強風と雲が織り成す絶景 爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜八峰キレット〜五龍岳縦走
- GPS
- 17:52
- 距離
- 23.9km
- 登り
- 2,838m
- 下り
- 2,678m
コースタイム
- 山行
- 6:13
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 6:35
- 山行
- 7:33
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 8:20
天候 | 初日 晴れ時々曇り 二日目 曇り時々晴れ 三日目 曇り時々雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
装備
MYアイテム |
hanya
重量:0.34kg
|
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感想
GWに白馬岳から見た後立山連峰の稜線を歩いてみたくて
扇沢から白馬岳まで縦走して猿倉に降りる3泊4日の計画を立てました。
台風接近で北アも大荒れになりそうでしたので、
出発日を前倒し、さらに日程も一日短縮して五龍から遠見尾根で降りる事に。
大阪から夜行列車で戻ったその日に荷造りをして夜には新宿からさわやか信州号で扇沢へ。
夜行バス〜夜行列車〜夜行バスと久しく足を伸ばして寝ていません(笑)
扇沢には定刻より少し早めに到着、
お手洗いを済ませて柏原新道の入口まで歩きます。
毎日アルペン号だと柏原新道の入口で降車できるみたいですが、
トイレ行く事を考えたら扇沢の駅で降りた方が良さそうです。
登山計画書を提出して行動開始、
まずは種池山荘を目指します。
柏原新道は噂にたがわぬ歩き易い登山道、
急な傾斜も無く危険個所も無く、少しずつ高度を上げて行きます。
途中、扇沢の駅や針ノ木岳・蓮華岳などの眺望を楽しみながら進みます。
ガレ場:落石注意の看板のところでヘルメット装着、
最後に傾斜がきつくなってくるともうすぐ森林限界、
周りに高い木が無くなって更に進むと種池山荘です。
ベンチで一休みして、ここからは稜線歩き、
いつのまにかガスが上がってきたので真っ白な中を進みます。
歩き易い道ですが、だんだんと傾斜が急になってきます。
そして雲の間から目指す爺ヶ岳が見えてきました、
雲が切れたと思ったら雲の上に出たみたい、
アルプス来たぞ〜って景色の中を登ります。
爺ヶ岳南峰は縦走路から分岐して少しだけ登ります、15mくらい?
せっかくだから当然山頂に寄ります、
今回の縦走で初めての山頂、雲に浮かぶ剱岳が格好いい。
そして次の爺ヶ岳中峰〜北峰と続く稜線が綺麗に見えます、
20分程歩いて中峰に到着、中峰は縦走路から分岐して4〜50mくらい登ります。
巻き道も有りますが、初めて来たからにはやっぱりピークは踏みたい(笑)
北峰は、特に分岐とか標識が見当たらないまま通り過ぎたようです、
他の方の記録を見ても北峰には道がない様子ですね。
少し下って冷乗越、さらにガスの中を進んでようやく冷池山荘に到着です。
ここのテン場は小屋から随分離れていると分かっていました。
気を抜かずに受付を済ませ、もうひと頑張りとテン場まで登っていきます。
テン場まで15分と標識が有りましたが、実際は10分くらいでしょうか。
テン場は全体的にやや傾斜しているので、平らな場所は殆どありません、
適当な場所を見つけて設営します。
去年の農鳥小屋で幕営した際に、
昼間のテント内が暑くて仕方なかった事から購入に至ったホーネット2P、
もちろん幕体だけ張って蚊帳状態でくつろぎます。
まあ、今日のテン場は厄介な虫があまりいなかったので外で十分にくつろげましたがw
ガスったり晴れたりを繰り返して夕方までのんびり読書なんかして過ごします、
ガスに覆われた時間が長くなってきたのでそろそろ暑さも和らいだと思いフライを張り、
お腹も空いてきたので小屋までビールを買いに出ます。
テン場に戻って夕食にしました、
いつものカットステーキとおでん、山で食べると肉はご馳走です。
小屋が遠いのでビールのお代わりは諦めて日本酒に切り替えました。
寝る前に一度用を足しに小屋まで行きましたが、途中の一か所だけ雨が降っています。
さっきビールを買いに行った時もパラパラ降っていたので不思議です。
小屋とテン場は降っていないのに。
夜中に雨が降って雨音で目が覚めましたが、
起きるころには止んでいました。
米を炊いて玉子かけご飯で朝食にしました。
撤収して鹿島槍に向かいます、
まだ真っ暗でガスで視界も効かない中、
同じタイミングで出発するパーティーが数組あったのでその間を歩いていきます。
このパーティーはテントそのまま張って山頂までの往復なのか、
荷物が小さくて軽そうなので付いていくのに精一杯です。
それでも真っ暗でガスの中を一人で歩くのは気が引けたので頑張って付いていきました。
布引山の山頂に到着した頃には明るくなってきたので、
パーティーには先に行ってもらい、一人で歩き始めました。
そろそろ日の出のはずですがガスが晴れません、
それでも登っていくと急にガスが晴れてきました。
鹿島槍の山肌に強風が吹き付け、ガスがものすごい勢いで上がっていきます。
青空が覗いたと思ったら一気にガスが晴れて金色に輝く雲海、
綺麗に晴れ渡った日とはまた違った絶景に目を奪われ、
写真を撮るのに立ち止まってばかりでなかなか進めません(笑)
晴れているうちに山頂まで登って絶景を眺めたいと思い急ぎます、
辿り着いた山頂からは剱岳と影鹿島槍が見事、五龍や唐松岳は雲の中です。
そして北峰に向かって吊尾根を下っているとガスってブロッケンが見られました。
北峰の分岐からは結構な急登で北峰のピークまで息が切れます、
どうせ分岐まで戻るんだからザックデポすればよかったと後から思いました(笑)
北峰のピークから南峰が見えたり見えなかったり、ガスが激しく流れます。
そして分岐に戻って五龍岳を目指します、明らかに登山道の様相が変わりました。
八峰キレットに向かって両手を使うところが増えてきました、ストックも完全に仕舞いました。
この辺りはあまり降らなかったのか、道は乾いていて助かります。
ガスっているのであまり高度感も無く、晴れていたら腰が引けそうなナイフリッジを進みます。
鎖場をいくつも越えて八峰キレットの核心部、
特に核心部だけ難易度が高いわけでは無いですが、
難所の雰囲気を醸し出していますねw
梯子を下りていくと直下に小屋が見えました、キレット小屋です。
緊張感を保ったまま進んできたのでここで一息入れました。
ここから先も難易度はそう変わりません、
梯子や鎖場が続く岩稜ルート、脆い手掛かりも多いので要注意です。
足場、手掛かりを慎重に見極めて進みます。
鹿島槍ヶ岳〜五龍岳の間はこんな岩稜ルートが続きます、
ひたすらアップダウンなので、足に疲れが出てきました。
ここにきて幕営装備が堪えます。
本格的にお腹が空いたので、北尾根の頭で昼食にしました。
相変わらず風が強く吹いていますが、ちょうど風をよけてラーメンを作りました。
パトロールのお兄さんが追い付いてきて少し話しました。
明日の午前中、早い時間で遠見尾根で降りるなら大丈夫だろうと。
お腹が満たされ、荷物も少し軽くなったので元気を取り戻して歩き始めます。
晴れたりガスったりを繰り返していましたが、ガスに包まれる時間が多くなってきました。
五龍岳のピークで晴れてくれたらいいんだけど。
パトロールのお兄さんにも言われていましたが、
五龍への最後の登りはキツかった。
足が疲れてペースが全然上がらない、少し進んでは立ち止まって息を整える繰り返し。
難所で荷物の重さでバランスを損なうことを警戒していたんだけど、
そうじゃなくて単純に疲労が足にきた感じです。
やっとの思いで山頂に到着、残念ながらガスは晴れませんでした。
ここまでくれば五竜山荘まではもう一息です。
風が強いのでテントは諦めていました、明日朝はさらに強まる予報ですから、
無理はしないで小屋泊まりにします。
小屋までもう少しってところで登山道の真ん中にライチョウの親子がいました。
お母さんはしばらく砂浴びをして、ヒナはそばで見ています。
疲れのピークだったので癒やされ感ハンパないです。
ヒナは一羽しかいませんでした、この先強く育ってくれたらいいな。
そしてとうとう五竜山荘に着きました、長かったー。
距離もそうですが、気の抜けない岩稜帯が続いたのも有るようです、
一月の平標以来かな、こんなに疲れたの。
部屋に荷物を置いて、早速ビールを頂きました。
疲れた体に沁み渡りますねー、お代わりしたいところですが我慢して一本でやめておきます、
まだ明るいし、素泊まり7,000円の出費も結構痛い。
夕食までは自炊室でコーヒー淹れて飲んだり、部屋で寝そべって読書したり、
こんな天気なので宿泊者も随分少ないです。
六畳ほどのスペースを三人で使えるって贅沢ですね。
夕食の時間になったので、自炊室で米を炊いてカレーライスです。
ビールを一本頂いた後は持参したワインの小さいボトルを開けました。
布団で寝るのは何日かぶりだったので熟睡でした。
翌朝は4時に起床、パスタ茹でて朝食、
明るくなってきた5時に行動開始です。
昨日より風は強まっています、まだ恐怖を感じるほどでは無いですが。
さらに強まる予報ですから、速やかに下るほうがベターでしょう。
下りとは言っても遠見尾根は上部は鎖場など続く岩場、
西遠見・大遠見・中遠見・小遠見とピークが続きます。
アップダウンを繰り返して下っていくので、割と堪えますね。
小屋を出る時は雨は降っていなかったのですが、
ガスっていたので濡れるかなと思いレインの上着だけ着ていました。
予報は晴れだったんだけど時折降る雨で結構濡れてきたので、
途中でザックカバーを装着します。
わざわざ立ち止まってザックカバーを着けると雨が止むって何の嫌がらせ?
雨が止むおまじないなんだよって前向きに考える事にしますか(笑)
標高が下がると風も弱まってきました、
ゴンドラが運行中止していると困るなと思っていましたが、
このくらいの風なら問題なさそうです。
そして小遠見から先はアルプス平の遊歩道、
ゴールは近い感じです。
道も遊歩道ってレベルに整備されていてスニーカーで十分歩ける感じです。
そしてこの辺りでガスを抜けました、雲の下に出たみたいですね。
いいペースで遊歩道を下ってとうとうゴールのゴンドラ乗り場に到着です。
懸念だった運休も無く、ゴンドラで下界に降りて行きます、
ゴンドラを降りた所で同じ五竜山荘から先に降りていた若者二人と少し会話。
ゴンドラ隣接の施設内に有る日帰り入浴でさっぱりしていくつもりだけど、
10時オープンまで何もする事が無くて途方に暮れているとの事、
電車も10時半まで無い。
そっかー、悩ましいなー。
本当はもっとゆっくり降りる予定だったから、
10時半頃にここに着いて入浴してお昼を食べて12時半の電車で帰るつもりだったんだよね。
10時オープンだとお風呂に入ったら10時半の電車には間に合わないから、
電車かお風呂かどちらを優先するかだな。
考えたけど電車を優先する事にしました、
施設内のお手洗いで下着まで全て着替えて、
多少さっぱりしたところで若者たちに声を掛けて駅に向かいます。
20分程で神城駅、列車の時刻まで1時間半有りますが、
構内の待合室にフリーWi-Fiなんか有ったのでスマホで時間つぶししました。
小屋に泊まっていた人たちが次々にやってきます、
そして列車は定刻通りに到着、信濃大町・松本と普通列車を乗り継いで小淵沢、
ここで乗り継ぎに20分程時間があったので駅構内の立ち食いそばを頂きます。
この先は台風の影響も無く、無事に帰宅となりました。
ここから備忘録
クロージング
長袖ハーフジップシャツにトレッキングパンツ
シャツとアンダーウェアと靴下は日替わり。
テントはホーネット2P、
純正フットプリント使用、テントマットは持参せず。
シュラフはポリゴンネスト2×2
スリーピングマットはZライトショート
朝方の気温は15℃くらいか、全く問題なく快適に眠れた。
初日の朝食、バス車内でおにぎり
昼食 買ってきたパン
夕食 カットステーキとおでん
二日目朝食 米一合炊いて玉子かけご飯と味噌汁
昼食 ラーメン
夕食 米一合炊いてカレーライス
三日目朝食 水戻しのパスタ一人前
昼食は下界に降りてから
上記以外にコーヒーを5杯淹れた、五竜山荘で調達した水を500nl煮沸
パワーガス110缶新品を持参して72g消費、想定内。
飲み物
初日はお茶の残り200mlとポカリ500mlのペットボトル
二日目は粉で作るポカリを500ml+500ml 計1L全部飲んだ
三日目は粉で作るポカリを500ml、200mlくらい飲んだ
ザック重量
レヴィティ60で初日の行動開始時に14kgくらい
レインウェア
三日目午前中までは降られない予報だったのでモンベルのバーサライト持参
メンテしたばかりなのでバリ水弾いた。
シューズ
ミラージュを使用、今回の山行ではミラージュの人を多く見かけた。
アルプスのテント縦走ってこの靴に一番合うシチュエーションでしょ。
三日目、帰宅時に少し膝が痛んだ
翌日からふくらはぎと肩回りに少し筋肉痛
連日お山三昧とは・・・うらやましすぎます。
見事な歩きっぷり!脱帽です。
当方はこの夏はどこにも行かずひたすら仕事してました・・・Orz
Rock08さんお仕事お疲れ様です。
伊吹山は行き掛けの駄賃で山登り気分だけ味わってきました(笑)
師匠に脱帽などと言われるほど歩けていませんよ、
二日目の終盤はヘロヘロでした。
体力不足痛感です。
ザックカバーを着けると雨が止む
これってやっぱりよくあるんですね!僕も今度からおまじないと思うようにします(笑)
それにしたって素晴らしい山行です。
3泊4日は無理でもいつかは2泊3日には挑戦したいです。でもこんなきついのは無理だなーと思ってしまいました(笑)
これだけの食料でザック14キロもすごいですし、何もかもか尊敬の対象です。
kimikimi0810さん
圧巻などと褒められると面映ゆい感じですが、そんなに凄い山をやっている訳ではないですよ。
kimikimi0810さんは緻密に計画、合理的に実行出来るタイプだと思いますから、
少し山を続けていけばこれくらいは出来ますよ。
ザック重量は色々と試行錯誤の結果ですね、
極端に軽いギアは快適性や安定性を損なう場合も有りますから、
記録を取りながら徐々にって感じです。
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