要確認して行かれた方が良いかと思います
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