虹の百四丈滝 別当出合から


- GPS
- 15:46
- 距離
- 30.1km
- 登り
- 3,156m
- 下り
- 3,142m
コースタイム
- 山行
- 8:49
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 9:25
- 山行
- 6:04
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 6:17
天候 | 1日目 曇りのち晴れ 午前中一時霰 2日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は随所にあります。硬い雪や凍った急斜面で滑落、緩んだ雪の急斜面で雪ごと滑り落ちる、クラック、股までゴボる、ロングコースによる疲労困憊、大汝峰から先は携帯電波不通でかつほぼ誰も来ないルートなので何かあった時にピンチになります。 先日の降雪は下部の層と完全に分離しており、凍っても結合していませんでした。数cmの表層雪崩がまだ起こりやすく、百四丈滝の滝壺への下降はそれなりのリスクがあります。 ※国立公園内は指定地以外での幕営は許可されていません。今回は雪上幕営、固形排泄物の持ち帰り(実際には出してなかったのですが)により植生を荒らしたり汚染していないという条件のもとご容赦いただきたく思います。 |
写真
感想
2日は午後から晴れるという予報だったので、虹のかかった百四丈滝を再度拝みに行ってきました。といっても加賀禅定道からではなく、先日開通した別当出合からです。別当出合から百四丈滝は15kmほどあり、また加賀禅定道も顔負けのアップダウンがあり日帰りで虹狙いはヘッデン下山&ヘトヘトになるので、百四丈滝で幕営することにします。上で泊まるか下で泊まるかは行った時の状況で決めることにします。
さて予報どおりですが別当出合では小雨が止んだところ、微妙に霧雨が降っているような天気です。そのせいか別当出合の駐車場は空いてました。
ザックの重さが実測15.5kg、スキーとブーツとシールが6.2kg、シートラなら担いで21.7kgになります。スキー履いたらアプローチシューズになって16kgってところです。これで百四丈滝を目指します。
重い荷物でも順調で、黒ボコまで2時間半です。そこからは目標とする大汝峰の北斜面までひたすら雪のあるところをシール歩行して目指します。この時点でもう人の気配を感じることはなくなりました。
どこか風の弱まるところで休憩しようと思っていたら一向に風が収まらなくて、結局大汝峰の北の巻道分岐点まで来ました。ここで初めてゆっくり休憩します。
御手水鉢のコルに下るところで雪が切れたので、諦めてシートラ装備にして少し歩くと、地獄谷の斜面に雪がつながっていました。痛恨の無駄シートラ、またシール歩行装備に戻すのに計10分のロスです。
気を取り直して、この斜面は結構急で落ちたら地獄なので、ちゃんとシール剥がして滑ります。雪は緩んでいて特に難しくありませんでしたが、雪が割れているところがあるので落ちないように気をつけます。
御手水鉢からは七倉山の山頂に向かう尾根筋をシールで登ります。七倉山と四塚山は行きに寄ることにしてますので。ここからはアップダウンはあるものの、基本は下りが中心になります。長坂以外はシールを装着したまま滑りました。誰も歩いてないようで2人分の歩きのトレースがありました。室堂から加賀禅定道に抜けるルートでしょうか。なかなかの濃厚な山行でしょうね。
清浄ヶ原の先に百四丈滝が小さく見えてくれば、百四丈滝の下降点はもうすぐです。氷ツボは結構汚れていたので下で泊まるのは止めて上で泊まることにします。滝の見える雪の斜面を削り出し、削った雪を壁にして設営します。作業中に加賀禅定道から来られた方々が滝を眺めておられました。ここに変態がいると知ってか知らずか・・・知らない方が幸せです。まずは不要な荷物を置いて、滝までスキーで滑ります。もちろんシール剥がして(笑)
雪はすっかり緩んで快適なザラメ滑降が際限なく続きます。滝が近づきと斜度が強まり、スキーの刺激で先日の積雪分数cmが表層雪崩のように流されることが目撃されました。不要な荷物は置いたと言ってもアイゼンに食料、ツェルトもザックに入れてます。それと貴重品も。DAIWA TAXI呼ぶのに必要ですし(笑)
高度を下げると虹がどんどん明瞭に出てきます。上にいれば虹は高く、下にいれば虹は低く、上すぎたり下すぎたりすると虹は出てきません。場所によっては虹が2段出てきます。これで氷ツボが3月のように純白なら・・・というのは贅沢でしょうか。
いろんな場所から滝を眺め、カメラ2台で撮影し、満喫したところで標高差300mの登り返しです。スキーで下れば10分、今回は登り返しに54分で済みました。雪は滑りやすく、シール登行でも雪をしっかり踏んで潰さないと表面だけ滑ってスキーごと流されます。最近は腕を多用して直登好きになってますので、少しは早く登り返せたと思います。別に四つ足で歩いているわけではないですよ(笑)
無事に登り返せたらテントに入って休憩します。さすがに疲れました。でもテントが強風で揺れます。仕方がないので雪の壁をさらに高く積みます。
夕焼けタイムまで時間があるので先に夕飯にします。いつもの定番、お餅を焼いてお雑煮です。夕飯も朝食も同じメニュー、夕飯は「ゆうげ」ベース、朝食は「あさげ」ベースなのが違いです。
夕焼けタイムは滝の反対側なので少し歩いて撮影します。今日も夕焼けはバッチリです。風が強いので着込むだけ着込んでます。夜になっても強風なので薄暗い中また雪を切り出して壁を高くします。これでようやく揺れは少なくなりました。
前回は薄手のシュラフとEscape Viviの組み合わせで寒かったので、今回はまたシュラフ2枚重ねとツェルトを吊るします。足元が寒かったのでカイロを一つ。これで十分暖かく、氷点下のテント内でもすやすやとよく眠れました。就寝は20時過ぎ、目が覚めたのが3時半、起床は4時です。
朝起きるとさすがに昨日の疲れは取れたような感じです。昨日あのまま下山していたら超ヘロヘロになっていたことでしょう。朝のお雑煮を食べ、テントを撤収しパッキングして出発します。幸いトイレの大のほうは出なさそうだったので体内に溜めたままにします。携帯トイレに出しても体内に溜めても運ぶ重さは同じです(笑)
遠くに見える四塚山が遠いです。そしてその前に聳える長坂。まずは長坂に着くまでも結構アップダウンがあって長いです。というか登り基調なんです。
実際に重いザックを背負って歩き出すと、やはり昨日の疲れがまだ残っているのを感じます。そして喉が渇く渇く。昨晩、水を1.5L作ってアミノバイタル飲料3本用意しましたが、あっと言う間に1本なくなりました。これは室堂で補充が必要そうです。
そういやザラメ雪を溶かして水を作ると、雪虫の幼虫がよく混ざっています。一応マメに出しておくのですが、幼虫がいるということは雪虫の卵もあるはず。いいや、鶏の卵は食べるくせに雪虫の卵を飲むことを毛嫌いしなくても。あ、でも煮沸してないなぁ(汗)
百四丈滝の下降点がだいぶ遠くに見える頃にようやく長坂の始まりです。名前の通り長いんです。油池のところを起点とすると標高差400m以上、美女坂や百四丈滝の登りよりも高いです。そして朝一は硬い斜面で、特に急斜面では緊張が走ります。実際にはヒヤッとするシーンはありませんが、「もし滑り落ちたらただでは済まない」という場面というのはあまり経験したいものではありません。
長い長い長坂を登り終えたら、御手水鉢まで四塚山も七倉山も巻いていきます。七倉山の巻きルートは残雪があるとその斜度が結構あるので、難易度の高いルートになります。アイゼン装着でも滑落する可能性があり、ロープで確保するかピッケルを2本使って行った方がいいくらいです。なのでトラバースが得意なスキーでもこの巻きルートはかなり緊張するシーンでした。
2回ほど登山道の雪が切れているのでスキーを手に持って兼用靴で歩きます。御手水鉢に来ればまた地獄谷寄りの斜面を登ります。昨年まではジグ切って登ってましたが、今回はシールで直登できました。雪はザラメが半分凍ったようなザクザクした雪でした。登り切ったら少しだけスキーを手に持って歩いて、また登山道をスキーで歩いて大汝峰の北斜面を登ります。
もはやこの斜面は緩斜面のような感じで、余裕で直登で進めます。ここも滑ると気持ちよさそうですが、そんな体力の余裕はないですね・・・。
大汝峰から中宮道分岐への斜面は後半結構斜度があります。なのでちゃんとシール剥がして滑りました。背中には15kgほどのザックでこんな急斜面滑っていたら体幹鍛えられるだろうなと体感しました(笑)
行けるところまでスキーで滑り、またシールを貼って水屋尻雪渓を目指します。ここまで来れば登山者、山スキーヤーを見かけることができます。できるだけ高いところまでシールで登れば、一応今年初めての御前峰に珍しく空身で登ります。ここもシートラで〜なんて余裕はないんです(笑)
ささっとピークで証拠写真だけ撮って、デポ地に戻ればあとはもうシールもクトーも不要。そしてスベスベザラメの水屋尻雪渓を滑ります。ザックは重いですが雪が良くてとても快適でした。これを滑るだけでも来る価値があるでしょう。いずれここも縦溝地獄になるんでしょうね。
室堂で予定通りペットボトルを一本購入し、帰りはエコーラインから滑っていきます。微妙に滑り切れないので少しだけ歩かないといけませんが、別山を見ながらの滑走はなかなかです。ただトレースで凹凸が多いので私のように短い板(149cm)ですと安定感に欠けます。
スキーって楽そうに見えますが実は滑走中は無酸素運動なので、すぐに呼吸が荒れ、足もパンパンです。休み休み滑り、中飯場が近づいたところで雪切れで万事休す。もう少しだけ滑れるのですが諦めてシートラ装備に切り替えます。
あとはぬかるみ登山道を歩き、足元ドロドロになっての下山です。別当出合の湧き水で洗ってコーラを飲もうと思ったらまだどちらもオープンしてませんでした。
帰宅途中でパーキングエリアに寄ろうとするも満車、結局行動食のパンがお昼ご飯になり、帰宅して体重を計ったら3kgも減ってました。といってもほとんど水分なのかも知れません。腰回りは確かに細くなりましたが、ぶよぶよ感は変わってませんでしたので(笑)
さて私のお休みも明日1日で終わりです。軽い装備で白山で山スキーというのも魅力的ですが、もうお腹いっぱいのような感じです。また変態らしい変態山行をするのが一番私らしいかなと考えているところです。
コメント
この記録に関連する登山ルート

momochannさん、おはようございます。
お邪魔させていただきます。
あなたの山行グラフが変態よ。
あなたの大好きなあの形、そすていい形をしているじゃない。(プププ)
それよりもだな、今回はようやく今年初の、そすて令和初の別当TRYとなったのね。
それも泊まった場所が百四丈滝とは…。
じゃ〜、お次は北面で存分に遊んでお泊りは禁断の変態の巣のゴマか大倉山小屋なんかもあなたならアリエ〜ルんじゃないの。
次回のプランにでも盛り込んでごらんなさいな。
「たった数分遅れ」。
御前峰山頂ではほんの数分遅れの差でお会いできなかったようね。
これは日ごろの私の癖のレコアップの遅さからきたものか?、はたまた日頃のあなたのせっかちなプレーからくるものか?
どちらにせよザンネンだったわ。
まぁあなたを捕まえてたらその後の強制就労はさせていたと思うけどね
感想の大汝峰の字が「大何時」になっているわよ。
ミラーさんこんばんは!
また山行グラフに食いつきましたか(笑)
でも今回のは護摩堂山2回のそれとは違って、あちこちにイボができてますよ。
そういうのもお好きですか?
ゴマ平はそろそろ行きたいところですが、どう考えてもハードすぎるんですよね。間名古の頭のあたりが厄介そうで。
むむっ!数分違いでニアミス??
私の変態臭も届きませんでしたか・・・残念!
おー何時!ご指摘ありがとうございます。修正しておきます!
いつも百四丈滝のレコ参考にしています
いつぞや冬の加賀禅定道ですれ違いしたoyakataと申します
我々が美女平に戻ってきたときにふと四塚山方面みたら赤いウェアの人がいたので縦走しているひとがいるんだぁ〜っと、、、momochannさんだったとは。。。お会いしたかったです😢
今回は同行者がいたためスキーは持ってきませんでしたがまた機会あったら滑降してみたいなと、、、ってそれまでに修行しないとなんですが😥
お疲れ様でした
okatayaさんコメントありがとうございます!
私の姿目撃されてたんですね〜っていうか滝見に来られてたとは!
もしスキーでしたら滝壺まで下るとより濃い山行になったと思います。濃すぎ?
何やらニアミスすることが多いのでまたお会いしましたらよろしくお願いします^ ^
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