唐松岳〜青空と雪景色の北アルプス
ぐろさん
体力度について
- GPS
- 05:44
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 973m
- 下り
- 971m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 4:56
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 5:44
| 天候 | 晴れ 北ア主稜線付近は強風 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）
アルペンライン券2980円。ゴンドラ+リフト2本の往復。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・前日までの降雪でノートレースだったが、BCの方々に先行して踏んでもらい、スノーシューで楽に行けた。下山はアイゼン装着。 ・ほぼ9割がBCで登山者は数名だった。 ・微風と日差しで気温差が激しく、下の樺までは暑くてベースレイヤーのみだったが、上の樺から先は徐々に着ていった。八方池山荘気温−7℃、唐松岳山頂−13℃と雪煙舞う10〜15m/sの強風。 |
写真
先日購入した、MSR ライトニングアッセント・パラゴンバインディングと昨秋に購入していたLa Sportiva G2 SMの試し履き。
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美しい景色が重い心を浄化していく。一歩一歩踏みしめるたびに、いったい何を悩んでいたのだろうと悟った。この大自然に身を委ねていればいいのだ。
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雪煙に包まれる。苦しくても寒くても、この美しい大自然と融合できる喜び。行った者しか見ることができない絶景が、いま目の前に。
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感想
24日、雨は夜更け過ぎに雪には変わらなかった。雨が屋根を叩く。ショパンの旋律のように美しくない雨音。起床した私の重い心には、バッハのフーガが重厚に鳴り響いていた。そんな日も仕事へ行かなければならない。淡々と仕事をし帰宅。
その不旋律の南岸低気圧は過ぎ去り、西から高気圧が接近。ただ翌日25日は深夜まで雨模様。赤岳阿弥陀岳へ行く予定だったが、当日見たSCWには、三県境に一番早く晴れ間が見られるので、急遽唐松岳に変更。移動時間もあまり変わらない。
前橋を4時に出発。早朝でも休日は山モードにいつも切り替わるのだが、気力が充実しない。雨は止んでいたが暖かい。これは各地で雲海が発生するだろう。
高崎ICから高速へ。下仁田IC付近から濃霧。更埴のトンネルを出たら晴れた。路肩に雪が積まれたオリンピック道路と白馬村内は一部凍結していた。
6時30分に天神坂へ到着。モルゲンの時間まで仮眠15分。7時少し前に朝焼けの白馬三山と五竜岳を眺める。美しい一日の始まりに気力をもらう。
移動してゴンドラアダム前の駐車場に停める。1000円。駐車場係の人から日焼け止めをもらった。私の日焼けした顔を見て、使わなくても受け取ってくれとのこと。必要な人に差し上げよう。
チケット販売は8時だが、最上のグラードリフトが8時45分からなので、余裕で並ぶ。アルペンライン券2980円。ちなみに八方尾根スキー場では、登山者がスキー場内を滑って下山する場合は、リフト一日券の購入が必要。一回券はない。
感染症対策で、ゴンドラはグループ以外での乗り合わせをしない。降車後はリフトがまだ稼働していなかったので、ゲレンデを少し散策。平野部は雲海が漂っていた。頚城方面の山並みもきれいに見えていた。良い日になることを祈って踵を返す。
グラードリフト待ちで鎌池の北側で白馬三山を眺める。昨年の想い出が蘇り胸を絞め付ける。ただ私の心の中に想い出があるのであって、山にそれがあるわけではない。山はそこに存在しているだけだから。すべては幻。そう考えると気持ちがふっと軽くなった。その想い出を雪に埋めて歩き出した。
禅問答している間にリフトが動き始めていた。八方池山荘へ着くと大勢のBCの方々。登山者は数名確認できただけ。前日までの降雪でノートレース。ただこれだけBCの方がいるので、後からゆっくり行けば踏まれて楽に歩ける邪な考え。
先日購入したMSR ライトニングアッセント・パラゴンバインディングを確認しながら装着、昨秋に購入していたLa Sportiva G2 SMの試し履きも兼ねる。
9時前にゆったりと歩き出す。見上げる空は紺碧で、どこまでも高く抜けるようだった。トレースを外さぬように歩いていく。見渡す景色は、白い雪と青い空しか目に入らない。その時その場所へ居た者しか見ることができない、一期一会の景色。
微笑む八方ケルンに見送られ八方尾根に取り付く。左手には鹿島槍ヶ岳と五竜岳の美しい景色。その絶景が先ほど蟠っていた気持ちや重い心を浄化していく。一歩一歩踏みしめるたびに、いったい何を悩んでいたのだろうと悟った。何も考えずこの大自然に身を委ねていればいいのだ。
日差しがあり風も弱く、みなベースレイヤーだけで登っていた。暑い。八方池は雪に埋まり飯森神社の祠も見えなかった。下の樺から急登が始まる。鼻で大きく吸って口で大きく吐く。鼓動が高まり全身から汗が吹き出す。辛い登りを無心となって登っていく。私の生命の息吹をこの大自然の中で感じることができた。生きる喜び。
丸山から先では唐松沢からの風が吹き、気温が下がってきた。シェルを着こむ。山頂付近や主稜線は、強風なのが地吹雪で確認できた。いつも通りなので気にしない。二年前はあまりの爆風に山頂では立っていられなかった。這って下り凍傷にもなった。
岩稜帯も雪で埋まり歩きやすいが、南側はハイマツとシャクナゲ帯があり踏み抜くので充分注意する。旧ヘリポート、北アルプス主稜線に到達。北西からの風と唐松沢からの地吹雪が舞い上がる。10〜15m/sだろう。
山荘分岐を唐松岳方面へ。地吹雪がすぐにトレースを消し、身体が雪煙に包まれる。過酷な状況で苦しくても寒くても、この美しい大自然と融合できる喜び。行った者しか見ることができない絶景が、いま目の前にある。
山頂に到着するが誰もいない。先行していたBCの方はDルンゼへ向かっていった。強風に吹かれながら記念撮影。習慣通り山座同定をした。新潟群馬県境山稜はやや霞んでいた。
目の前には迫力ある五竜岳、立山と剱岳は神々しさで輝いていた。Dルンゼにドロップするボーダーを見届けて下山。アイゼンに換装。立山連峰に別れを告げて八方尾根へ。
標高2600mから見下ろす雄大な景色、そこへ飛び込むように歩いていく。まるで自分が空中を散策していると錯覚する。途中で数名の登山者とすれ違った。もう少しゆっくりすれば良かったか？
西日となり、陰り始めた八方尾根を下る。陰と陽の美しい景色に全てを忘れる。やはり雪山は素晴らしい。決して私を裏切らない。冬季の環境が厳しい場所は必ず美しく、そこには行ける者しか行けないのだ。未練と執着を捨て新たな気持ちになった。
八方池山荘でアイゼンを外す。まだ時間があったので周辺を散策。しばらく白馬三山を無心で眺めていた。時は流れているが、想い出は止まったまま。それでいい。そのすべては幻と化したのだ。新たな気持ちを抱き、前へ歩んでいく。
下るリフトから滑走する人々や景色を眺める。ゲレンデ上には各々のシュプールとリフトに乗る私の影が映っていた。ゴンドラで下り駐車場へ。着替えて帰路へ。途中で路肩に停まり、北アルプスに日が沈むのを眺めた。
オリンピック道路を進む。今日の山行きを思い返し日高トンネルに入る。サイドミラーには、トンネルに縁どりされた鹿島槍ヶ岳が映っていた。私を癒してくれた山々に感謝。ミラーには徐々に小さくなる景色。今日の想い出のアルバムを閉じるように消えていった。
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こんばんは、growmonoさん。
大自然の中の人間なんて、本当にちっぽけな存在です。駄目ですね、もっと謙虚に生きないと。
去年の9月22日、竜宮からアヤメ平に向かって撮った写真、時間もアングルも全く同じですね。今思い出してみたのですが、確かに居ました。
熱心に写真を撮っていた人が、growmonoさんでした。
こんにちは、dotekabotyaさん。
あの時は富士見下から周回でした。紅葉が始まり良い時の尾瀬でしたね。
昨年から個人的にいろいろとあり、思い耽ておりました。今回の唐松岳の山行きですべて氷解しすっきりとした気持ちになりました。すべての事象はとどまらず、変化していくんですよね。
こんばんはグロさん 昨日は朝霧でしたが晴れてみれば最高天気。四阿山か唐松と思っていました。時として今年は趣向をかえて乗鞍行ったかなぁとも。
今日パノラマライン北ルートの入口の轍を見たらパジェロらしき跡は無かったので北アルプス行ったんだなと確信していました。ﾆｺﾆｺ
今回は珍しく出発が遅かったですね。風が強かったせいか自炊も無し。でも今までとはちょっと違うスタイルも新鮮で良いですね！
この冬はオレが行けないようなすごいところの写真や記録、楽しみにして待っています。
追記、シャコタン１号車のクロスオーバーのタイヤを来春に初めてコンチ履いてみようとおもっているのですがどうでしょう？ 教えてください。
ありがとうございました！
こんにちは、E-gunmaさん。
本命は赤岳阿弥陀岳周回でしたが、好天予想の白馬へ行きました。四阿山は1日に行く予定です。ただ天気が不安定ですので、行先は風に聞いてもらった方がいいかもしれません。
出発はグラードリフト待ちしている時に、10分以上その場で考え込んで、想い出を雪に埋めるのに時間がかかりました。ノートレースで中途半端なラッセルなら、ＢＣの方の後方から撮影しながら歩こうと思ってました。
それでもかなりゆっくり行って3時間でしたからね。やる気になれば2時間半で行けるでしょう。強風を考え食事も行動食だけでしたから気楽でした。
シャコタン1号はフルタイム四駆ですよね。コンチネンタル私のロードバイクで使用しています。自転車のタイヤとはいえ一本7000円します。下手な乗用車タイヤより高いんです。
仕様は17インチですか？ピレリー、ミシュラン、ユニローヤルいろいろありますね。1号ですと高速移動やターマックが主ですよね。静寂性と燃費性能を重視したものが良いと思います。
growmonoさん こんばんは。
唐松岳への尾根（八方尾根）の真白な雪
天を仰げば、真っ青な空
風がなかったら最高でしたね。
天気も味方してくれて暖かい山歩きが北アルプス絶好調でしたね。
こんんちは、yasioさん。
土日の悪天候が嘘のように晴れ渡りました。好天の場所を選んで行っていますから当然の景観です。強風は仕方ないですね。1月厳冬期の北アルプスですから、贅沢は言ってられません。
素晴らしい景色の中を無心で歩みました。自分にとってとても重要な山旅となりました。
取っていただいたライン感動しました。
ありがとうございました 。
こんにちは、weiwormさん
ＢＣの方々に新雪を踏んでいただき、楽に歩けました。唐松沢やＤルンゼからドロップされる方々を山頂から眺めてました。みなさん良いライドされてましたね。
growmonoさん こんばんは！
厳冬期の北アルプスの素晴らしい景色をありがとうございます
そして14mmの画角って物凄い絵ですね フルサイズ機の緻密な画像も
もちろんgrowmonoさんの腕前があっての絵ですが・・・
同じ日に赤城の黒檜山からヤフオクでゲットした40−150mmのチープレンズで
鹿島槍ヶ岳、五竜岳を写して遊んでましたけど、D850と神レンズに恐れ入ります
デジ一眼は、2年前にOM-D E-M5��12−40 f/2.8を買って使用していますが
35mmで馴染んだF値と画角の感覚の差や、EVFにも馴染めないでいます
道具を言い訳にしたくないけど、やはりフルサイズ機が欲しいなぁ〜
おはようございます、danbyさん。
当日晴れることを確信しましたので、急遽予定を変更し行って参りました。やはり厳冬期の北アルプスは良いですね。景色が違います。
通常はD850にAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRを付けています。この装備で約2ｋｇです。先日からは、AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDもザックに入れてます。これが800ｇですね。フルサイズと良いレンズの組み合わせは嵩張り重いですが、もう慣れました。
ミラーレスも良いと思いますがＥＶＦの違和感と、起動書き込みの遅さは馴染めません。特にＡＦ追尾の遅さは、直に見たものと画像処理したもののラグを微妙に感じます。ただＥＶＦに映ったものがそのまま画像になるので、それはそれで良いとは思います。
14ｍｍの超広角は当初戸惑いました。余分なものが写るので、構図やアングルを考えないとなりませんでした。やはり雪山には合いますね、このレンズ。臨場感と解像度が半端ないです。
私は相変わらず、こんなもんだろうと撮影設定してますので、シャッターを押しているだけです。私の技術ではないです。買えばだれでも写せます。ただし、その場所まで行きその時でないと撮れない一期一会の風景です。
growmonoさん
おはようございます。
やっぱり八方尾根はいいですね。
私は毎年春先に行ってましたが昨年からお休みでした。
今年はこの景色を見させていただきまた行きたくなりました。
春が待ち遠しいです。
こんにちは、iiyuさん。
晴れ間を狙って行ってきました。例年2月になってから行くのですが、今年は1月に行けました。相変わらずの爆風でしたが、分かっていたので気にしませんでした。素晴らしい360度のパノラマはじっくりと眺められました。しかも山頂にはたった1人きりでした。3月になれば晴天率も上がりますし、4月下旬でしたらライチョウも現れますね。
growmonoさん、おはようございます。
No.41のフォトを見たらDルンゼを滑走したくなってしまいました。もういい歳なので、エクストリームは卒業かな〜と思っていましたが、見ると不思議とチャレンジしたくなりますね！唐松山荘上で地吹雪を体験すると、北ア稜線に来たという感じがしますね。素晴らしい展望に恵まれ良かったですね。
hareharawaiより
こんばんは、hareharawaiさん。
晴れ間を狙って行ってきました。あの景色と雪面状態からドロップ出来たらいいでしょうね。見上げるマイラインに見惚れるでしょう。
厳冬期の唐松岳は爆風と極寒は承知していますので、全く気にしていません。一昨年は飛ばされると本気で思いましたからね、凍傷にもなりました。良い日だけでなく悪い日も経験していますので、絶景を目の当たりにすると心が和みます。
こんにちは growmonoさん
白馬の近くに住んでおりますが、そこは田舎町の職場。
「県外に行ってはいけません」という縛りがあり、
せめて八方池までという願いもかないません。
同じように仕事の悩みが多くつぶれそうな毎日ですが、
growさんが禅問答しながら山に登っておられること(まったく同じです)、
はるばる遠くから白馬まで来られたことに励まされ、久しぶりに山に登りました。
唐松の風景に励まされました。ありがとうございます。
こんばんは、kibakoさん。初めまして。
時間を割いてコメントをお寄せ頂きありがとうございます。
県外はダメで八方池も無理となると、新潟県上越市糸魚川市の方でしょうか？
父が柏崎市出身ですので、新潟県は身近でとても思い入れがあります。
私の悩みは、アラフィフで恥ずかしながら仕事ではなく失恋です。心理に関わる根本的な要因は全く異なると思います。ただ人間関係ということはシンクロしていると思います。
今までの想い出は自分が全て背負っており、パソコンのように消し去ることは出来ません。山での想い出は、山にあるのではなく私の記憶にあるであって、時間が経てば全てが移り変わっていき、何事も留まることがないと悟りました。鎌池に想い出を埋めました。
傷心でしたが今回の唐松岳の山行で、男として人間として成長できました。やはり大自然に抱かれると、心が号泣し成すがままになります。
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