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Yamareco

記録ID: 2571032
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

『限界に挑戦!...したら本当にもう限界だった件』 新穂高から赤牛岳

2020年09月15日(火) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
51.4km
登り
3,932m
下り
3,932m

コースタイム

日帰り
山行
20:52
休憩
2:01
合計
22:53
1:20
1:23
25
1:48
1:48
66
2:54
3:00
35
3:35
3:35
43
4:18
4:28
11
双六小屋
4:39
4:39
60
5:39
5:57
26
6:23
6:23
50
7:13
7:27
20
7:47
7:47
13
8:00
8:01
23
8:24
8:24
25
8:49
8:58
117
10:55
11:02
122
13:04
13:04
26
13:30
13:59
24
14:23
14:23
53
15:16
15:16
58
16:14
16:24
76
17:40
17:40
10
双六岳巻道分岐
17:50
17:56
65
19:01
19:01
30
19:31
19:39
120
21:39
21:39
79
ヤマレコマップからGPSデータ転用。実測よりは短くなってる可能性あります。
天候 小雨からの晴
過去天気図(気象庁) 2020年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
新穂高登山者用無料駐車場
平日にも関わらず満車に近かった...
コース状況/
危険箇所等
全ルートにて特に危険個所なし。
・双六岳の中道と巻道はどちらが楽かと言うと微妙
・水晶岳から赤牛岳の間はず〜と岩ゴロゴロ。危険はないが、それほど時短できないと思われるので注意
・復路で黒部源流経由ルートにしたが、少々歩きずらかった。まぁ鷲羽岳経由よりは楽かとは思うが...
久々の北Alps・Oneday・Longhike。本日は真っ黒コーデ。日付変わるのを待って出発。あくまで日帰りにこだわる
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久々の北Alps・Oneday・Longhike。本日は真っ黒コーデ。日付変わるのを待って出発。あくまで日帰りにこだわる
もはやデフォルトとなった”闇夜の新穂高スタート” 霧雨だったけどすぐに止んで一安心
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もはやデフォルトとなった”闇夜の新穂高スタート” 霧雨だったけどすぐに止んで一安心
小池新道入口。本日の課題はペース配分。いつも後半で失速するので、スピード出し過ぎに注意!
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小池新道入口。本日の課題はペース配分。いつも後半で失速するので、スピード出し過ぎに注意!
なるほどね。来年には状況変わってると良いのだが...
なるほどね。来年には状況変わってると良いのだが...
秩父沢通過
鏡池着いたけど何も見えない。本当なら槍穂の絶景ポイント。でも満天☆空が綺麗
鏡池着いたけど何も見えない。本当なら槍穂の絶景ポイント。でも満天☆空が綺麗
弓折乗越。吐く息は白く寒い
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弓折乗越。吐く息は白く寒い
双六小屋のテント場。色とりどりのテントが綺麗
2
双六小屋のテント場。色とりどりのテントが綺麗
双六小屋で小休止。水も補充させて頂く。出発準備のハイカーさんもチラホラ
双六小屋で小休止。水も補充させて頂く。出発準備のハイカーさんもチラホラ
今回は先も長いので双六岳がパス。中道で三俣蓮華岳を目指す
今回は先も長いので双六岳がパス。中道で三俣蓮華岳を目指す
おお!槍ヶ岳を望む稜線が明るくなってきた
2
おお!槍ヶ岳を望む稜線が明るくなってきた
雲海もありますよ。良い天気に感謝しかない
2
雲海もありますよ。良い天気に感謝しかない
1個目のピーク三俣蓮華岳ロックオン!
1
1個目のピーク三俣蓮華岳ロックオン!
山頂手前でご来光。素晴らしい眺望に感動しかない
3
山頂手前でご来光。素晴らしい眺望に感動しかない
ライチョウ御一行様に遭遇
3
ライチョウ御一行様に遭遇
三俣蓮華岳登頂。2度目です
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三俣蓮華岳登頂。2度目です
次のピーク鷲羽岳と水晶岳
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次のピーク鷲羽岳と水晶岳
でかいな薬師岳
今回行くか悩んだ黒部五郎岳。来年は必ず行こう
3
今回行くか悩んだ黒部五郎岳。来年は必ず行こう
そして槍穂方面。大キレットも行こう...怖いけど
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そして槍穂方面。大キレットも行こう...怖いけど
双六岳とその向こうに笠ヶ岳
3
双六岳とその向こうに笠ヶ岳
輝く雲海。まさに天空
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輝く雲海。まさに天空
双六岳をトラバースするルートが雄大ですな
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双六岳をトラバースするルートが雄大ですな
朝日を浴びるチングルマ。北アの秋はすぐに終わる
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朝日を浴びるチングルマ。北アの秋はすぐに終わる
北ア最奥地にある三俣山荘と鷲羽岳の見るからに恐ろしい登り...
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北ア最奥地にある三俣山荘と鷲羽岳の見るからに恐ろしい登り...
う〜ん、黒部五郎岳行くかまだ悩むよねぇ。カールが見たい
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う〜ん、黒部五郎岳行くかまだ悩むよねぇ。カールが見たい
三俣山荘到着
行くぜ!鷲羽岳
鷲羽岳ロックオン!最後はなかなかごっつい登り
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鷲羽岳ロックオン!最後はなかなかごっつい登り
初めての鷲羽池
表銀座(の写真だったかな?)の向こうに雲海
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表銀座(の写真だったかな?)の向こうに雲海
鷲羽岳登頂。山頂標識撮り忘れるという失態。でも、なかなか良い写真撮れました
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鷲羽岳登頂。山頂標識撮り忘れるという失態。でも、なかなか良い写真撮れました
秘境:雲ノ平
昨年歩いた裏銀座
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昨年歩いた裏銀座
ワリモ岳とその向こうに水晶岳
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ワリモ岳とその向こうに水晶岳
ワリモ岳への登り返し
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ワリモ岳への登り返し
振り返って鷲羽岳。こちらから見ると緩やか
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振り返って鷲羽岳。こちらから見ると緩やか
ワリモ岳山頂は登頂というより通過
ワリモ岳山頂は登頂というより通過
水晶岳はまだ遠い...
2
水晶岳はまだ遠い...
祖父岳から雲の平へ至る道も楽しそうだ
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祖父岳から雲の平へ至る道も楽しそうだ
ワリモ北分岐まで下ってきた
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ワリモ北分岐まで下ってきた
ここから水晶小屋まで緩やかな登り
2
ここから水晶小屋まで緩やかな登り
しばし歩いてまた鷲羽岳を振り返る。素敵な稜線だ
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しばし歩いてまた鷲羽岳を振り返る。素敵な稜線だ
槍穂と北鎌&東鎌尾根
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槍穂と北鎌&東鎌尾根
水晶小屋到着したが、疲れもないのでそのままスルー
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水晶小屋到着したが、疲れもないのでそのままスルー
白肌の野口五郎岳と裏銀座
2
白肌の野口五郎岳と裏銀座
行くぜ!水晶岳
人も増えて梯子が出てきた
2
人も増えて梯子が出てきた
山頂直下はなかなか荒々しい感じ
2
山頂直下はなかなか荒々しい感じ
水晶岳ロックオン!
3
水晶岳ロックオン!
水晶らしきものもあります
水晶らしきものもあります
水晶岳登頂
歩いてきた縦走路が素晴らしい
2
歩いてきた縦走路が素晴らしい
雲ノ平と黒部五郎岳
2
雲ノ平と黒部五郎岳
雄大過ぎる薬師岳
2
雄大過ぎる薬師岳
立山連峰と後立山連峰
2
立山連峰と後立山連峰
近そうに見えて凄く遠い赤牛岳へレッツゴー!
2
近そうに見えて凄く遠い赤牛岳へレッツゴー!
たおやかな稜線に見えたが、実際は終始岩ゴロゴロ地帯
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たおやかな稜線に見えたが、実際は終始岩ゴロゴロ地帯
稜線は美しい.のだが、岩ゴロゴロは少々歩きずらい
2
稜線は美しい.のだが、岩ゴロゴロは少々歩きずらい
岩多すぎ問題発生中で時短は望めない
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岩多すぎ問題発生中で時短は望めない
北アだけにきついアップダウンもある
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北アだけにきついアップダウンもある
まじで遠いな...ちょっと後悔してきた
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まじで遠いな...ちょっと後悔してきた
岩岩岩岩岩岩岩岩岩...
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岩岩岩岩岩岩岩岩岩...
下って登る。それが北アルプスの稜線歩き(はい喜んで!)
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下って登る。それが北アルプスの稜線歩き(はい喜んで!)
あれはまだ手前のピーク。徐々に疲れが見え始めた
1
あれはまだ手前のピーク。徐々に疲れが見え始めた
水晶岳〜赤牛岳で10人くらいのハイカーさんに出会う。さすがこんなところまで歩いてくる方々、熟練ぽい雰囲気を醸し出しております
3
水晶岳〜赤牛岳で10人くらいのハイカーさんに出会う。さすがこんなところまで歩いてくる方々、熟練ぽい雰囲気を醸し出しております
なかなか近づかない北ア最長不倒。もう大きなアップダウンはなさそうだが...
1
なかなか近づかない北ア最長不倒。もう大きなアップダウンはなさそうだが...
緩やかな稜線の先に赤牛岳!ラストスパートだぁぁぁ
3
緩やかな稜線の先に赤牛岳!ラストスパートだぁぁぁ
しかし岩ゴロゴロは相変わらず続く
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しかし岩ゴロゴロは相変わらず続く
ついに赤牛岳ロックオン!
2
ついに赤牛岳ロックオン!
赤牛岳登頂
レッドブル持ってくるの忘れたぁ
4
赤牛岳登頂
レッドブル持ってくるの忘れたぁ
やはり薬師岳でかすぎ
2
やはり薬師岳でかすぎ
さぁ時間もないのでとっと帰りましょう。まだ行程半分という事実を受け止められない私
1
さぁ時間もないのでとっと帰りましょう。まだ行程半分という事実を受け止められない私
チングルマ群生。今日は朝から寒かったなぁ
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チングルマ群生。今日は朝から寒かったなぁ
「水晶岳までまじで遠い...」後悔し始めるヘタレ
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「水晶岳までまじで遠い...」後悔し始めるヘタレ
見た目は楽そうな稜線。その実態はそこそこ厳しい
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見た目は楽そうな稜線。その実態はそこそこ厳しい
同日同箇所2回目のアップダウンは堪えますな
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同日同箇所2回目のアップダウンは堪えますな
眼下に見えるのは高天原山荘か?
2
眼下に見えるのは高天原山荘か?
岩稜要塞のような水晶岳がやっと見えてきた
2
岩稜要塞のような水晶岳がやっと見えてきた
なかなか荒々しい山容
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なかなか荒々しい山容
往路で気が付かなかったけど雪渓ありました
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往路で気が付かなかったけど雪渓ありました
き...きついのだが...
1
き...きついのだが...
水晶岳ロックオン!(本日2回目)
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水晶岳ロックオン!(本日2回目)
振り返って赤牛岳への稜線。もう日帰りなんて無茶なことは2度とないな(多分)
2
振り返って赤牛岳への稜線。もう日帰りなんて無茶なことは2度とないな(多分)
水晶岳登頂
そして水晶小屋で休憩。傷んだ足に絆創膏ペタペタタイム。右足親指はかなり酷いことになっていた
2
そして水晶小屋で休憩。傷んだ足に絆創膏ペタペタタイム。右足親指はかなり酷いことになっていた
ピーチネクターを買って、空き缶はハンマーでつぶして捨てる
2
ピーチネクターを買って、空き缶はハンマーでつぶして捨てる
昨年は七倉から水晶岳ピストンした。また野口五郎岳も行きたい
1
昨年は七倉から水晶岳ピストンした。また野口五郎岳も行きたい
帰りは鷲羽岳を登り返さず、黒部源流を下る予定。
2
帰りは鷲羽岳を登り返さず、黒部源流を下る予定。
暫しなだらかな稜線歩きを楽しむ
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暫しなだらかな稜線歩きを楽しむ
振り返ってさようなら水晶岳
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振り返ってさようなら水晶岳
ワリモ北分岐。ここから黒部源流に降下
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ワリモ北分岐。ここから黒部源流に降下
祖父岳への道。上からはなだらかそうに見えたが、実際はなかなかきつい登りっぽい
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祖父岳への道。上からはなだらかそうに見えたが、実際はなかなかきつい登りっぽい
岩苔乗越。この辺で三俣に分かれていて、高天原、祖父岳(雲ノ平)、黒部源流(三俣山荘)と分かれる
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岩苔乗越。この辺で三俣に分かれていて、高天原、祖父岳(雲ノ平)、黒部源流(三俣山荘)と分かれる
私は黒部源流へ
源流沿いに下る
しかし、これがなかなか歩きづらく、親指爪の痛みが悪化してスピード上がらず
2
しかし、これがなかなか歩きづらく、親指爪の痛みが悪化してスピード上がらず
源流から見上げる雲ノ平への登り。数年前に日帰りハイクで登った。あの時もきつかった....
2
源流から見上げる雲ノ平への登り。数年前に日帰りハイクで登った。あの時もきつかった....
親指が痛いし、スタミナ切れになってきたので水源地標はスルー
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親指が痛いし、スタミナ切れになってきたので水源地標はスルー
この辺りは水が豊富で苔天国
1
この辺りは水が豊富で苔天国
やばい、三俣山荘への短い登りぐらいでも足が上がらないのだが...
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やばい、三俣山荘への短い登りぐらいでも足が上がらないのだが...
何とか登りきった。もはやコースタイムに近い時間がかかるようになってきて
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何とか登りきった。もはやコースタイムに近い時間がかかるようになってきて
緩やかだがさらに登りは続く。おいおい足が全然進まない。これで最後まで歩ききることができるのか?
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緩やかだがさらに登りは続く。おいおい足が全然進まない。これで最後まで歩ききることができるのか?
ここで休憩。エナジー補給したら力が戻ってきた。どうやらシャリバテだったらしい。早目早目の対応を!
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ここで休憩。エナジー補給したら力が戻ってきた。どうやらシャリバテだったらしい。早目早目の対応を!
親指は相変わらず痛いけど、元気は戻ってきたので巻き道で双六小屋を目指す。なかなか雄大な景観でちょっと元気になった
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親指は相変わらず痛いけど、元気は戻ってきたので巻き道で双六小屋を目指す。なかなか雄大な景観でちょっと元気になった
夕暮れの北ア。黄昏の中、一人寂しく下山中
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夕暮れの北ア。黄昏の中、一人寂しく下山中
やっと双六小屋。大分遅くなったので薄暗くなってきた
2
やっと双六小屋。大分遅くなったので薄暗くなってきた
平日でも人気のテント場は盛況
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平日でも人気のテント場は盛況
弓折乗越。この辺から親指痛に加えて足の踏ん張りもきかなくなってくる
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弓折乗越。この辺から親指痛に加えて足の踏ん張りもきかなくなってくる
鏡池通過。結局ここからの槍穂を眺めることは本日叶わず(まぁ分かってましたけど)
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鏡池通過。結局ここからの槍穂を眺めることは本日叶わず(まぁ分かってましたけど)
もはや、ゆっくりと足を動かすことしかできなくなってきた。明らかに限界超えた。立ち止まっては「長い、痛い、辛い」の愚痴を繰り返す豆腐メンタル
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もはや、ゆっくりと足を動かすことしかできなくなってきた。明らかに限界超えた。立ち止まっては「長い、痛い、辛い」の愚痴を繰り返す豆腐メンタル
すご〜く時間かかって小池新道終了。そして、この後もまだ長い林道歩きがあると思うと心折れた。トボトボと左俣林道を歩く(もちろん愚痴りながら)
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すご〜く時間かかって小池新道終了。そして、この後もまだ長い林道歩きがあると思うと心折れた。トボトボと左俣林道を歩く(もちろん愚痴りながら)

感想

※賞味期限切れの山行ですが、忘備録としてレコ作成


諸事情あって今シーズンはアルプス・ワンデイ・ロングハイクが行けてない。このままではシーズンが終わってしまいそうなので、何とか平日に時間作って行くことにする。昨年七倉から水晶岳をピストンした。その時に「今度は新穂高からピストンしたい」と思ったので、今回はそれにチャレンジ。「願わくば赤牛岳!」という身の程知らずのサブ計画も一応考えておく。最後まで黒部五郎岳と悩んだけどねぇ。


平日にもかかわらずほぼ満車状態の無料駐車場。日帰りハイクのこだわりから日付が変わるのを待つ。そして小雨がぱらつく中の出発(予報通りすぐに止んで良かった)。まずが林道歩き、そして歩きやすい小池新道。調子に乗って前半にスピード上げると、後半で足負傷&スタミナ切れ、そして精神崩壊...がいつものパターンなので、今回はある程度余裕のあるペース保って歩くことにした。慣れてしまったナイトハイク、星空は綺麗だが視界がないのは残念。吐く息は白く、秋の訪れを感じずにはいられない寒さだった。


双六小屋あたりで少し明るくなってきた。小屋前では出発準備の方々もチラホラ。樅沢岳へ向かうハイカーさんの灯が何とも雰囲気あって良かった。三俣蓮華岳手前で日の出を迎える。この幻想的で燃えるような稜線を眺めることができるのがナイトハイクの醍醐味!普通なら宿泊者しか味わえないからね。


【三俣蓮華岳山頂】





北ア最奥であろう三俣山荘から鷲羽岳への殺人的登りを眺めながらGO。まぁ思っていたよりは調子よく登れてよかった。とは言え、高山という事もあって徐々に疲労を感じ始めたので、少しペースを落とす。水晶小屋からは急に人も増え賑やかになり、ちょっと人恋しかった私はホッコリ。水晶岳に到着し、予定時間に対し1時間ほどの余裕があったので、このまま赤牛岳目指して突撃する。しかし、これが後々の後悔となるのであった。


赤牛岳までは一見穏やかな稜線に見えるが、アップダウンは当然の如くあり、何より岩ゴロゴロがずっと続くので少々歩きずらい。危うい個所とかはないが時短するのは難しそうだ。歩けども歩けども赤牛岳が近づく様子はない...またこの稜線を戻らなければならないことを考えると、徐々にウンザリし始めて、「もう引き返そうかなぁ」などとも思ったが、折角ここまで来たのだから行ける所まで頑張ろうと決意する。


赤牛岳山頂に辿り着いた時は久々に感無量。頑張った自分を褒めてやりたいと思いつつも「まだ半分か...」と思い直す。この稜線で10名くらいのハイカーさんと出会ったが、皆熟練っぽい雰囲気を醸し出していた。山頂にはソロ女子ハイカーさんが一人。少しお話したところ。七倉から2泊3日の予定で山旅中との事。なかなか強者である。昨日は野口五郎小屋で宿泊。思い返せば、山頂直下という最高のロケーションで素朴で雰囲気のある山小屋だった記憶があるので、「いいですね〜」と感想を述べた。その後、彼女とデッドヒートを繰り広げながら水晶小屋を目指したわけだが、復路の稜線歩きに辟易した私に対し、彼女は「こちら(復路)の方が楽でした」と澄ました顔で言っていた...やはり剛の者である。


水晶小屋で大休憩と足の手入れ。いつも靴擦れする踵の突起部分にテーピング。既に爪のない左足親指ににもテーピング。今回重症なのが右足親指の爪...どす黒く変色し、付け根には血豆ができでいた。最後までもてばよいが、下りになると痛みが出るだろう。休憩時間を多めにとったこともあり、1時間ほどあった貯金は15分程になっていた。


鷲羽岳を登り返すのはやめて、黒部源流を通ることにする。三俣山荘よりも低い地点まで降下して登り返さなければならないが、鷲羽岳を登り返すよりはましだろうと考え選択。黒部水源地標は数年前に雲ノ平日帰りハイクで一度通っているので少し安心だ。しかし、この下りが悪夢の始まりだった。岩が多く歩きやすいとは言い難い道で、足の痛みが急激に悪化、気温も上がりスタミナも奪われていく。早く歩くことはもはや叶わず、この先の苦闘を覚悟した。三俣山荘への登り返しではもはや足が上がらす調子が出ない。「おいおい、こんなことで最後まで歩きとおせるのか」と不安になる。まぁこの先は何度か歩いた道なので、暗くなっても辿り着くことはできると思うけど...。どうしても調子が上がらないので、双六岳の巻道分岐で小休止。あまり食欲ないが、口の中に食べ物を放り込む。気を取り直して歩き始めると、少し元気になってきたので、どうやらシャリバテだったらしい。「早目早めに対応しなくちゃ駄目だな」と反省。


とは言え、足の痛みは治まらず、もはやゆっくりとしか歩くことはできない。たっぷり時間をかけて双六小屋到着。辺りは暗くなり始めており、小屋の中では夕飯の準備が進んでいる様子。何だか寂しい気持ちになってきた。夕焼けの北アの美しさで気を紛らわしながら、どうしようもないので先へと急ぐ(まぁ急げないんだけど)。暗闇の鏡平を超え、15時間ぶりの暗闇小池新道へ突入。ここからが真のヘルロードの始まりでした...


右足親指の痛みがさらに増し、足の踏ん張りも効かなくなってくる。スタミナ自体はまだ何とかあるものの、精神的苦痛がピークとなり、立ち止まっては「長い...痛い...辛い...」の愚痴を繰り返す”豆腐メンタル”の本領発揮。「小池新道はコースタイム甘めだな」などと登りで感じていた自分が実に恨めしい。「何でこんなことやってるんだろう」という自問自答を繰り返しながら、ただただゴールを目指す相変わらず”生き急ぐ中年ハイカー”であった。結局予定時間を2時間もオーバーしての終了。日帰り温泉の営業時間は既に終了しているので、軽く汗を拭き帰路へと向かうも、途中撃沈し仮眠をとって朝帰りになったのは言うまでもナッシング。


今回も調子に乗ってしまい、辛い下山道をトボトボと歩く羽目になったしまった。まぁある程度想定内とは言え、学習能力のない私。特に今回は完全にキャパオーバー...水晶岳までなら何とか愚痴らず最後まで歩き通せたと思うが、赤牛岳はやっぱり遠かった。実を言うと、車中泊はいつも眠れないので、今回もNO睡眠でスタートした。復路の左俣林道で、ちょっとだけ幻聴&幻覚っぽい症状が出た時は「何だかTJARみたい」などとのんきに思っていたが、本当に限界だったと思う。幸い寝落ちするようなもともなく最後まで意識ははっきりしていたが、さすがにこんな無茶はもうやめよう(かな)。今日三俣山荘のHPを拝見したら、既に今期の営業は終了との事。北アルプスの秋はあっという間に通り過ぎ、すぐにあの神々しい白銀の峰々を眺める季節になるのだろう。




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この記録に関連する登山ルート

技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 甲信越 [3日]
技術レベル
2/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
技術レベル
4/5
体力レベル
5/5
ハイキング 甲信越 [2日]
双六岳
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
1/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [5日]
笠ヶ岳・水晶岳
利用交通機関:
技術レベル
3/5
体力レベル
3/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
高天原と雲ノ平
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

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