晩夏の知床連山テント泊縦走(岩尾別登山口in カムイワッカの滝out))


- GPS
- 56:00
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 2,270m
- 下り
- 2,250m
コースタイム
2日目:〜硫黄山〜第一火口キャンプ地(泊)・・・約9h
3日目:〜カムイワッカの滝・・・約5h
天候 | 1日目:曇りのち晴れ 2日目:晴れ 3日目:曇りのち小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
北海道中央バスのイーグルライナー(夜行便)を利用。所要8h。現地に翌朝到着なので時間を有効に使える。東京夜発の飛行機に乗り、翌朝現地入りも可能。 【現地】 ・バスおよび部分的にタクシーを利用。 ・カムイワッカの滝〜ウトロ間のシャトルバスはシーズン期間限定運行。チケット制なので、バス停によっては自由に乗り降りできない。 ・岩尾別登山口(木下小屋)までのバスは休止中。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【道の状況】 岩尾別登山口〜羅臼岳はよく整備されている。羅臼平以降の縦走路は、木の根やガレ場も多く歩きづらい部分がある。ハイマツのトンネルも多く、上にも下にも気を使う。リボンやペンキマークがこまめにあるので道迷いの心配は少ないが、硫黄岳周辺は少しわかりづらかった。知円別岳〜硫黄山の稜線はやや高度感があり緊張した。硫黄沢は滑りやすい岩盤が多く、慎重に歩いたが数回スリップした。雨の日はかなり怖いと思う。 【登山口】 登山ポストは両登山口に設置。硫黄山登山口〜カムイワッカの滝間の林道は、通行に事前申請が必要。 【温泉】 ●カムイワッカ湯の滝 記念に入ってみたが、めちゃくちゃ温く(30度程)かえって体が冷えてしまったほど。入浴している人はほとんどおらず、観光客の冷やかなまなざしにもさらされる。ph1という強酸性ですり傷に沁みた。真夏ならもうちょい気持ちよかったかも。要水着。 ●熊の湯 下山後に訪れた。羅臼側からの登山口近くにある。こちらは逆に熱々。森の中にある露天風呂で雰囲気もいい。地元の方も多い。 【観光・グルメ】 ●純の番屋 ドラマ『北の国から』で使用されたロケセットの中で番屋で食事ができる。観光向けかと思いきや味もボリュームも満足だった。店のおばちゃんのユルい接客にも和む。 ●ボンズホーム 栗じゃがいも料理で有名な喫茶店。手作りの熊鈴の音色が気に入って購入。 ●太助 ウトロにある鮮魚居酒屋。ほっけ定食1500円。夜9時まで営業。 ●セブンイレブン斜里ウトロ店 中心部ににありなにかと便利。ATMも設置。 ●観光船 海から断崖絶壁を鑑賞するクルーズ船。大型船より小型船の方が断崖の近くまで寄ってくれる。運がよければヒグマの姿が見えるそう(だが、今回はいなかった)。海上から自分が歩いた山々を見渡すのは、SEA TO SUMMIT感があって感慨深いものがあった。 |
写真
感想
【1日目】
知床自然センターで熊撃退スプレーをレンタルし、タクシーで岩尾別登山口へ移動。海抜の低いところからのスタートとなるため、かなり蒸し暑く体力を消耗する。夜行バス疲れの眠気もあり、途中で仮眠。下山中の方から、羅臼岳付近で熊目撃情報を得る。できれば三ツ峰のキャンプ地まで行きたかったが、体力や天候の具合により今日は羅臼平までとする。フードボックスに食糧とゴミを預けて山頂ピストンへ。半島の先端方面を振り返れば、両側に海が広がり地球の丸さを感じられる雄大な風景。国後島も間近に見える。岩清水付近で熊のものらしき糞を発見。天候や時間も微妙だったこともあり、ここでUターン。夜は想像していたよりも暑く、シュラフなしでも眠れた。星空が素晴らしい。
【2日目】
天気予報はハズれてばっちり快晴!もったいないので、行程を1泊から2泊に変更。docomoの電波は入るエリアがあったので、自然センターへ熊スプレーレンタル延長のTELを入れる(ウトロの街が見えるエリアは電波が入るよう。SoftBankは×。)。サシルイ岳、オッカバケ岳を越たところにある二ツ池付近で昼休憩。池越しの眺めがとても良い。知円別平良からハイマツのトンネルを登りつめていくと、急に視界が開けて硫黄山まで続く稜線が姿を現す。硫黄で真っ白になった山肌やコケシ岩と呼ばれる岩峰群など、このルートのなかで最も印象に残った風景だった。明日は天気が下り坂ということで、今日のうちに硫黄山山頂へ。山頂からは、羅臼岳から歩いてきた山々を一望できた。反対側には知床半島の最先端部まで望まれる。少しルートを戻り、第一火口キャンプ地へ。稜線からかなり下ったところにある。結局今日は一人も他の登山者に会わなかった。就寝前、テントの外で何かが歩く足音が…。ヒグマではないと思うが、外の様子がわからないのでかなり緊張した。熊スプレーを枕元にちょっとドキドキしながら就寝。
【3日目】
曇り。稜線へ登り返してから、硫黄沢をひらすら下っていく。途中から滑りやすい岩盤が多くなり、足元にかなり気を使う。(それでも数回スリップしてしまった)。やがて沢を離れてハイマツ帯へ。足元は木の根が張りだし、枝がザックに引っ掛かったりとかなり歩きづらい。ハイマツ帯を抜けると荒涼とした火山礫地をしばらく歩く。やがて穏やかな樹林帯へ入り、間もなく硫黄山登山口に到着。カムイワッカの滝まで林道を歩いてゴール。記念にカムイワッカの滝にも浸かり、シャトルバスで知床自然センターまで戻る。
●ヒグマ対策
3日間、一度も遭遇しなかった。幸運なような拍子抜けなような…。しかし、糞跡・足跡・爪痕等はあちこちで見かけたので油断は禁物。
対策としては、まず入山前に知床自然センターで熊撃退スプレーをレンタル(1000円/1日)。スプレーの使い方だけでなく、ヒグマの習性や出没スポットなどもレクチャーしてくれるのでありがたい。また、売店においてある『ヒグマとの遭遇回避と遭遇時の対応に関するマニュアル』(525円)は、役立つだけでなく読み物としてもなかなか面白いのでおススメ。
行動中は、熊鈴をつけて歩き、見通しの悪いところではホイッスルを吹くようにもした。キャンプ地では、食料品・クッカー類・ゴミはフードロッカーに管理し、テントから離れたところで食事をとった。どれほどの効果があったのかはわからないが、やるべきことはやっておいた方が万が一の時に後悔が少ないかと。
●水場
弥三吉、岩清水、第一火口の三ヶ所を利用。それ以外は枯れ気味、もしくは池水であまり飲む気になれない。エキノコックス対策でガンガン煮沸していたら、ガス欠になりそうに。。。ガス量は余裕があった方がよいです。
●トイレ
なし。携帯トイレを使用。
●キャンプ地
どのキャンプ地も小さめ。第一火口キャンプ地は広々しているが、登山道からやや離れている。
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