竜ヶ岳☆宇賀渓の滝とシロヤシオの紅葉
- GPS
- 04:52
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 989m
- 下り
- 975m
コースタイム
- 山行
- 4:12
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 4:52
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
今年はコロナ禍のせいで遠くへ出かける機会が少なかったこともあり、有給休暇がかなり残っている。週の半ばに休暇が転がり込む。この日は絶好の快晴のようである。
先日の台高は桧塚から奥峰にかけての稜線でシロヤシオの紅葉が鮮やかだったので、そろそろ竜ヶ岳のシロヤシオも紅葉している頃ではないかと考える。二年前の秋にも竜ヶ岳から藤原岳に縦走しているのだが、その時は10月の下旬であり、セキオノコバのあたりの紅葉は美しかったが、シロヤシオは残念ながら既に紅葉の盛りを過ぎた後で、くすんだ茶色の葉しか残っていなかったのだった。シロヤシオの紅葉が色鮮やかな時期に竜ヶ岳を訪れてみたいと思っていたのだった。週末は多くの人で賑わう竜ヶ岳であるが、平日なら混雑もないことが期待される。
宇賀渓に到着したのは10時を大きく過ぎていた。駐車場には30台ほどの車が停められている。林道を歩くと数組のパーティーが歩いておられる。
林道終点から登山道に入ると、川に架けられた橋には白滝丸太橋とある。沢の上流に小滝が目に入る。白滝らしい。橋を渡らずに白滝に近づいてみる。滝の流心に陽があたり、白滝の名に相応しく、白く輝いている。
登山道に戻り、先に進むと谷に架かる青塗りの魚止橋が現れる。橋を通って再び左岸に渡るとすぐに魚止の滝の案内がある。沢に降りて、少し進むと切り立った壁の奥で、深い碧色を呈する滝壺に斜めに落ちる滝が現れる。
登山道に戻り少し進むと沢に沿って進む道がある。一般登山道は急峻な斜面を登り、山腹をトラバースしながら進むことになる。やがて五階滝が現れる。その名の通り、いくつもの滝が連なる蓮漠であり、登山道から眺めることが出来るのはその最上部である。
滝の右岸を下降する踏み跡を辿り下段の滝に降りてみる。さらにその下には20m近くはあろうかと思われる最下段の滝が落ちており、この滝が最も大きいようだが、崖のような斜面を下降するのはやめておく。
五階滝を過ぎて燕滝に下降する道を探ってみる。沢の左岸に下ると炭焼き窯があった。左岸に道が続いているが、登りはともかく下降は容易ではないかもしれない。諦めて先の長尾滝を訪れることにする。ヨコ谷出合を過ぎて対岸に渡渉すると、渓谷が大きく広がる。いくつかの小滝に奥に大きな滝が落ちているのが見える。
歩きやすそうなので登山道を離れて小滝の脇を登ってみる。滝壺のエメラルドグリーンの色合いの美しさが印象的であった。朝のうちであれば陽光が滝壺に射し込むのかもしれないが、陽光が当たるとさらに美しいことだろう。
再びヨコ谷出合に戻ると、沢沿いの明瞭な登山道を辿る。いくつもの堰堤を越えることになる。最後の堰堤のあたりで沢を離れ、左岸のやせ尾根を登ってゆく。標高800mを過ぎたあたりで尾根の傾斜が緩やかになると、突然、樹冠が鮮やかな黄色となり、林の中が明るく感じられる。所々で楓の樹が紅の色を添える。尾根の左手は大きなガレ地となっており、ガレ地の淵からは三池岳、釈迦岳と鈴鹿の主脈の山々の展望が大きく広がる。
なだらか尾根は紅葉した低木のアーケードとなる。周囲の木々は全てシロヤシオのようだ。すぐにも樹林が切れて山頂部の広大な笹原の一角に飛び出す。
笹原の中に点在するシロヤシオの樹々は、よく喩えられるように確かに放牧された羊の群れのように見える。その多くが紅葉しており、色とりどりの樹々のパッチワークが美しい。まだ紅葉していないシロヤシオも見かけるので、紅葉の盛りはおそらく今週末あたりだろう。
最後は笹原の中を天空に向かって延びていくかのように思える登山道を山頂に向かって緩やかに辿る。中道は偶々なのだろうが、登山者と全く出遭わなかったが、山頂直下で下降してくる登山者に初めて出遭う。
山頂にたどり着くと北側には藤原岳の左に御池岳、静ヶ岳、その西側には日本コバが大きく視界に入る。藤原岳の左の肩には伊吹山も顔を覗かせる。久しぶりにこの竜ヶ岳から眺める藤原岳は東側斜面の石灰岩の採石場が大きな傷跡のようで何とも痛々しい。
山頂は途端に風が強い。これだけの笹原が広がるだけあってここは風の通り道なのだろう。それでも山頂部は多くの人が休憩しておられ、さらに山頂の北側からは続々と登山者が到着する。
360度の雄大な展望に加えて笹原の中で羊の群れのように点在するシロヤシオが見せる色とりどりのパッチワークにしばし見惚れる。この非現実的な光景を前にするとこの山がとりわけ人気があるのも頷ける。
下山は金山尾根を下る。金山尾根の下降点のあたりから振り返ると、竜ヶ岳の笹原の滑らかな山肌はまるで笹色の天鵞絨(ビロード)で覆われているかのように見える。尾根に入ると笹原はすぐに終わってしまうが、この尾根のいいところは随所に伊勢湾の展望が広がることだ。植林帯が長い遠足尾根と異なり、尾根の下部まで自然林が続くのも嬉しい。
振り返ると樹間から竜ヶ岳も垣間見える。下りは家内も順調に足が動いてくれたようで、1時間ほどで金山尾根の分岐まで辿り着く。宇賀渓の駐車場に戻るとまだ20台ほどの車が停められている。
八日市の喜多酒造の醸す特別純米酒と滋賀の酒米、渡船の「権座」を手に入れる。午前中に立ち寄った時に既にムカゴを購入しておいたのだが、いくつもあったムカゴは既に売り切れていた。夕方の眩しい西陽を浴びながら京都への帰路を辿るのだった。久しぶりに快晴の山行を堪能することができた日だった。
通勤途中の山の稜線がきれいに見えていました。
家に帰ってから「権座」も楽しめる。
自然の恵みを存分に楽しむスタイルにあこがれて居ます。
我が家は、娘が収穫してきた落花生の塩ゆでが食卓にあがってました。
塩ゆではあまり食べたことがなかったのですが、優しい味がするものでした。
今朝は、予報通りの雨。
週末はどこへ行こうかと考えても、思い浮かぶプランのレパートリーも少なく、土曜はお山の仏様に会いに行くとして、日曜日の天気次第。
ブナの森で黄葉を楽しむ・・おにゅう峠あたりですかね。
やまねこさんのおすすめは?
churaさん コメント有難うございます。
乾燥にも書きましたが、竜ヶ岳の紅葉は今週の週末から来週の前半あたりが見頃だと思います。ただ週末は混雑が懸念されますね。
権座はいつも八日市のICの近くの酒屋で手に入れていたのですが、今回、奥永源寺の道の駅でも並んでいたので、ここで入手しました。同時に手に入れた喜多酒造の特別純米酒「百済寺樽」は百済寺の森林組合とのコラボによるものらしく、これは予想以上に美味でした。
落花生の塩茹で・・・千葉県に行かれたのでしょうか。久しく口にしておりませんが、柔らかくて、しっとりとした食感で、美味しいですよね。
今週末の日曜日は近畿一円は広範囲に晴れの予報でしょうから、どこに行っても良さそうですね。高度が800mのあたりで紅葉が始まっている感じです。比良でも鈴鹿でも湖北でも良さそうです。
遠敷峠は明日の朝は間違いなく雲海が見られると思います。御伽峠や三国塚のあたりからも。もしも遠敷峠にいらっしゃるようであれば、最近のウリさんの行かれた無名峰はおすすめです。
「百済寺樽」 を手に入れられましたか。
地元の方々の熱い思いで復活したお酒です。
「最近のウリさんの行かれた無名峰」と針畑あたりを思い浮かべていましたが、
湖北の山の縦走へ、加えさせていただきます。
よろしくお願いします。
こんばんは。
宇賀渓の滝は登山道から訪れ易いので何度か足を運んでいますが美しいですね!特に魚止滝のU字カットの落ち口と、長尾滝の天然のプールのような大きくて美しいエメラルド色の滝壺は大好きです。以前訪れた際、長尾滝あたりはヤマビル天国だったのですが、流石にもう居ませんでしたか?
シロヤシオの葉の色付きは他の樹々より早いのですね。もう既に本番近しですか。笹の緑とのコントラストが見事ですね!観に行きたくなりましたが間に合うかな。
昨日若狭駒ヶ岳へ訪れてきましたがブナの紅葉はまだ少し先のようでした。
うりさん カラフルなコメントどうも有難うございます。
竜ヶ岳にこれまで二度ほど訪れましたが、この宇賀渓沿いの道は人の多さを懸念して通ったことがなかったのでした。幸いなことに今回はヒルはいませんでした。今日はかなり冷え込んだでしょうから、週末はシロヤシオの紅葉が一層、綺麗でしょうね。
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