【残雪期】北岳
- GPS
- 14:37
- 距離
- 38.5km
- 登り
- 3,147m
- 下り
- 3,063m
コースタイム
- 山行
- 9:02
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 10:05
天候 | 曇り→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道は崩壊している所が1か所。特に問題は無し |
その他周辺情報 | 温泉は岩国館 1000円 露天が気持ちいい。 |
写真
感想
冬にバットレスに行きたいので一緒に下見に行きませんか?
と、声をかけて頂いた。 冬のバットレス。まだ、夏も行った事も無い私にとってそれはとても想像を絶する
話で厳冬期の北岳に登るのですら大変だろうと思えるのに岩壁(雪壁?)経由なんてとてもと思えた。
だが、自分に残されてる時間を想像するに
今やらやらないでいつやるの?
って感じでボーコンの頭からのバットレスを目にその思いは憧れの夢から目標へ変わった…
芦安までは下道を使い向かう。この所、高速は使っていない。国道20号も慣れた道になって来た。
夜叉神駐車場には車は1台も無かった…
四季を通じてここには来ているがこんなことは初めてだ。
荷台から自転車を降ろしそのまま仮眠。
翌朝3時30起床 4時30出発とした。 車が1台止まっていた。
ゲートを越えて薄明りの中を広河原へと向かう。
夜叉神トンネルは、ひんやりを越えて寒い位であった。いくつかのトンネルを越え登ったり下ったりで高度の変わらないけど疲れる道を
広河原へと向かった。 広河原も当然誰も居ない完全に閉ざされた世界であった。
準備もほどほどに入山。登りは嶺朋尾根である。一般道とされるが明確な取付きは無く、適当に尾根にあがる。
尾根にはペンキが塗られている木が出ているが足元はかすかな踏み跡である。リーダはそれに気付いているのか不明ではあるが、
直登を続ける。時間300m程度のペースであがる。天気は曇り。気温はそこまで高くは無いが湿度が高い。
3時間程歩き続けて2500mを越えたポイントで視界が広がる。北岳を望めるようになった。
そこでちょっと長めの休憩。概念図を元に4尾根や中央稜などを確認する。薄曇りの合間から太陽の熱を受けて
風が気持ちよさを運んでくれていつまでもここでバットレスを見ていられそうだ。 そんな話をしながら、我に返り先を進む。
ここからは雪と藪が出て来る。藪の下に踏み跡が見て取れるがたまに雪で道が埋まっている。道を外したり戻ったりを繰り返しながら
高度を稼ぐ。ボーコンの頭は標高2820m 薮も下草になり、快適な尾根道歩きが出来る。
緩やかな登り下りを繰り返しながら八本歯の手前に到着する。
北岳は過去に3,4回あるが、2回は草スベリ、残りは大樺沢であった。
懐かしい八本歯のコルに着くがここからはペースがあがらない。 寝不足とトレーニング不足とシャリバテである。足があがらない…。息が切れる。
早く休みたいという欲求が高まるが休んでも時間ばかりが過ぎていく。少しずつゆっくりと足をあげ高度を稼ぐ。
八本歯のコルのから50メートルでトラバース。さらにそこから100mで主稜線に出るとリーダに元気をもらいつつ高度を稼いで行く。
当初の予定では、11:30には着けるかなと話していたが、リミットが刻々と近づいていく。 あそこまで行けばピークだろう。
と思って居た所は違った。 慣れたもんだ。期待はしていない。さらに2つ程登らないといけない。11:30は過ぎてしまった。
何とか40分までには着きたい。体を誤魔化し、誤魔化し歩いていく。
ようやく頂標が見えた。 終わった… もう登らなくて良い。 リーダと固く握手をする。 2人ともボロボロだ。
もう降りるだけだから少しゆっくりしようと岩陰に体を預けた。
風が気持ちいい。 薄曇りの空を通して太陽の熱が気持ちがいい。 誰も居ない山が気持ちいい。
すべてが至福の時間。いつの間にか意識も遠のく…
ほどほど休憩したのち下山をする。当初計画では肩の小屋泊りであったが時間がある事と雪が微妙。天気も午後から悪くなるので
ビバークは中止して白根御池を目指す。 肩の小屋では冬期入り口を確認して草スベリへ。下降口は雪が着いていて雪庇が発達していたんだろうことが
見て取れる。自分はスパイクを装着し、ステップを切りながら慎重に高度を落としていく。
リーダは小屋での水が気になって仕方がないようで、水場を探すが残念ながらない…
小屋の池がだんだんと近づいていく。標高2230m 山頂から約950m 良く落としたなぁと自分達を褒める。また降りて来た道はなかなか急登で雪が着いていた。
無事に小屋に着いた事を喜び合う。それと同時に沢の音が耳に入る。すぐ近くに水場があるようだ。
ホッとする。 荷物を冬期小屋? いや冬期部屋において水汲みに。
まだ、15時前だが2人ともヘロヘロで思い思いの時間を過ごす(私はもちろん昼寝)
食当はリーダのミネストローネスープが体を温めてくれた。
北岳はこの日は天気が当たりの様で曇りするものの雨は降らずであった。甲府から東側は雷雲が立ち込め窓越しに稲光が遅くまで見て取れた。
北風も強く寒かった。 肩の小屋でツエルト泊を選択しないで良かったなと、半ば暑さも感じられる贅沢なしっかりとした小屋で朝まで過ごせた。
翌朝はバットレス取付きの偵察だけなので少し遅めの起床。朝食もリーダの熱々具だくさん豚汁を頂き出発する。
今日は晴れ!予報の為、晴天の空が楽しみである。
大樺沢出合に行くと出合はまだ雪に埋まっていた。荷物をデポして取付き見学。雲の切れ間に青い空が見えるが時間と共にその割合が変わっていく。
取付きに着いた頃には完全に青い空。最高の瞬間だ。
また、このままピークを目指したい。気持ちはそう言っているが足が言う事を聞かなかった…
出合まで戻り荷物を回収し下山をする。まずは雪渓歩き。切れ間まで200m 朝日を浴びながら高度を下げて行った。そこからは登山道を下る。
渡渉ポイントは橋が無い為、飛び石を利用して渡渉。無事に下山する事が出来た。
一番の核心は広河原から夜叉神までの林道である。もう残っていない足に鞭打って自転車を漕ぐ。2人だから頑張れるが一人だったら歩いているだろう…
温泉に丁度間に合うだろう時間に駐車場に戻って来た。
夜叉神駐車場には車が沢山泊まっていた。みんな鳳凰三山狙いだろう。北岳方面は終始我々しかいなかった。
岩国館で汗を流し今後の計画を話し合いながら帰路に着いた…
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